世界的成功を収めた一流の最高経営責任者(CEO)の多くは、ミーティングを毛嫌いしています。それは偶然ではありません。
起業家マーク・キューバンは、相手が小切手を切った場合のみ、ミーティングに出席したり電話に出たりするのだそうです。
アマゾン創業者ジェフ・ベゾスは、投資家とは年に6時間しか会いません。また、ピザ2枚ではお腹が満たせないほどの人数が出席するミーティングには、出ようとしません。
ミーティングを巡ってもっとも物議をかもしそうな姿勢を示しているのが、テスラのイーロン・マスクです。「ミーティングをするのは人が働いていないからだ」と公言し、自社従業員に対しては、「何の貢献もできないなら、ミーティングを退席しても構わない」と述べています。
CEOたちがミーティングを避けているのは、ミーティングが嫌いだからではありません。その実態を見抜いているからです。ミーティングは、損失を招く生産性の敵であり、真に重要な仕事から人々を遠ざけるものだとわかっているのです。
では、どのようにしてミーティングを避けているのでしょうか?
非同期コミュニケーションに切り替える
ミーティングにはきちんとした目的があるとはいえ、かなりの犠牲を伴います。時間を調整するのですら大変です。
取りかかっている仕事を中断し、ミーティングに出席するまでのあいだに、生産性が失われます。
つまり、ミーティングを開けばどうしても、時間的なコストと生産性のコストの両方が発生するわけです。その2つは最終的に、会社の利益に大きな打撃を与えることになります。
ミーティングをする前にできること
一方、私はとてもシンプルなやり方を取り入れています。ミーティングが設定された場合には、メールやSlack、Loomによる非同期コミュニケーションで話し合えるかどうかを自問自答するのです。
非同期でも可能だと判断した場合には、ミーティングをキャンセルし、代わりに意見をメールなどで送るよう、関係者全員に頼みます。
こうすれば、ミーティングで失われるはずだった貴重な時間を全員が取り戻せますし、ミーティングで話し合われたであろう内容を、各自の好きなタイミングで確認できます。
万が一、非同期コミュニケーションで意見がかみ合わなかったとしても、電話で10分ほど話をすれば、解決に至ります(ミーティングなら1時間かかるでしょう)。
代理に出席してもらう
時間は貴重です。それにチームには、自分の代わりを務められるメンバーがそろっています。自分の仕事のスケジュールからミーティングを一掃したいなら、代わりにほかの誰かに出席してもらうのも良案です。
そんなわけで、私は毎週日曜に、その先1週間の予定に入っているすべてのミーティングに目を通して、自分が行く必要があるのか、それとも、自分なしでもチームの誰かが対応できるのかを、真剣に検討します。
多くの場合は、幹部の誰かに頼んで代わりに出席してもらっています。そして、ミーティング終了後に、メモや録画を共有してもらい、自分の都合のいい時間に内容を確認しています(以前「Inc.」に寄稿した記事でお話したように、時間は直線的ではありません)。
このやり方にはおまけがついてきます。ミーティングの録画映像を(たいていは1.5倍か2倍速で)視聴して、ミーティングで取り上げられた状況を、自分ならどう対処するのかを考え、チームに指示を出したり、助言したりできるのです。
このやり方なら、チームメンバーは、ミーティング運営のスキルを磨くことができます。それに私も、必要とあらば、安心して大事なミーティングを彼らに委ねられるようになります。
Originally published by Inc.[原文]
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