筋肉痛になったり、筋肉が硬くなったり、押すと痛むことがあります。とてもよくあることですが、筋肉の「凝り」と呼ばれることも多いです。
マッサージや整体に行くと、「トリガーポイント」があると言われたり、「筋膜リリース」をしなければならないと言われるかもしれません。
しかし、実際には一体筋肉で何が起こっているのでしょうか?
真実は少々複雑なようです。
「凝り」が何なのか本当はわかっていない
筋肉の凝りについて調べると、筋肉に硬さや痛みを感じているとき、筋肉組織で何が起こっているのかを具体的に自信満々に説明する人たちがたくさん見つかると思います。
しかし、実際に筋肉で何が起こっているのかを科学的に把握しようとすると、答えはまだ見つかっていません。
医師、理学療法士、カイロプラクターなどを含む専門家たちに、患者の筋肉の凝りを見つけてもらう研究はいくつかあります。ほとんどの場合、凝りのある位置ですら一致しませんでした。決定的な検査や、凝りの定義すらないので、何でできているのか、原因は何かを研究するのも困難になっています。
筋肉に「凝り」と言われるものがあるとき、実際には筋肉で何が起こっているのかを、科学者たちが議論してきた長い歴史があります。
筋肉の凝りに対する複数の説
「PainScience.com」の記事では、この議論のひとつを要約しています。ある人は、凝りとは筋肉の炎症が原因で痛みが起こっている「トリガーポイント」で、その症状が和らぐまで凝りが悪化すると考えています。
また、そんなことは起こっておらず、筋肉に異常はないのに、神経が刺激されて脳に痛みがあると伝達していることで、問題が起こっているのかもしれないと言う人もいます。
今のところ、筋肉の凝りに関して根拠のある説明はありません。凝りが実際にあるということ、そしてマッサージのような特定の治療が助けになることは誰もが同意すると思います。
ただ、その凝りの原因が何なのか、治療が本当に効いているのか、プラシーボ効果で効いているように見えるだけなのかは、はっきりとわかっていません。
筋肉に凝りがある時にやるべきこと
「これをやれば良くなる」という解消法がないことを知って、もどかしく思っているかもしれません。
しかし、筋肉の凝りが和らぐように感じられる方法はたくさんあるので、いくつか試してみて、自分に効くか確認してみましょう。
マッサージ/セルフマッサージ
凝っているところをマッサージするのは効果があると思われます。定期的にマッサージを受けている人は、凝っているところをマッサージ師に伝えて、そこを重点的にケアしてもらいましょう。
強力なマッサージが必要だという証拠はないので、自分の好みよりも強すぎる場合は、もう少しやさしくしてほしいとか、あまり強くやらない人に替えてほしいなど、遠慮なく要求してください。
マッサージに効果がある理由として、ほぐした場所の血流が良くなるという説があります。また、凝っている場所の周辺の筋膜組織が、物理的に柔らかくなるからという説もあります。
一方で、神経が刺激されているという説では、(筋組織に異常があってもなくても)筋組織に脅威を感じた脳が痛みを発生させているという考え方もあります。
(マッサージによって)安全な環境でさらに圧力や痛みを加えることで、神経経路が何も異常はないと認識し、痛みの信号を弱めるのかもしれません。
フォームローラー
フォームローラーでほぐすのは、「筋膜リリース」という言葉で知られていることもありますが、基本的にはセルフ・マッサージの一種です。
メカニズムはさておき、フォームローラーで凝りをほぐすことで、痛みが和らぐことがよくあります。
ボールを使ったマッサージは、よりピンポイントで筋肉の凝りを和らげることができます。テニスボールやラクロスボール、専用のマッサージボール(尖ったものや、振動のあるものもあります)などの上に体を乗せて体重をかけましょう。
繰り返しますが、体重や圧力をかけすぎる必要はありません。凝った部分が少し気持ちよく感じるくらいでいいのです。
エクササイズ
運動にしろ、良くない姿勢で座るなどの日々の動作にしろ、筋肉が酷使されると凝りやすくなるという説もあります。
これが当てはまる場合、筋肉が強ければ、オーバーワークにはなりにくいです。エクササイズで筋組織の血流を良くし、凝りが改善したら、ストレッチでさらに気持ち良く伸ばすのもいいです。
すべてをまとめると、有酸素運動、筋力トレーニング、ストレッチを含む、一般的な運動のプログラムを始めるのがいいということです(まだやっていない場合)。
時間をかける
日々の生活で体験する数々の痛みと同じく、筋肉の凝りや痛みも一時的なものであることが多いです。したがって、筋肉痛や筋肉のけいれん(こむら返り)と同じようなものに分類し、同じルールを適用することができます。
凝っている部分が気持ち良くなることをして、痛みが和らぐ程度に活動し、治るまで時間をかけましょう。凝りや痛みがある間は、栄養のあるものを食べ、十分に水分補給をし、しっかりと休息をしましょう。
Source: PainScience.com, Pain Science