最近、作業効率が落ちた。判断力は鈍っているし、物事の同時進行もできなくなってきている…。もしあてはまるなら、脳が疲れている「脳疲労」の状態かもしれません。

情報化社会は便利である一方で、毎日大量の情報にさらされ続けることが、脳にとっては大きな負担となっているというのです。

しかし、この「脳疲労」は呼吸法でケアできるのだとか。さらには、さまざまなシチュエーションで感じる不調やモヤモヤも、解決してくれる「超呼吸法」とは?

マルチタスクが脳の酸欠&疲労を招いている

今回、呼吸の大切さを教えてくれたのが1日中、最高のコンディションが続く! 脳を鍛える超呼吸法』(KADOKAWA)です。

迅速な決断を求められるビジネスエリートや、秒単位の世界で技を競うアスリートたちも取り入れているという「超呼吸法」、気になりますね。

呼吸法をご紹介する前に、まず脳について簡単にふれておきましょう。

そもそも脳というのはシングルタスクで物事をこなしたいのです。ですから、マルチタスクをやらされ続けると、脳はしだいに疲れてきます。

(中略)

脳疲労の結果、ワーキングメモリの機能が低下すると、作業効率が落ちたり、すぐに判断ができず、物事を同時進行できなかったりすることが目立ってきます。

(『1日中、最高のコンディションが続く! 脳を鍛える超呼吸法』108〜109ページ)

いかにマルチタスクをこなすかを日々検証しているビジネスパーソンですが、仕事の効率化はできても、脳はパンク状態。文書の意味が理解できない、相手との会話が成り立たなくなる、といったビジネスの基本の「き」の部分にまで影響を及ぼしてしまいます。

脳の疲労というとなんとなくイメージできますが、見過ごしてしまいがちなのが「脳の酸欠」。脳を動かすにはたくさんの酸素が必要なのに、「脳は酸素不足に対して敏感で、酸欠にとても弱い器官」なのだとか。

そこで、大切になってくるのが「呼吸法」。しかし、本書で紹介しているのは「超」がつく呼吸法。集中力や思考力が必要な脳にじゅうぶんな酸素を送り込むことに加えて、無意識に稼働する自律神経に意識的に働きかけができるようになる方法です。

1日2万回。いつもの呼吸を意識すれば、大きな変化になる

私たちは1日2万回もの呼吸をしているともいわれています。その呼吸を意識するだけでも大きな効果がありそう。さらに「超呼吸法」のメソッドは脳の酸欠と疲労を効果的にケアしてくれます。

1. 「深さ、長さ、リズム」で呼吸をコントロール

【深さ】…より多量の酸素を深く吸い込むことで、脳酸欠の予防や症状の改善につながります。

【長さ】…吸う時間と吐く時間の長さ。吐く時間が長くなると副交感神経が優位になり、吸う時間が長くなると交感神経が優位になります。

【リズム】…吸う時間と吐く時間との組み合わせ方のこと。呼吸を止める時間を挟むこともあるとか。これを1つの単位としてリズミカルに繰り返します。

2. 呼吸の効果を高めるために守りたいこと

呼吸の効果を高めるには、以下のポイントが大切になります。

【基本は腹式呼吸】
息を吸ったときにおなかがふくらみ、吐いたときにおなかがへこむのが「腹式呼吸」。息を吸ったときいに胸が広がるのは「胸式呼吸」です。

【「吸う+吐く」の順番で】
呼吸が浅い人や呼吸が乱れている人は、「そもそも上手に吐けていない」のだそうです。まずは吐くことよりも簡単な「吸う」から始めて、しっかり吐くことを意識しましょう。

【姿勢を大切にする】
PC作業で背中が丸くなったり、首や肩が前傾すると、胸郭は狭まり、横隔膜の動きも悪くなり、呼吸が浅くなってしまいます。日ごろから姿勢を正すようにしましょう。

【鼻から吸って、口から吐く】
意識しないで行なっている2万回の呼吸を、起きているときだけでも意識すれば大きな変化を生むはず。

さらに本書には、写真付きの詳細な超呼吸法や、「リモートワークで集中したいとき」といった具体的なシチュエーションごとの超呼吸法が紹介されています。

呼吸を意識することで、集中力や記憶力、判断力などのマイナスをゼロにし、さらにプラスへと上方修正していけたらいいですね。

まずはこのあとすぐに、姿勢を正して「深さ、長さ、リズム」を意識しながら呼吸をしてみませんか?

Source: KADOKAWA