カフェでノートパソコンを開いて仕事をする人たちの姿が、当たり前の光景になって久しいですね。

筆者も2016年にフリーランスとなって以来、一時期はほとんど毎日のようにカフェに通って仕事をしていましたが、今はかなり回数を減らしています。

カフェには、仕事の生産性をアップさせることもあれば、逆に大幅に下げてしまう場合もあることがわかったから。

そこで今回は、カフェでの仕事のメリットとデメリットを紹介しましょう。

メリット:周辺環境や心理的要因でパフォーマンスアップ

筆者がカフェで仕事する最大のメリットだと考えるのが、「社会的促進」によるパフォーマンスアップです。

社会的促進とは心理学の用語で、周囲に他人がいることで、1人の時よりもタスクの処理量が上がるというもの。

これは、他人に「見られている」という意識が適度な緊張状態を生み、それがタスク遂行にほど良い好影響を与えるからです。恐らくこれは、集団生活をしてきた人類の本能的な働きなのでしょう。

また、家にいたら、好きな時に寝転がったり、テレビを見たりと誘惑がいくらでありますが、カフェではその誘惑がない(誘惑があってもできない)こともあります。

加えて、飲食に何がしかの料金を払ったのだから、「元をとりたい」という感情も手伝います。よく考えれば非合理な感情ですが、カフェで仕事をサボって、海外ドラマを見たりゲームをしたりするのは、「なんかもったいない」と思う心理が働きますよね。

こうした諸々の理由から、カフェでの仕事は捗るものとされています。

デメリット:「頭脳労働」はカフェの利点が逆効果に

筆者が日々カフェに通っていた頃は、あらゆる仕事をカフェでこなしており、自宅にいるのは資料を読む時程度でした。

しかし、やがて気づいたのは、ある種のタスクはカフェでは全く捗らないという事実。そのタスクとは、新たな企画を構想するなどの頭を酷使する仕事です。

「カフェ信仰」が長かった自分は気づくのが遅かったのですが、社会的促進は、頭脳労働には逆効果なのです。これは「社会的抑制」と呼ばれ、仕事の現場だけでなく、スポーツの世界でもよく見られる現象。

このことを実感して以来、頭を使う仕事はカフェに持ち込まずに自宅で処理。それ以外の、「エクセルにひたすら数字を入力する」といった単純作業をカフェでするようになりました。

最近になってリモートワークをはじめた方のなかには、一切合切をカフェで済まそうと意気込む人も少なくないようです。

ただ、経験者として伝えたいのは、頭脳労働の強弱によってカフェと自宅を使い分けるべきということ。これだけでも、かなりパフォーマンスが改善されます。

では、捗るカフェにはどんな特徴があるのでしょうか?

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「仕事に適したカフェ」選びで重視すべきポイントは?
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