最近の自動車は、カーナビやドラレコなど電装品が盛りだくさんに装備されています。
また、市街地での短い距離ばかり走っていたり、エアコンの使い過ぎで、以前よりバッテリーが酷使される傾向にあります。
このようなシビアコンディションと呼ばれる状況で車に乗り続けていると、当然のことながらバッテリーは早く劣化していきます。

バッテリー交換は自分でもできる!
一般に自動車用バッテリーは、エンジンを掛けていない通常時で12.5Vを下回ったら交換目安となります。
そのような場合、自動車ディーラーやカー用品店へ持ち込んで交換を依頼するケースが多いのですが、バッテリー本体の価格に加え、工賃も発生し、驚くほど高額な見積もりを出されるケースもしばしば存在します。
ですが、バッテリー交換は自分でやってみれば以外と簡単にできるものなので、筆者は毎回、自分で交換するようにしています。
消えては困る設定がある…
一昔前の車ではさほど問題にならなかったのですが、単純にバッテリー交換をすると、記憶していたカーオーディオのラジオの周波数や設定が失われてしまうことがあります。
それに加え、最近の電子制御の進んだ車では、車自体をコンピューターで制御しており、消えては困る設定などが存在することもあります。
モバイルバッテリーで待機電力を供給
ここで登場するのが、今回紹介するカーメイトの「メモリーキーパー USB SA203」です。簡単に説明すると、バッテリー交換の際に、待機電力を供給してメモリーの消失を防ぐ機器です。
しかし、昔から存在していたワニ口でバッテリーの端子を挟むタイプではなく、車両側に設置されているOBDIIコネクター(車両診断コネクターとも呼ばれます)に接続して、モバイルバッテリーなどのUSB電源を供給するものなのです。
ワニ口タイプでは、どうしても接触不良や途中で外れる危険性があったのですが、OBDIIコネクターへの接続なら、途中で外れる心配もありません。

作業手順
まずメモリーキーパーとモバイルバッテリーをUSBコネクタで接続します。この状態では、左端のLEDインジケーターが点灯します。
そして次に、メモリーキーパーと車両側のOBDIIコネクターを接続します。この状態では、左端と中央のLEDインジケーターが点灯しています。つまり、モバイルバッテリーから車両側バッテリーまで電気が流れているということです。

そして次はいよいよバッテリーの交換に移ります。
車両側バッテリーのマイナス端子を外すと、メモリーキーパーの中央のLEDインジケーターが消灯し、右端のLEDインジケーターが点灯します。この状態は、モバイルバッテリーからの電力供給で待機電力が維持されていることを示しています。
正しい点灯となっていることを確認したら、プラス側の端子も外して新しいバッテリーと交換しましょう。
交換が済んだら、逆の手順で端子を取り付け、メモリーキーパーの左端と中央のLEDインジケーターが点灯していることを確認。OBDIIコネクターから取り外して完了です。

早めの交換と日頃からのチェックが重要に!
メモリーキーパー自体には操作部もなく、ただ挿し込んでLEDインジケーターの状態を確認するだけなので非常に簡単です。
車両側バッテリーの交換は、慣れもありますが5分から10分程度で完了しますので、すべての作業でおおよそ15分程度もあれば完了してしまいます。
バッテリーもAmazonなどの通販で購入すれば、カーディーラーの半額ほどの金額で手に入りますし、自分で交換すれば愛車の状態も把握できて一石二鳥です。
もしバッテリーチェッカーを持っているようなら、新品交換時のバッテリー電圧やCCA(コールドクランキング電流)を計測しておくと、次回のバッテリー交換の際に目安となります。
【※注意】一部の車種では個人によるバッテリー交換が禁止されているものもあります。作業をおこなう前に、必ず自動車の取扱説明書などを確認してください。また、本製品は2006年1月以降に日本国内で初度登録されたOBDⅡコネクタを装備した四輪車専用となっています。モバイルバッテリーやポータブル電源は、2A以上の電流を出力可能なUSB-A端子を備えたものを用意し、30分以内に作業を完了してください。