ライフハッカーで過去、何度か紹介されている「ミーニング・ノート」。
「1日3つ、チャンスをノートに書き出す」というシンプルな方法でありながら、人生が良い方向に変わっていく人が続出していると話題のライフハックです。
心が動いたチャンスだけを書く
「どんなものだろう」という好奇心も手伝って、筆者もチャレンジしてみました。
ミーニングノートの詳細については特集「深化するメモ術」のこちらの記事を見てもらえればと思いますが、まずは日々自分に起きたチャンス3つを書き出すことから始まります。
「チャンス」というと、願ってもないような素晴らしい機会を思い浮かべると思いますが、それだけを書くのではありません。ささやかだけれど心が動いたこと(わらしべ・チャンス)、心がへこむようなこと(スパイシー・チャンス)も、チャンスに含めます。
そして、各チャンスに対して、気づいたことや学んだことも書き加えます。
1日3個、1週間で21個。1週間分のチャンスで、ノートを開いた右ページを埋めます。
白状すると筆者は、過去に2回、ミーニング・ノートに挫折しています。それは、「こんな小さなことでもチャンスとみなしていいのかな」など、余計なことを考えていたからでした。
それだとだんだん面倒くさくなってしまうので、チャンスと思えたことはすぐ書き留めるように、今回は心がけました。
1週間ごとに3つのチャンスを選ぶ
1週間が終わったら21個のチャンスを見返します。その際に、大切なものを3つ選んで印をつけます。選ぶ基準は「心が動いた大きさ」です。
ある週において選んだ3つのチャンスは、以下のようなものでした。
・難儀するかもと構えていた仕事が、意外とすんなり終わった。先入観を持たず取り組むことが大事だなと思った。
・タオルをあと1枚欲しいと思っていたら、生協のカード会員入会のおまけで1枚もらった。最近こうした細かいラッキーが多い気がする。
・朝焼けになったら、カメラを持って行きたい撮影スポットがあった。目が覚めると朝やけだったので外へ出たら、早くもそれは消えていた。朝焼けをつかむのは非常に難しい。
また、その週における、あるチャンスとあるチャンスのつながりを見つけたら矢印線を引いて結びます。結ぶチャンスの個数に制限はありません。筆者はその週、次の2つのチャンスを線で結びました。
・暑さと湿気で仕事がはかどらない。エアコンが古いせいだ。新しいエアコンが届くのは明後日。それまでの間、何とか乗り切ろう。
・新しいエアコンが到着。思った以上に性能が優れていて、暑気や湿度への対策はこれで完璧になった。冬もこれ1つで、しのげそう。
これは出来事の時系列的なつながりですが、こうしたものに限らず、心理的なつながりや、ジンクスのような不思議なつながりも考慮に入れます。
「戦略ページ」で“成功パターン”を見つける
1週間分のチャンスで、ノートの右ページを埋めたら、空白の左ページに、新たな気づきを「発見」し、「戦略」を立てます。
この「戦略ページ」には、自分自身について気づいたことや、この週に生まれた人との縁について主に書き込みます。これにもとに、自分に行動できることはないかを、戦略的に考えるわけです。
ただし、その行動は、義務的なものでなく、内からわき出るモチベーションの高いものでなくてはなりません。つまり、世間の常識的なこととか、「この年代になったらこれをすべき」というような要素は、戦略ページには書かないというルールがあります。
筆者のある週の戦略ページは、次のような内容です。
・この週のチャンスは、食べ過ぎて後悔するというエピソードが目につく。特に日中の過食は、その後の仕事のパフォーマンスに悪い影響を与える。この習慣は、何としても改めたいと決意。
実は、食事にまつわる課題は、ずっと前からありました。ミーニング・ノートをはじめるまでは、その現実に蓋をして、なんとなく過ごしていました。ですが、戦略ページに書き込むことで、自分の解決すべき問題が明確になったわけです。
戦略ページは、こうしたネガティブな話だけでなく、「成功パターン」を発見して、今後に生かすことにも使えます。
ミーニング・ノートを活用して、後に大きな成功を手にしている人は共通点がいくつかあります。その1つが、毎週の戦略立ての中で、自分なりの「成功パターン」をうまく見つけ、それを発展させるというものです。
月全体のチャンスから人生の大きな流れを見る
ミーニング・ノートを1カ月分書き終わったら、今度は、その月のチャンス全体を見返して、大切なものを3つ書く作業があります。
チャンスの選び方の基準は、「自分なりに達成できたこと、自分ができるようになったこと」を中心に。この3つは客観的に書き、意見などは加えないようにします。
筆者の場合、マンスリーチャンスの1つに「取引のない出版社2社から、新しく立ち上げたウェブメディアに記事を書かないかと言われ、乗り気になる」というものがありました。
同じ月に、異なる出版社から同じような話があり、別々のチャンスとして書いたのを合体したものです(類似したチャンスが複数あった場合、1つのチャンスに統合してもOK)。
ウィークリーページと同様、他の月に書いたマンスリーチャンスとのつながりも探します。見つけたら、矢印線でつなげます。これは、自分の人生が、中期的なスパンでどのように流れているのかを知る大きなきっかけとなります。
長く書き続けていれば、「次の月に何が起きるかを予感できたり、自分の進む道の方向性が見えてくる」そうです。
筆者は、3度目の正直でミーニング・ノートをつけ始めてまだ1カ月半ですが、ある種の手応えを感じています。
それまでは、その日その日をただ生き、暮らすことに焦点が当たっていました。今は、より長いスパンで、現在と今後について様々な洞察ができるようになってきています。それがなかったら、いつまでも似たり寄ったりの日常が続いていたことでしょう。
ミーニング・ノートの効果が、劇的なものとして現れるまで、たいてい数年はかかると思います。ですが、細かい変化は週ごと・月ごとに起きてくるようになります。
「起きる」というより、「気づく」と言ったほうが正しいかもしれませんが、気づきは、行動も促し、行動は好ましい変化をもたらすものです。
「人生で自分は何をすべきかわからない」とか、「今後、大きく成長・発展したい」という人は、このメソッドをやってみる価値は大いにあると実感しています。