筆者は、英会話や写真の独学といった目的で、さまざまなYouTubeチャンネルを視聴しています。

チャンネルの話者は、その道の専門家ばかり。内容は充実しているのですが、「~させていただきます」を多用する人の多さが気になりました。

調べてみると、今は「させていただきますブーム」なのだとか。

言われてみれば、「飲食は禁止させていただいております」「サービスを終了させていただきます」など、世間は「させていただきます」にあふれていますね。

『させていただきます』は一度に1回まで

ところが、この言葉に違和感を持つ人も非常に多いのです。

2022年1月発売の新書『「させていただく」の使い方 日本語と敬語のゆくえ』(椎名美智著、KADOKAWA)を読むと、最終章で著者は次のような見解を出しています。

一文に何度も使われる最近の「させていただく」の多重使いの様子を見ていると、対人配慮に気を遣うあまり、敬語盛り盛りで距離感を出しすぎて、他者と繋がることを回避するコミュニケーションスタイルへと傾斜しているような気もします。(本文より)


「させていただく」は「私ってちゃんと人と丁寧に話すことができる人間でしょ」というポーズを示す自己愛的な敬語で、敬語のナルシシズム現象なのかもしれません。(本文より)

など、ポジティブな見方をしていないことがわかります。筆者は、思わず共感してしまいました。

…と言いながら、自分の過去のメールを見ると、一時期「~させていただきます」を連発していたのを発見。ちょっと自己嫌悪感が…。

もちろん、この言葉は「絶対に使ってはいけない」というものではなく、TPOに応じて使いこなすのが正解だと考えています。

今の筆者は、「1つの会話、1つのメールの中で『させていただきます』は1回まで」というルールをもうけています。このマイルールはうまくいってます。

「あとで」は実はくだけた表現

ライフハッカーでも、『「させていただきます」の連続は悪い例。場面に応じた正しい言い換え方は?』という記事があるのですが、そこでも、「させていただきます」の連続は、「間違いなく悪い例」と指摘されています。

「させていただきます」の連続は悪い例。場面に応じた正しい言い換え方は? | ライフハッカー・ジャパン

「させていただきます」の連続は悪い例。場面に応じた正しい言い換え方は? | ライフハッカー・ジャパン

もし、「~させていただきます」を使いたいと思ったら、「〜いたします」で十分だとも。まったくもって納得です。

この記事で取り上げられた書籍『感じのいい言葉で話せる 大人の言いかえサクサクノート』(吉田裕子著、リベラル社)には、「こう言い換えれば、やりとりがもっと円滑になる」というコミュニケーション・ハックが多数掲載されています。

筆者も、本書にあるいくつかの言い換えをルール化し、日々のコミュニケーションに生かしています。

いくつかを挙げましょう。まずは、こちら。

あとでお返事致します。

後ほどお返事致します。

あとで」は、決して間違えではありません。ざっくばらんな間柄ではOKでしょう。ただし、取引先との話し合いやメールでは、「後ほど」を使ったほうがベター。

似たような言い換え表現として、「ちょっと」→「少々」、「さっき」→「先ほど」、「わたしたち」→「わたくしども」などあります。

これらは接遇表現と呼ばれ、話し手の会話をワンランク上品にする効果があります。

忙しいときは、こうした表現をはしょりがちですが、そこはぐっとこらえて、こうした表現を含めてみましょう。積み重ねることで、相手からの印象をより良いものにしてくれます。

相手が知らない話でも「ご存知かもしれませんが」

商談の席で専門的な情報に言及するとき、前置き的に「ご存知ないかもしれませんが~」と言う癖が、以前の筆者にはありました。

この言い方は許容範囲と考える人もいますが、上から目線の印象を相手に与えてしまう、危険な言い回しです。

特にクレーム対応の場では、たとえ相手が知っているべきことを知らず、向こうにも落ち度があったとしても、使用はNG。相手の怒りに油を注ぐだけです。

代わりに使える表現が「ご存知かもしれませんが~」。

相手はまず知らないような情報であっても、このフレーズを枕詞に使ってかまいません。

同様に、「お気づきではないかもしれませんが」は、「お気づきかもしれませんが」と言い換えられます。

海外ドラマでよく聞く「噓でしょ」はNG

いろいろな海外ドラマを観ていると、「噓でしょ」「嘘だろ」というセリフが、多いことに気づきます。

これは会話のなかで、相手の発言が信じられない時に思わず出てくる言葉。

日本でもこの受け答えが一般的かといえば、そうではないですよね。

ティーンの友だち同士の会話なら問題ないでしょうけど、ビジネスパーソンが仕事の現場で使うのは、さすがに問題。

同僚同士の打ち解けた会話なら、「本当ですか?」がいいでしょう。

筆者の場合、相手の発言がちょっと信じられなくても、まずは「そうなんですか。それはちょっと驚きですね」で、いったん受けます。

これで、相手はより具体的な話を促された格好になり、会話のレールがうまく軌道修正されます

もし、「噓でしょ」と答えたら、話が脱線するリスクが大きいでしょう。


オンラインミーティングの普及と関係しているのか、感じのいい言葉をテーマにした書籍が、何冊も刊行されています。

でも、全部を読んでマスターするのは大変

筆者は、自身の問題ある言い回し癖を改善するため、そうしたフレーズをリストアップしています。

折を見て、より好ましい表現があるのか、関連書籍を読んだり、検索などをして調べ、自分のものにしています。

根気よく続ければ、数カ月もたたずに自分の発言内容がより洗練され、ビジネス上の人間関係に良い影響を与えることでしょう。

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