完全なキャリアからの引退は、このコロナ禍においてリスクがあります。

「部分的引退」という考え方をとれば、少し働きながら、社会とつながる術も残せます。

そこで、今回は段階的に引退する方法とタイミングを紹介します。

部分的引退が正しい理由

多くの人にとって、完全な引退が金銭的に可能ではありません。

一番簡単な形での部分的引退は、常勤からパートタイムの仕事にすることです。

残念ながら、会社が勤務時間を短くすることを許すとは限りません。常勤か退職を主張することでしょう。

それでも、同じ分野の別の会社でパートタイムの仕事に移行することもできるかもしれないですし、あるいは新しいことに挑戦するチャンスをつかめるかもしれません。

特に金銭上の必要性が差し迫ったものでない場合はそうです(それについて以下を参照してください)。

貯金を殖やし続ける

部分的引退とは、十分な収入を稼ぐことで年金やiDecoの使用を遅らせようとすることです。

実際には、それによって自分の投資を継続できるわけです。2022年5月からiDecoの年齢制限は撤廃されていますが、収入を稼ぐ必要はあります。

社会保障の支給開始を最適化する

引退を段階的にするもう一つの理由は、支給開始を遅らせることでより大きな社会保障上の小切手を手に入れられることです。

アメリカの場合、1960年以降に生まれたのであれば、社会保障給付金の支給が始まる完全引退年齢は67歳です。この年齢で支給を開始すれば100%もらう権利があります。

でも、CNBCによれば、支給開始を70歳まで後ろ倒しすると、支給額は67歳で支給を開始する場合より増えて124%になります。パートタイムで働けば、もっと大きな支給額をもらうために時間を稼ぐことができるのです。

日本でも年金の受け取り時期は遅らせることができます。

部分的引退によるライフスタイル上の恩恵

多くの人にとって、特に仕事が人生を通してアイデンティティーの相当の部分を占めている場合には引退は心理的にきついものです。年月の大半、そしてその日その日の目的を満たしてくれたものを突然失うわけですから。

段階的引退により、新しいライフスタイルに順応する猶予期間が得られるのです。

つまり、これまで経験したことのない完全な自由時間に突入しないでも新たに見つけた自由を満喫できます。それに加えて、新しいことに挑戦すれば、精神的に熱中し社会的にも活動的なままでいられます。

部分的引退で賃金労働を見つけるための選択肢

部分的引退で重要なことは、賃金労働の供給源をしっかりつかんでおくことです。以下に部分的引退状態でも収入を稼ぐことができる仕事の例をいくつか挙げておきます。

  • 同じ業界でのコンサルティングやコーチング
  • 信頼する非営利団体での勤務
  • 教えること
  • 造園や園芸
  • 手工芸品の販売
  • ホームシェアリングアプリを使って部屋を賃貸する
  • 地元の事業者でパートタイムの小売業

引退の最低ライン

必要に迫られてか否かに関係なく、部分的引退は労働人口から身を引く上で役立ちます。その上、労働市場がひっ迫しているため、雇用者が大勢あなたのところに引き寄せられ、パートタイムの話が近くにころがっているかもしれません。

段階的に引退すれば、社会的・心理的な恩恵を得られます。もちろん、貯金や社会保障費用の支払いに対する金銭上の恩恵もです。

ここで留意すべき重要な補足事項を付け加えます。パートタイムの仕事は何とか生活していく、ましてや引退することで理論的には得られるはずの自由を満喫するには十分でないかもしれません。

順調に引退できるようにするために、貯金、投資、年金計画、借入の長期的健全性について考えることが重要です。完全に引退する予定がなくても引退の計画を立てることからはじめましょう。

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Source: CNBC