新しい職場での第一印象を良くしたいというのは、誰もが思うことです。第一印象がすばらしいと、ある一面で好意的な印象があればほかの面も良く見られるという「ハロー効果」があるからです(その思い込みに根拠や理由がそこまでなくても)。
キャリア・コーチであり、『Real-Time Leadership: Find Your Winning Moves When the Stakes Are High』の著者でもあるCarol Kauffmanは、「第一印象があまりにも良いと、ほかのこともうまくできると思われることがある」と言っています。
このハロー効果を味方につけるために、本当に第一印象を良くしたい時に使うべき6つの戦略をお教えしましょう。
ありのままの自分でいる
第一印象を良くしようとして、あるいは無理にでも良い印象を持ってもらいたくて、別の人格を演じたくなるかもしれませんが、「やればやるほど、逆効果」だとKauffmanは言います。
それよりも、「どうすれば、ここで本来の最高の自分を出せるか?」に力を入れるべきだと言っています。
毎回良い第一印象を与えられるわけではありませんが、それは最初から現実的な目標ではなかったということです。取り繕った自分ではなく、ありのままの自分でいることで、良い第一印象を与えられるようになります。
相手に注目する
第一印象を与えることに関して言えば、一歩引いて相手の要求やニーズに注目するのが有効です。
「私が誰かに会った場合に、相手が私の話を聞きたい、私や私の働き方について知りたいという姿勢であれば、相手にとって私は重要だということなので、良い印象を与えられます」とKauffmanは言います。
これには、自分に対するニーズが何なのかを把握する効果的な方法でもあります。
あなたは相手が求めるスキルを持っているのかもしれないし、相手にとって有益な人脈を持っているのかもしれません。また、相手に注目することで、落ち着いている印象を与えることもできます。
キャリア・コーチであり、『Win When They Say You Won't: Break Through Barriers and Keep Leveling Up Your Success』の著者でもあるDaphne Jonesは、次のように言っています。
不安な時というのは、対象は自分です。しかし、「何かお困りですか?」と聞く時は、自分ではなく、相手が対象なので、良い印象が与えられます。
相手の立場になる
Kaufmannは、仕事で大きなプレゼンをする時に犯しがちな大きなミスについて指摘しています。
聞き手が大事なメッセージを理解できるか、相手の身になって考えるのではなく、賢く成功した人物に見せようと、できるだけ多くの細かな情報を盛り込むことに力を入れることがよくあります。
これに対して、「問題は、相手がどんな話を聞きたいかを考えていないことです」とKaufmannは言います。
情報を盛り込みすぎると、聞き手が参ってしまったり、混乱したりして、裏目に出る可能性があります。それよりも、相手が何を聞きたがっているかを考えることに力を入れ、伝えたいメッセージが明確かつシンプルか、聞き手にとって価値のあるものかを確認しましょう。
親しくなる方法を探る
これは相手の性格も含め、相手がどんな人かを理解する助けにもなります。温かさや共感を好む人もいれば、データや事実を好む人もいますし、自分の意見をはっきりと誠実に伝えられるのが大事だという人もいるでしょう。
これは、相手と親しくなるために、自分の性格を変えたほうがいいということではなく、相手とうまくやれる可能性が高そうな自分の一面を出していくという意味です。
「相手の好む性格や人間関係を察したいところです。相手の好みに、自分のスタイルをどれだけ臨機応変に合わせていけるかということです」とKauffmanは言います。
準備をしておく
準備をしておくことでも、良い第一印象は与えられます。仕事をきちんと締切までに終わらせるとか、必要な事前調査をやっておくとか、されそうな質問に答えられるようにしておく、というようなことです。
結局のところ、自分は仕事をきちんとこなす、頼りがいのある人間だという印象を与えたいわけです。「早く、相手が思っている以上のものを提供するということです」とJonesは言います。
「W.A.I.T.」戦略を使う
Jonesは、「W.A.I.T.」戦略を使うことをすすめています。これは「Why Am I Talking?(私が話しているのはなぜか?)」の略です。
つまり、いつ、なぜ話をするかをきちんと選択するということです。「あなたが話してばかりで、相手が常に聞いていると、あなたの言葉の価値が下がり、相手はあなたの話を聞かなくなります。あなたの声が届かなくなるのです」とJonesは言います。
Jonesがすすめているのは、話すタイミングを意識するということです。「その質問はするだけの価値がありますか? 相手の話をさえぎるよりも、黙っているほうが良いのでは? 」とJonesは言います。
自分の言葉に意識的になれば、発言する時に言葉に重みが増し、価値があるという印象を与えられます。
Source: Amazon(1, 2), Institute of Coaching