「手紙コンサルタント」である『短いのに感じがいいメールが悩まず書ける本』(亀井ゆかり 著、日本実業出版社)の著者は、ビジネスにおける「手紙」と「ハガキ」「一筆箋」、そして「メール」はそれぞれ体裁やルールが少しずつ違うものだと述べています。

とくにビジネスにおいては、手紙と電話の中間のような位置にあるメールの役割が重要。手紙ほどの「わざわざ感」はないものの、相手を思いながら文面を思案することになりますし、電話ほどではないけれど「会話・対話」と似た役割をするからです。

そして、メールは会話ほど瞬時に判断しながらやりとりをしなくても、一呼吸思案して、適した表現を考えることができる便利なコミュニケーションツールです。

人見知りの会話下手でも、落ち着いて自分が伝えたい用件をスマートに表現して伝えられるので、良い人間関係を築く一助となったり、ビジネスアプローチとしても有効なアイテムとなったりします。(「はじめに 〜思いを伝えるということ〜」より)

ただしビジネスメールの場合は、その名のとおり「ビジネス」のためのものであるため、簡潔さや正確さが求められます。また著者によれば、少しはテクニックやスキルも必要なのだとか。そこで本書では、その部分を解説の柱としているそうです。

ビジネスメールを作成する際、大抵の場合は土台となるお手本の文面があります。

いっそ、そのまま送信すれば間違いない、「あんちょこ」のようなものです。そんな無難な文章でよいかしら、もう一歩相手の心に喰いこみたい、ワンランク上のメールを作成したい時、本書が相手に送信者であるあなたの表情が見えるような文章を書く、その参考になれば本望です。(「はじめに 〜思いを伝えるということ〜」より)

そんな本書の第2章「よくあるシーン別のメールの書き方」のなかから、「簡潔に伝わる依頼」に焦点を当ててみたいと思います。

簡潔に伝わる依頼

お願いや頼みごとをする際には、一方的な内容にならないようにし、謙虚な姿勢で、あくまで先方の理解を得ることに努めるのが大切。

依頼したい案件についての詳細は、依頼主であるこちらの求めるものを相手が形として想像できるようにする必要があるわけです。具体的にいえば重要なのは、曖昧でなく明確かつ簡潔に伝えるよう心がけること

依頼内容に期限がある場合も、曖昧な期間設定ではなく、具体的な日程を提案するべき。そのほうが調整もしやすく、お互いの認識の食い違いやトラブルを減らすことができるからです。

日程に関しては、依頼相手が考える余地や準備期間を考慮し、余裕を持って早めに連絡。その際、依頼するに至った経緯や現在の状況を具体的かつ簡潔に伝えると、相手にとっては判断材料のひとつになるといいます。

そして、相手の意思をきちんと尊重するメール文になるように配慮することも大切。「恐れ入りますが」「申し訳ありませんが」などの“クッション言葉”を使用すると、伝えにくいことがらも柔らかくなり、相手への気遣いや思いやりも伝わるそうです。(38ページより)

請求書送付の依頼

請求書送付をお願いする際の依頼文を例にとってみましょう。

いつも大変お世話になっております。

◯◯株式会社の◯◯です。

先日はすばらしい催しを、ありがとうございました。

おかげさまで参加された方からは大変好評価をいただき

貴社に企画・運営をお任せしてよかったと喜んでおります。

さて、イベント実施より半月が経ちますが、

請求書の到着が確認できておりませんので、

ご連絡をさせていただきました。

ご多用中恐れ入りますが、◯月◯日(金)までに

ご送付いただけますでしょうか。

よろしくお願いします。

尚、本メールと行き違いでお送りいただいておりました場合は、何卒ご容赦ください。

(39ページより)

まずは冒頭で具体的な好反応について伝え、請求書送付のお願いをするにあたっては具体的な期限を設定。また最後には、万一の場合の予防策を張っておくわけです。(39ページより)

言い換え例

文例1

請求書の到着が確認できておりませんので、

ご連絡をさせていただきました。

▶︎未だ、請求書が届いておりませんので、何か不都合があったかと案じております。

▶︎まだ貴社からの請求書が到着しておりませんので、至急ご確認の上、ご送付くださいますようお願い申し上げます。

▶︎本日時点で請求書が受領できておりませんので、念のためお問い合わせさせていただきました。

(40ページより)

文例2

ご多用中恐れ入りますが、◯月◯日(金)までに

ご送付いただけますでしょうか。

▶︎お手数ではございますが、事務処理の都合上、◯日までにご送付いただけましたら幸いです。

▶︎弊社の手続きの関係上、毎月◯日を過ぎますと、お支払いが翌々月末となりますので、よろしくご対応をお願い申し上げます。

▶︎請求書の到着が◯日を過ぎると、お支払いが遅れてしまいます。お早めにお手配いただけますようお願い申し上げます。

(40ページより)

このようにさまざまな伝え方があるので、状況に応じて使い分けると効果的かもしれません。(39ページより)

例文などが豊富に盛り込まれているため、とても実用的な内容。メールを通じて相手に好印象を与えるため、ぜひとも活用したいところです。

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Source: 日本実業出版社