Metaが技術者向けカンファレンス「Connect 2022」で現地時間10月11日に発表した新しいVRヘッドセット「Meta Quest Pro」。

米国価格は約1,500ドル、日本での販売価格はなんと22万6,800円(税込)。同社の既存のVRヘッドセット「Meta Quest 2」が今年8月に値上げされるまでは3万円台で手に入ったことを考えると(値上げ後は5万9,400円)、比較にならないほどに高価です。

Quest 2との違いや、どんな用途が想定されたヘッドセットなのか、一般ユーザーはこれを買うべきなのかといったポイントについて解説します。

Meta Quest Proは「仕事に最適なVRヘッドセット」

Meta Quest Proは、公式ブログで「仕事に最適なVRヘッドセット」と銘打っているとおり、ビジネスの場で仮想空間に集まって会議をしたり、3Dモデルなどを扱いながら共同作業する用途を想定したデバイスです。

名前の通り「プロ向け」だからこそ、スペックもQuest 2に比べて大きくアップしたものとなっています。

Image:Meta

まず、画質が大きく向上しました。1インチあたりの画素数はQuest 2の137%、1度あたりの画素数が110%になり、視覚的な鮮明さは中央部分で125%、周辺部で150%に向上。

さらに、色域はQuest 2の1.3倍になるなど、より鮮明で高画質な視覚体験を実現しています。

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薄型のパンケーキレンズを使用することで、Quest 2より光学モジュールの厚みを40%削減。バッテリーをヘッドセット後部に配置することで、バランスのとれた装着感になっているとのことです。

MR(拡張現実)デバイスとして活用できる

Quest 2には、ヘッドセットを装着したまま外側のカメラを使って周囲の様子を白黒映像で確認できるパススルー機能が搭載されていましたが、Quest Proはこれがカラーになり、カメラの画素数も4倍にアップしました。

これによって、現実空間に仮想空間の映像を重ねて表示するMR(拡張現実)デバイスとしての活用が可能になっています。Meta Quest公式ブログでは、実際の部屋に3枚の仮想のモニターを並べて作業するイメージ画像が紹介されています。

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Quest 2は、白黒のパススルーがあるとはいえ、一度ヘッドセットを装着してしまうと、どうしても現実空間とは遮断されるような感覚がありました。

これが解消し、現実空間と仮想空間の行き来がしやすくなれば、より幅広いシーンでヘッドセットを使えるようになるかもしれません。

自分の表情がアバターに反映され、よりリアルなコミュニケーションを楽しめる

さらに、内側に搭載されたセンサーで、実際の目の動きなど読み取り、それをアバターの表情に反映する「アイトラッキング」と「自然な表情」の機能も追加されました。

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アバターで会話をするときに表情の変化が伝わりやすくなることで、よりリアルに近いコミュニケーションがとれるようになりそうです。

マイクロソフトと協業し、Teamsでも使えるように

ビジネスでの活用の幅を広げるという意味では、Metaとマイクロソフトの協業が発表されたことも大きなニュースです。

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具体的には、クラウドPCの「Windows 365」をQuest Pro/Quest 2向けに提供することや、SharepointやWord、Excel、PowerPoint、OutlookなどのアプリケーションにQuest Pro/Quest 2からアクセスできるようにすること、Quest向けの仮想会議室「Horizon Workrooms」からTeamsの会議に参加できるようになることなどが明らかになっています。

こちらはQuest 2からも利用できる機能が多いので、よりたくさんのユーザーが恩恵を受けられそうです。

趣味で使うなら「Quest 3」を待つべき?

性能の高さはかなり魅力的なQuest Proですが、そう簡単に手を出すことができない価格なのも事実です。趣味でVRを楽しみたいという人は、Quest 2で様子をみるか、発売が噂されている「Quest 3」を待つのが賢い選択かもしれません。

もちろん、Quest 2も十分に優れた性能を持ったデバイスで、VRの楽しさを実感できるはずです。今後は、一般ユーザー向けがQuest 2やその後継機、企業などが業務用デバイスとして本格利用するモデルがQuest Proという切り分けになっていきそうです。

Source: Meta