Googleは、「Chrome」を規則正しくアップデートしています。
毎月新しいバージョンのブラウザをリリースして、私たちみんなが楽しめる新機能や変更を提示しているのです。
「Chrome 107」では、特にChromebookの変更に注力しているようです。
「ChromeOS 107」を搭載したモデルでは、Appleの「センターフレーム」のようなカメラ機能や、スリープさせずにノートPCのカバーを閉じる機能が使えるようになっています。
Chrome 107の新機能
まずは「Chrome 107」を見てみましょう。
これは、Googleがブラウザに加えた最新のアップデートであり、おそらくはあなたが今、使っているものです。
ウェブサイト「How-To Geek」のライターJoe Fedewa氏は、その「更新」ボタンを押すとどんな新機能や変更が期待できるかを詳しく調査。といっても、アップデートの内容は比較的軽いものでした。
Googleの新CDMが正式リリース
Chrome 107は、Googleの新しいCDM(コンテンツ復号化モジュール)を採用した初めてのバージョンです。
CDMは、簡単に言うと、デジタル著作権管理(DRM)によって制限されたコンテンツをブラウザで再生できるようにするもの。
CDMがなければ、Netflixなどのサービスを視聴することはできません。ユーザーにコンテンツを視聴する権利があることを、配信する側が確認できないからです。
ChromeおよびChromiumベースのブラウザは現在、「Widevine CDM」を使用していますが、新バージョンリリースにより、これはもうすぐ終了する予定です。
新CDMが最初に実装されるのがChrome 107で、それ以外のChromiumベースのブラウザは11月15日になる予定です。12月6日までには、現行のWidevine CDMは使えなくなります。
それまでにブラウザをアップデートして、ウェブでDRMのコンテンツを引き続き視聴できるようにしておきましょう。
User Agentの削減
Googleは、User Agent削減計画を進めています。User Agent削減の目的は、「User Agent文字列」のユーザーデータの量を減らすことです。
「User Agent文字列」とは、サーバーやネットワークが、あなたのアプリケーションやOSバージョン、その他の個人を識別する情報を見られるようにするもの。
トラッカーはこうした情報を、あなたのデバイスを特定する「指紋」として使用し、あなたのプロフィールを作成してブラウジング行動を追跡することができるのです。
GoogleはChrome 107で、この計画の「フェーズ5」に入りました。私たちにとって重要なのは、このアップデートによって、オンライン上のアイデンティティの保護が少し強化されたことです。
ChromeOS 107の新機能
今回のアップデートでは、GoogleはChromebookに重点を置きました。ChromeOSを搭載した端末をもち歩いている人には、嬉しいことでしょう。
ウェブサイト「Chrome Unboxed」では、その新しい機能が紹介されています。
カメラフレーミング機能
比較的新しいiPadをもっているChromebookユーザーなら、誰もがこの変更を歓迎するでしょう。
ChromeOS 107では、対応しているデバイスに「カメラフレーミング機能」を提供しています。ビデオ通話中に、ソフトウェアを使ってあなたの頭の動きを追跡する機能です。
Appleの「センターフレーム」と似ており、被写体が動き回っていてもフレーム内に収めるのが楽になります。
Chromebookがこの機能をサポートしている場合は、ChromeOS 107にアップデートすると、この機能を有効にするための通知が出ます。また、クイック設定のオプションとしても表示されます。
カバーを閉じた時、自動スリープ状態を無効化
あなたがChromebookの管理者であれば、カバーを閉じた時に自動的にデバイスをスリープ状態にする機能を無効にすることもできます。
Chromebookのカバーを閉じて、別の場所に移動させなければならないけれど、バックグラウンドで何らかの作業を実行させておく必要がある場合に、とても便利な機能です。
仮想デスクトップがさらに使いやすくアップグレード
ChromeOS 107では、仮想デスクトップ機能にいくつか優れた改良が加えられています。
1つ目は、「デスク」同士をマージする機能(Chrome OSでは、仮想デスクトップのことを「デスク」と呼んでいます)。
ChromeOS 107では、デスクのいくつかが少し重複していると感じた時に、マージしてすばやく整理できるようになります。
オーバービューモードでは、デスクを閉じるための「X」に加えて、デスクをその左側のデスクにマージするためのアイコンが見えるでしょう。
そしてもう1つが、あとで使うためにデスクを保存する機能。一時的にデスクを消したいけれど、内容は取っておきたい場合に最適です。
オーバービューモードで表示されるようになった「後で使用するためにデスクを保存」ボタンをクリックすれば、作業していたものをあとで使えるように保存できます。
キーを長押しして、セカンダリ機能にアクセス
Chromebookではまもなく、対応したキーを長押しすることで、アクセント記号付き文字や特殊文字などのセカンダリ機能のキーにアクセスできるようになります。
Chrome 107では現在試験段階ですが、フラグを有効にすれば、この機能を試すことができます。
ブラウザに以下のアドレスを入力し、「Enter」を押してください。
chrome://flags#enable-cros-diacritics-on-physical-keyboard-longpress
フラグを有効にしてブラウザを再起動したら、いろいろなキーを長押しして、何が入力できるか試してみましょう。
プライバシー・インジケーターが表示されるように
ChromeOSでももうすぐ、macOSのように、アプリがウェブカメラやマイクを使用している時に知らせてくれるプライバシー・インジケーターが表示されるようになります。
この機能は「How-To Geek」が見つけたものですが、ChromeOSに追加されるのはありがたいことです。
まもなく、Chrome Canaryのチャンネルのフラグで試せるようになります。つまり、まだの人はChrome Canaryをダウンロードする必要があるということです。
Source: How-To Geek, Bitmovin, Chrome Developers, Chrome Unboxed, Chrome Canary