身体の健康はもちろん、仕事のパフォーマンスを大きく左右する睡眠。ここ数年はテクノロジーの進化によって睡眠を可視化、分析できるようになり、今後の動向にますます注目が集まっています。

先日、渋谷未来デザイン主催のSIW(ソーシャルイノベーションウィーク)にて、睡眠領域に携わる登壇者によるトークイベントが開催されました。

睡眠を科学して女性の活躍を支えようというテーマの元、各分野から最新の取り組みや海外動向など興味深いトピックが次々と展開。多角的な視点から“眠り”を再考するためのTipsをまとめてお届けします。

Image: 一般社団法人渋谷未来デザイン

仮想人体モデルでライフケアをカスタマイズする時代?

Image: 一般社団法人渋谷未来デザイン

まず、私たちの健康管理に関する興味深い取り組みをご紹介してくれたのが、花王デジタル事業創造部の川上彩さん。

花王といえばボディケアやお掃除アイテムでお馴染みですが、同社では現在、仮想人体生成モデルなるものを共同開発中とのこと。

これは身体に関する項目やライフスタイル、性格傾向、嗜好性などさまざまなデータを網羅的に推定し、ある項目のデータを入力することで、別の項目の推定値を出力することが可能になるというものなのだとか。

つまり、年齢や性別、身長や体重、睡眠で休養が取れているかどうかなど、一部のデータを入力するだけで、内臓脂肪面積、職場における生産性やプレゼンティズム(出社しているものの、何らかの健康問題によって業務効率が落ちている状況)などが推定値として把握できるようになるのだとか。

昨今、スマートウォッチはじめ、睡眠や運動、健康状態をデータで可視化するデバイスが身近になってきましたが、今後はこうした統計モデルでさらに細かな健康状態が手軽にチェック、予測できる未来がくるのかもしれません。

人生100年時代、健康寿命を長くキープするためのテクノロジー進化にますます期待が高まりました。

睡眠には正しい知識と一貫性のある就寝時ルーティーンが重要

Image: 一般社団法人渋谷未来デザイン

続いて睡眠における海外動向を披露してくれたのは、Sleeping Smart Japan 代表を務める愛波文さん。普段NYで乳幼児睡眠コンサルタントとして活動する中で、子どもの寝かしつけや睡眠に関する意識において、日米における違いを感じているのだとか。

愛波さんによると、乳児の寝かせつけポイントで重要なポイントは以下4点。

  • 乳児は必ず仰向けで寝かせる(横向きはNG)
  • 大人用ベッドではなくベビーベッドに寝かせる
  • 寝床にかけ布団、ブランケット、枕、ぬいぐるみ、バンパー等の柔らかい物は入れない
  • 乳児の体温が高くなりすぎないように気をつける

個人的には、3点目の「ベビーベッドに物を置かない」というのは驚きでしたが、これはベッドに置かれた物が窒息の原因になってしまう恐れがあるため、とのこと。日本ではあまり啓蒙されておらず、愛波さんが特に普段から強く警鐘を鳴らしている点です。

これ以外にも、良い睡眠には光、音、温度・湿度、安全性が重要なファクターであるとポイントをレクチャー。

良い睡眠には科学的知見に基づいた正しい知識を身につけておくこと、そして毎日一貫性のある就寝時ルーティーンを作ることが重要であると力強く訴えました。

両親が幸せな状態であってこそ、家族全員が幸せになれる

また、子育てや睡眠に対する意識についても日米で違いを感じることが多いのだとか。

愛波さんご夫妻は出産後、看護師の方から「Happy Mom, Happy family!」(お母さんの幸せが家族の幸せ!)と声がけをされたほど、親のセルフケアが重要視されているのだとか。

シャパンタワーの図を例に、「最も上にいる両親が幸せな状態であってこそ、その下にいる家族全員も幸せになれる」というアイデアを紹介してくれました

Image: 一般社団法人渋谷未来デザイン

これは子育て以外でもパートナーや友人、家族、そして職場の人間関係でも同じことが言えるかも。オンオフ問わず、余裕がない日が続いたり自分自身が心身ともに満たされていないと、周りをケアすることは難しいものです。

幸福度を良い状態にキープするために欠かせないのが良質な睡眠。愛波さんの周りでは両親が我が子の睡眠をしっかりマネジメントし、小さな頃から良い習慣づくりに務めている方が多いそうです。

“頑張らない”睡眠を届けたい

次に、「頑張らない睡眠を届けたいんです」と語ってくれたのはD2C寝具ブランド、コアラスリープジャパンの尾澤恭子さん。マットレスの上でワイングラスを置いて隣で飛び跳ねている動画を目にしたことがある人もいるかもしれません。

Image: 一般社団法人渋谷未来デザイン

尾澤さんは同社が目指している世界、"LifeLaidBack"(頑張らない睡眠)について、以下のように説明をしてくれました。

日常的に、皆さんすでに頑張っているじゃないですか。すでに頑張っているのに眠れない。もっと頑張って眠れるようにしなきゃ、と睡眠まで頑張ってしまっていると思うんですね。

私たちは技術を使って、横にさえなっていただければグッスリ、気持ち良い睡眠ができるものを作るので、皆さんは頑張らなくて大丈夫です!

睡眠まで頑張ってしまっている、とはまさに筆者のこと。

睡眠の重要性を知れば知るほどちゃんと寝なきゃ!と毎晩プレッシャーになるほど睡眠にプチストレスを感じる日々。尾澤さんの言葉を聞いて肩の荷が降りたような気分になりました。

本来睡眠はゆっくり疲れをとって心地よく休息するための時間。うまく眠れないとストレスを抱えたりするくらいなら、コアラマットレスのような優れたツールを活用してみるのもいいと感じました。

専門家、データ、ツール。頼れるものにはどんどん頼ろう

最後は日本の女性の睡眠環境と意識睡眠と幸福度についてクロストークが展開。

寝ずに頑張る、勉強、仕事するという感覚が根強く残っている日本。また、特に女性は自分のことを後回しにし、子どもやパートナーのことを優先する人が多い、という実態もあります。

この意識を改善し、行動に移していくにはどのような働きかけが必要なのでしょうか?

Image: 一般社団法人渋谷未来デザイン

登壇者が口を揃えて賛同していたのは、まずお母さんこそしっかり寝ることが大切だということ。

前述したシャンパンタワーのように、両親の睡眠、幸せは家族全員の幸福度を左右することから、何よりもまずは両親、そしてその周囲も含めてセルフケアの重要性を認識する必要がありそうです。

また、専門家、科学、ツールなど頼れるものに頼ることも重要なポイント。

睡眠は幸福度に大きく関わるものですが、睡眠が理由でストレスを増やしてしまうのは本末転倒です。

今回の登壇者から紹介された情報含め、正しい知識を身につけ、ツールを活用し、睡眠を上手にハックすることが無理なく幸福度を高めていくことにつながると感じました。


1時間弱のオンライン参加でしたが、睡眠の重要性を改めて認識する機会になったとともに、科学的な知見をキャッチアップし、データやツール活用の意義を再認識しました。

頼もしいリソースに力を借りて良質な睡眠をとり、日々のQOLを高めていきましょう。

当日のアーカイブはこちらからご覧いただけます。

▶︎▶︎SLEEP & HEALTH 睡眠を科学した先の幸せとは?

Source: 一般社団法人渋谷未来デザイン, 花王 , Sleeping Smart Japan, コアラマットレス