夏に個性的なデザインのスマホ「Phone (1)」を発売して話題となったイギリス・ロンドン発のテクノロジースタートアップ・Nothing。

将来的にはAppleと競合できるようなエコシステムの構築を目指すとして、ハイエンドでトレンドに沿ったトーンを確立させた製品を打ち出してきた同社が、新しいイヤホン「Ear (stick)」を発表しました。

Image: Nothing
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円筒形のケースに収められ、スケルトンの軸を持ち、「よくあるイヤホン」とは一線を画すユニークな見た目が特徴的ですがその機能はいかに? 一足先に使ってみました。

透明&円筒ケースがスタイリッシュ。収納のしやすさも◎

Ear (stick)は、コスメのシルエットにインスピレーションを受けたという円筒形の透明なケースに収められ、立てて置いてあると「おしゃれなモバイルバッテリーか何かかな?」という印象。

ケースを含めた全体の重量で46.3gと軽く、円筒の直径は3cm弱、長さも約8.7cmとコンパクトなので、ポケットの小さい服にもスポッと収まる、持ち運びやすさがうれしいところです。

ケースをクルッと回転させるとフタが開き、イヤホンを取り出すことが可能。慣れれば片手だけでケースの開閉からイヤホン本体の装着までできるので、移動中に装着したい場合なども便利です。

地味に助かるのが、本体右側には赤、左側には白のドットのワンポイントが入っていること

ケースの片側にも赤いカラーが入っていますが、こちら側が右イヤホンの収納スペースになると一目でわかりやすく、戻す時に左右を迷うことがありません。

充電はケース端のUSB-C端子から行ないます。

フル充電からの利用で、本体のみで最大7時間、ケース併用で最大29時間の再生が可能なので、1日中問題なく使うことができます。

「耳に乗せる」感覚で負担なく装着できる快適性

イヤホン本体は、耳に押し込まずに使うハーフインイヤー型のデザイン。軸部分がスケルトンになっていて、中の機構をのぞき見ることができる点に近未来感を感じます。

1つのイヤーバッドはわずか4.4gとかなり軽量。軽く耳に乗せるような感覚で装着できるので、長時間つけていてもあまり負担を感じません

対応コーデック(データ圧縮方式。音質や音の遅延、対応端末に関わる)は、ワイヤレスイヤホンで広く採用されているAACとSBCのみ。

ハイレゾなどには対応していませんが、12.6mmの大型カスタムドライバーに加えて、装着中の音漏れによる低音の減衰を検知して、チューニングを最適化する「Bass Lock」を搭載することで、迫力のあるサウンドを実現しているとのこと。

実際、安価な有線イヤホンと聞き比べてみると、低音がしっかり聞こえる印象があります。

また、専用アプリ「Nothing X」のイコライザ画面からは、好みの音質を選択することも可能。

低音を強調する「MORE BASS」、高音を強調する「MORE TREBLE」、音声を強調する「VOICE」の3つから選ぶだけで切り替えられるので、オーディオにそれほど詳しくない人でも簡単にカスタマイズできるでしょう。

Screenshot: 酒井麻里子 via Nothing X
Screenshot: 酒井麻里子 via Nothing X

さらに、カスタム画面からBASS(低音)・中音・TREBLE(高音)のそれぞれを12段階から選択することで、より細かい設定を行なうことも可能です。

Screenshot: 酒井麻里子 via Nothing X
Screenshot: 酒井麻里子 via Nothing X

風切り音のカットも優秀。屋外での通話も問題なさそう

本体には3つのマイクを搭載。音声を強調し、風切り音や雑音を除去する「Clear Voice Technology」が採用されているとのこと。

駅構内の雑踏および風のある屋外で、Zoomに接続して音声をレコーディングしたものを確認してみました。

雑踏の話し声はある程度マイクに乗ってしまうものの、ボリュームは低減されている印象。

また、ノイズ除去が難しいと言われる風切り音はかなりカットされていて、極端に悪い環境でなければ、出先からの通話やウェブ会議でも大きなトラブルなく使うことができそうです。

ユニークさと性能の高さを両立した絶妙なアイテム

夏に発売されたNothingのスマホ「Phone (1)」は、必要十分な機能をしっかり備えながら、スケルトンの背面にLEDを備えた遊び心のある製品でした。

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今回のEar (stick)も、快適な装着感や軽さ、音楽を十分に楽しめる音質、ストレスなく通話ができるマイク性能など必要十分な性能を備えながら、イヤホンらしくないおしゃれな外観や、Phone (1)を彷彿とさせるスケルトンの軸を採用した本体など、ほかに類を見ないデザインを実現しており、実にNothingらしいアイテムだと感じました。

Image: Nothing
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Ear (stick)は、高価格帯のイヤホンのようにノイズキャンセリング機能を備えているわけでも、ハイレゾ音源に対応しているわけでもありません。

でも、イヤホンを単なる「音を聞くための道具」ではなく、アクセサリーのような自分らしさ・個性を演出するためのアイテムとして捉えた時の選択肢としては、かなり魅力的なものになりそうです。

価格は1万6800円(税込)で、10月29日(土)から公式サイトおよびKith Tokyo二子玉川 蔦屋家電にて数量限定での先行販売を開始。一般発売は11月10日(木)となっています。

「完全ワイヤレスイヤホンが欲しいけれど、皆と同じものではつまらない」という人は、狙い目かもしれません。

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Photo: 酒井麻里子 / Source: Nothing(1, 2), Kith Tokyo, 二子玉川 蔦屋家電