メール、企画書、プレゼン原稿、議事録など、ビジネスパーソンには、書く(入力する)仕事がたくさんありますね。

誰もが、「これをスピード・アップできたら」と思いながら、キーボード・マウスを買い替えたり、タイピングを練習したり、たくさん単語登録をしたりと努力しています。

そこで入力作業の速度を上げるために、何よりも決定打となる方法をお伝えします。

今日のワークハック:音声入力機能「Win+H」で文書作成を高速化する

それは音声入力。Windows OSのデフォルト機能ですぐに使える「Windowsキー+Hキー」です。

かつての音声認識精度の低さや、なんとなくの心理的抵抗感から、存在は知っていても利用していないスルーされがちな、音声入力「Win+H」のメリットを解説していきましょう。

「音声入力」は進化し実用できるレベルになった

たしかに数年前までの音声入力の精度は、実用とは程遠くフラストレーションがたまるものでした。筆者もその1人で、音声入力にトライして失望。キーボードに戻って、以来長らくキーボード派でした。

ですが、時代は急激に変わりました。今では、音声を華麗にテキスト化してくれる超高精度なアプリがいくつも出ています。Windowsの音声入力機能も、2021年暮れあたりから、いきなり精度が上がりました。

音声入力が苦手なことは工夫でカバーする

精度は劇的に向上していますが、それでもパーフェクトではありません。でも、苦手をカバーできれば実用できます。

同音異義語が苦手

例えば、日本語は同音異義語が多いことから生じる問題があります。この記事も音声入力で書いていますが、直前の一文の出だしは最初「制度は劇的に向上」と入力されました。

こうした同音異義語の間違いは、手作業で直していくしかありません。

ただ、「おんせいにんしきのせいど」と発声すると、「音声認識の精度」と入力されるので、プログラムは前後の文脈から、どの漢字が適切なのかは判断しているようです。

固有名詞が苦手

固有名詞は明らかに苦手です。特に難読の地名や姓名。

北海道にある「川汲(かっくみ)」は「各組」、「神居古潭(かむいこたん)」は「カムイ、コタン」となるなど、正確に入力されないものは割とあります。姓名も「安厨味(あずみ)さん」は「安住さん」となります。「あずみさん」は、ほかにも「安栖さん」、「安見さん」などあり、どれかを特定させるのは、プログラムには無理な相談でしょう。

筆者は、正確に入力できない固有名詞をいくつも書くときは、とりあえず「地名」「A3」(「Aさん」と発声するとこうなる)と入れておき、後で一括変換します。これが今のところ、一番フラストレーションの少ないやり方です。

精度は滑舌にも左右される

意外と盲点になるのが「滑舌の悪さ」です。そう、話す側の問題で、うまく入力できないことが多いのです。人が相手ではしっかり話していても、パソコン画面を相手に独り言をしている時は、気がゆるんで滑舌は悪くなりやすいのです。

「認識精度が低いな」と思ったら、まずは喋り方に問題はなかったか、振り返ってみましょう。

もしも、人との会話で、何度も聞き返されることがあるなら、滑舌を良くするトレーニングをするのも手です。

姿勢が猫背気味になっていないか、呼吸が浅すぎないかをチェック。そこに問題があるなら、姿勢・呼吸を改善しましょう。あとは市販の滑舌改善ツール(トレーニングブックやアプリ)で、毎日のスキマ時間にトレーニングをすれば大丈夫です。

キーボードがないと書けない「脳の壁」は克服できる

ここまで読んで、音声入力の便利さを納得しても、なかなかキーボード入力から離れられないかもしれません。

おそらく最大の阻害要因は、タイピングしないと、脳の文章を書くスイッチがオンにならないこと。

筆者も最初はそうでした。キーボードに置いた両手の指が動いていないと、まったく文章が紡ぎ出されず、これには結構悩みました。

その対策として筆者がとったのは、SNSでのやりとりや、プレゼンのスピーチなど、喋り言葉とほとんど変わらない内容だけを入力するというもの。

特に、家電の細かい機能を実家の親にLINEで説明するというような、「行って、その場で説明したほうがラク」と思えるタスクは、音声入力にすると非常に効果的。

しだいに脳は、「キーボードがなくても文章が書ける」モードへと適応していきます。面倒がらず、脱キーボードの修行と考えて、取り組んでみましょう。

やがて、「契約書の草稿を書く」みたいな作業でも、音声入力だけでできるようになります。

音声入力の使い方は、とてもシンプル

Windows環境で音声入力を起動する手順は以下の通り。

起動方法は、WindowsロゴマークのキーとHキーの同時押し。すると、マイクのアイコンがあるミニウィンドウが立ち上がります。

あとは話すだけです。

「Word」、「PowerPoint」、「Microsoft To do」、メール、Google検索など、ほとんどのソフト・アプリで、テキストが音声入力できます。

試しに、なにか数十文字の話をしてみてください。

意識的にゆっくりと大きな声で発声したかと思います。ですが、その配慮は不要。普段の話し言葉の速さで、さほど大きな声でなくても、しっかりと入力されることに驚いたことでしょう。

オプション機能は使い勝手に応じてオンオフを

オプション機能として、句読点の自動入力と音声入力コマンドがあります。

句読点の自動入力は、オンにすると「、」「。」が自動的に入力されます。例として一文を挙げます。

9月ももう終わりですが、残暑が厳しいですね。

点と丸が1つずつありますが、筆者は何も操作していません。文の区切りと終わりを、プログラムが自動的に判断して加えられています。

この機能をオフにすると、先程の文章は以下のようになります。

9月ももう終わりですが残暑が厳しいですね

文の区切りで長く言いよどむと、本来なら点にすべき箇所が丸になってしまうなど、完璧ではありません。それでも、通常の文章を書く時はオンにしたほうがいいでしょう。

もう1つの機能である音声入力コマンドとは、「音声入力を一時停止」と発声することで、この機能自体をオフにしたり、単語・語句を選択した状態で「それを削除」と発声することで、その単語・語句を消去するといった機能です。

個人的には、あまり使い勝手はよいとは思えず、この機能は使用したことはありません。

音声入力を習慣化するコツ「画面を見ないこと」

最後にもう1つ、音声入力の習慣を定着させるコツを教えます―それは、極力画面を見ないで行うことです。

というのも、画面を見ながらだと、「あー、このフレーズうまく入力できていないぞ」など、余計な思念にしょっちゅう邪魔されるからです。

画面から完全に離れたり、横を向いてしまうと、マイクが上手く声を拾えないので、画面からちょっと視線をそらして発声します。うまく入力できていない部分は、あとでまとめてキーボードで直せばよいのですから。

音声入力に挫折したことのある人、タイピングが面倒な人こそ、試してみてください。

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Source: Windowsサポート