まず、残念なお話を1つ。経営者にとって、いえ、誰にとっても、座りっぱなしは体によくありません。
1日に6時間以上座っている人は、1日に3時間以下しか座らない人に比べて慢性的な疾患が原因で亡くなるリスクが18%高いことが研究でわかっています。
また、1日に11時間以上座る生活をしていると、1日4時間以下しか座らない人に比べて、向こう3年の間に亡くなる確率が40%も高くなるそうです。
とは言え、長時間にわたるデスク作業の悪影響を打ち消すのは容易ではありません。
ある研究によると、座りっぱなしによる死亡リスクを軽減するには、中程度から高強度の運動が150~300分必要だそうです。別の研究によれば、中程度から高強度の運動が1日に60~75分必要 (週に525分にもなります) とのことです。
ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・スポーツ・メディシン(British Journal of Sports Medicine)に掲載された最近の研究によると、1日30~40分の運動が「理想的ではある」が、1日11分の運動だけでも効果があるとのことです。
ということなので、デスクワークで健康を損ねないために、ちょっと気合を入れて頑張ってみましょう。
そうは言っても…と気後れせず、気楽に考えてください。1時間に数分は立って作業する、電話で話しながら歩き回る、歩きながらの電話会議を入れるなど、1日を通して立つことを意識しましょう。
そして、できる時に運動を11分だけ取り入れましょう。これだけで、ある程度の効果は期待できます。
「座りっぱなし」は脳にも悪い
さらに残念なお知らせも。Inc. のジャーナリスト、ジェシカ・スティルマン(Jessica Stillman)によると、座りっぱなしで頭が悪くなるという報告も。ただし、これにはかなり簡単に、手っ取り早く対処できるそうです。
トランジショナル・スポーツ・メディシン(Transitional Sports Medicine)誌に掲載されたメタ分析によると、中程度から高強度の運動を2分行なうだけで注意力や集中力、学習・記憶効果の向上が向こう2時間期待できるとのことです。
5分のメンタルヘルス・ルール
対処法を知っておくことももちろんですが、決まりをつくっておくのがさらにおすすめです。私自身、以前決まりをつくったおかげで、炭酸飲料のがぶ飲みを止めたり、運動を習慣にできたりしました。決まりがあると、強靭な意思がなくても達成しやすくなるのです。
あなたが日常的にコーヒーを飲む習慣があるとします。その場合、コーヒーを飲むたびに5分だけ「運動する」などの簡単な決まりをつくってみましょう(習慣の抱き合わせ、とでも言いましょうか)。
コーヒーを飲む習慣のない人なら、同じような決まりを考えてみてください。私の場合、2~3時間おきに食べる習慣があるので、午前の休憩と昼食時、午後の休憩時間にそれぞれ5分、など、食事休憩に合わせて決まりをつくっています。
そのうち2回は有酸素系にしましょう。在宅勤務で、周囲の目を気にする必要がなければ、バーピー・ジャンプがいいでしょう。ジャンプ・スクワットやジャンピング・ジャックでも。派手な運動は嫌だという方は、階段の昇降や隅っこのほうで腕立て伏せでも。
どんな運動でもかまいません。心拍数を上げた状態を2分間保つことができればいいのです。
その後、ストレッチングをしましょう(座ったままでも行なえますが、立つこと自体が体にいいので、できれば立った状態で)。
5分後には、気分一新、やる気も戻り、頭のキレも回復できていることでしょう。と同時に、健康やフィットネスの改善にも少し役立ったかと。
それも、コーヒー1杯淹れるだけの時間で。悪くないと思いませんか。
Source: OXFORD ACADEMIC, Medical Daily, THE LANCET, BMJ Journals(1, 2), Wiley Online Library, healthline
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