芸術の秋、食欲の秋…。たくさんの楽しみに興じたい秋ですが、今回は「読書の秋」のすすめ。

ご紹介するのはNHKの人気番組「100分 de 名著」のプロデューサーを務める秋満吉彦さんの著書、その名も「名著」の読み方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)です。

本は仕事の武器にも、人生のパートナーにもなる

話題の新刊や、仕事に生かしたいビジネス書など、気になる本はたくさんあります。でも、大人になってあらためて読んでみたいと思うのが「名著」といわれる作品。学生時代、試験対策で著者と作品名だけは覚えたけれど、内容は知らないという名作も、実は興味があったりします。

しかし日々の忙しさに追われ、後回しになっていたという人も多いのではないでしょうか。

そこを突いてくるのが、秋満さんの「『いつか読もう』ではもったいない」「楽しみきれていない『あの本』が、仕事の武器にも人生のパートナーにもなる」という言葉。

名著の味わい方を綴った本書から、そのウォーミングアップとして読書習慣を身につけるコツと、各章で紹介されている本から1冊ずつをご紹介します。

「名著」の読み方、5つのヒント

<1. 本を読む準備>

読書習慣のない人には、「この一冊を最後まで読み切ろう」と意気込むことがかえってプレッシャーになってしまうかもしれません。

そこで秋満さんがすすめるのは、1ページでも2ページでもいいから「1日5分だけ、本を読む時間をつくろう」ということ。それを通勤や食後、歯磨き中といった行動に紐づけると、より習慣になりやすいとか。

読み終えた達成感を得るためには、「薄い本」から始めてもいいそうです。

読みたい名著:「読書をする時間なんてない、1冊を読み切るなんて大変だ…」と時間やノルマを負担にしてしまう人におすすめ。

<2. 本を汚す>

読書を習慣にしたいなら、「あとで売るかもしれないから、きれいに読もう」なんてことは考えないこと。秋満さんは、本を汚して「自分だけの本」にすることをすすめています。

どう読み、どう感じたのかを残すために、気になるところに線をひいたり印をつけたり。

読みたい名著:レーニンが書き込んだメモやマーキングが再現された一冊。これを読み「ぼくがやっていることと同じじゃないか」と感じたそうです。

<3. 本と対話する>

2章では気になるとこに印をつけましたが、ここで書きこむのは「問い」。名著の理解は「問い」で深まるのだそうです。

「さらに深く、精緻に読んでいくための方法で、小説など文学作品の名著を読むときには、特にお勧めしたい読み方」と秋満さん。

テーマがわかりにくい小説は「問いを立てる」「本と対話する」というのは、「作品の深みを味わうために、とてもいい方法だと思う」と綴っています。

読みたい名著:秋満さんを「本と対話する」という発想へ導いてくれた一冊。

<4. 本に委ねる>

たとえば聖書など、読書家がどんなテクニックを駆使しても、太刀打ちできない本もあります。そんなときは「本に委ねる」という名著の読み方をするといいのだとか。

これは、一言で言えば、テクニックや手法はいったん置いて、素のままで本と向き合い、すべてを受け入れてしまおうという提案。

『「名著」の読み方』140ページ)

しかも、これは初読の本でしかできない楽しみ方だとか。初めてページを開く本は、ぜひ試してみてください。

▼読みたい名著:秋満さんにとっての「太刀打ちできない本」はこちら。

<5. 読み終わった本との向き合い方>

本というのは、「読めばそれで終わり」というものではありません。むしろ私は、名著を読むことの面白さや豊かさというのは、実は「読み終わった後」に味わえるものが9割を占めるのではないかと考えています。

『「名著」の読み方』180ページ)

勉強のために読んだ学生時代の読書とは違い、仕事や人間関係で苦境に立たされたときに「すがるような思い」で本に頼り、乗り越えるヒントを探したという秋満さん。

本で読んだ言葉が支えになったり、人生の指針となったとき、「読んだ本が本当の意味で、自分のものになったと感じられた」とも語っています。

▼読みたい名著:もともと愛読書だったのに、落ち込んでいたときに読むと驚くほど共感できたという作品。

秋満さんが言う「読書体験を、自分の人生に接続できた」「本が人生を支える杖になった」という感覚をぜひ体感したいものです。

秋満さんの著書を参考書に、何か1冊を手にとって、まずは1日5分から本と向き合ってみませんか?

Source: ディスカヴァー・トゥエンティワン