「えっ、下北沢で働くの?」下北沢駅前にワーキングスペースができたと聞き、真っ先にそんな疑問が浮かびました。だって、下北沢はいつも買い物、ライブ、飲みに行く街であり、エンタメを求めて行くところだったから。

なぜ、下北沢にワークプレイスをつくったの?その理由を知りたくて「SYCL by KEIO(サイクル by KEIO)」を体験してみると、ドロップイン利用では得られない定額制ワークプレイスの会社員的活用法が見つかりました。

遊ぶと働くが混ざる下北沢の新ワークプレイス

「SYCL by KEIO」は、京王井の頭線の高架下に生まれた複合施設ミカン下北の中に2022年3月末に誕生した24時間使えるシェアオフィス・コワーキングスペース。

一体どんな場所なのか?SYCL by KEIOのコミュニティマネージャーで店主の影山直毅さんに、その特徴とここで働く価値を聞きました。

「もともとクリエイターやカルチャーを作り出す人が多く集まる下北沢駅前に働く場所つくることで、新しいムーブメントや仕事を仕掛けたい人を集めたい。消費する・遊ぶ街に加えて、働く街としての下北沢の魅力を高めたいと考え、SYCL by KEIOがスタートしました」

どんな人がどんな風に使っているの?

近隣居住者の利用が多いとのことで、入ってみるとスーツ姿のビジネスパーソンが多い駅近によくあるコワーキングスペースとはだいぶ印象が違います。北欧風のインテリアと相まって堅苦しくない雰囲気でリラックス感が漂っています。

利用者は、10代の大学生から上は60代までと幅広く、30~40代がメインユーザー層。職種は、クリエイティブ系フリーランス、スタートアップ企業勤務、士業などさまざま。

使い方もまちまちで、毎日職場として利用する人から、月に数回だけサークル活動のように使う人まで頻度や時間帯も人それぞれ自分のペースで活用しています。

コワーキングと個室シェアオフィス、キッチンも常備

「線路に沿って細長いワークスペースは、入口から奥に向かって次第に集中できる環境に。賑やかさと静けさのグラデーションを意識し、施設の中でモードの切り替えがしやすくなる設計になっています」(影山さん)

中間スペースには、2人から4人まで座れるデスクを設置。什器は可動式になっているので使う用途によってレイアウトを変えられる。
中間スペースには、2人から4人まで座れるデスクを設置。什器は可動式になっているので使う用途によってレイアウトを変えられる。

4階フリーアドレスのコワーキングスペースでは、スーツ姿はほぼ見かけず、カジュアルなスタイルで働いている人が多く、皆ちょうど良い距離感を保っています。

一番奥には私語禁止でBGMオフ、パーテーションで仕切られ、こもり感のある集中スペースが設けられている。
一番奥には私語禁止でBGMオフ、パーテーションで仕切られ、こもり感のある集中スペースが設けられている。
ワークスペース内は飲食も可能。コーヒーメーカーや冷蔵庫も共同で使える。
ワークスペース内は飲食も可能。コーヒーメーカーや冷蔵庫も共同で使える。

そのほか予約制の会議室や、個別のオンラインブースも設置されているので、そのときの作業に合わせて好きな場所で働けるのが特徴です。

個室シェアオフィスは、1名個室から2~4名個室まで。
個室シェアオフィスは、1名個室から2~4名個室まで。

5階は、個室シェアオフィス。個室内は、デスク以外は設置されておらず、自分で椅子や機材を持ち込め自由度高く使えます。立地の良さとその快適性もあいまってオープン当初から人気で1名個室はすぐに満席となり、そのほかの広さの個室もほとんど埋まっているそうです。

そのほか8月には別棟に「法人向けの内装付きオフィス区画」もオープンしています。

さまざまな工夫で人とつながりが生まれる

「効率的に働くこと」に特化した一般的なコワーキングスペースとSYCL by KEIOが大きく違うと感じたのが、ユーザーコミュニティが育っているところ。

SYCL by KEIOには、コミュニティマネージャーが常駐しており、彼女らを中心に働きやすく、人とつながる環境が構築されています。

特出すべきは、Slackを活用したコミュニケーションスピードの速さ。運営側からの連絡や入居者同士のやりとりは、Slack上で行われ(*)、まるでひとつの会社のように活発にコミュニケーションが行われています。*会議室の予約は専用WEBでの申し込みが必要

Slackでは、入居者の自己紹介や、忘れ物の連絡、雑談、おみやげ告知、飲み会の誘い、部活動チャンネルのやりとりなどが毎日飛び交っています。

さらに、オンライン上でのやり取りだけでなく、リアルでも交流会などのイベントが定期的に実施されており、これも人とつながりやすくなる工夫のひとつです。

こうして、年齢や職種をこえた横のつながりができることで「これ面白いんじゃない?」と入居者同士での仕事もうまれているのだとか。(士業の方がWEBクリエイターにWEBの作成を依頼したり、イラストレーターに名刺を発注したりなど)

「入居希望者には、内覧や入居ガイダンスの際に、SYCLという場が仕事をするだけの場ではなく、人とつながり外側に出ていく価値観を交換し合い、入居者に変化が起こり続けるようなカルチャーを目指していることを伝えることで入居後のギャップを解消できるようにしています」(影山さん)

サードプレイスとして活用するのもあり!

たしかに、社会人になると生まれにくい、家族でも、友達でも、職場の同僚や上司でもない第三者との関係性。特に会社員だとオフィスと家の往復、ハイブリッドワークの今ますます他の場所に足を伸ばしづらく感じているからこそ、あえて、「サードプレイスを作る」ためにここを活用してもよさそうです。

ただ、すでにできあがっているコミュニティに後から入るのはちょっと抵抗がある人もいるのでは?そう聞くと、「横をうまくつなげて、きっかけを作りやすくするサポートもしているので大丈夫です」と影山さん。

オフィス内でコミュニティマネージャーが後押ししてくれるのはもちろん、SYCLには新メンバー交流会の実施や専用WEBやSlackの自己紹介スペースの活用など、スムーズになじめる工夫がたくさん用意されています。

「オープン半年を経て、Slack活用をはじめ、運営側や入居者同士の工夫もあり、中のコミュニティはかなり温まってきました。次は下北沢の街や外側へ広がっていく機会を増やしたいと考えていますし、下北沢の人とつながるイベントも仕掛けはじめようとしています。SYCL発の何かが生まれればうれしいですね」(影山さん)


下北沢で働く理由それは、下北沢に集まる日常生活ではあまり関わることのない年代や職種の人たちと直接つながり、共に仕事や新しい何かをつくっていく面白さがあるから。

月額制のコワーキングスペースは、敷居が高くて使えないと感じていた会社員でも、たとえば仕事帰りに習い事に通うように、働く場所であり、誰かとつながる場所を借りてみたら?

単調だと感じていた生活や働き方に変化が生まれて、刺激とワクワクに出会えるかもしれない! SYCLで実現する働く場としてだけではないワークプレイス活用で、その先の広がりや可能性を感じました。

SYCL by KEIO

〒155-0031 東京都世田谷区北沢2-11-15 ミカン下北 A街区 4F、5F (受付4F)

<主な利用プラン>
コワーキングスペースのフリーアドレスフルタイムプラン:月額33,000円/平日の夜と休日につかえるナイト&ホリデープラン:月額15,400円(税込)など/体験ドロップイン(有料)あり。

Photo: 島村緑

Source: SYCL by KEIO, ミカン SHIMOKITA