デジタルスライドショーを使ったプレゼンテーションは、見た目が良く、情報もたっぷり提供できます。
ただし、内容を充実させ、プレゼン用ソフトを最大限に活用できることが条件です。また、手持ちのあらゆる情報を集めて、その見せ方を決め、視覚的にインパクトがあり有益なものを作成するための時間も必要です。
では、もし時間がない時は、どうしたらいいのでしょうか。たとえば、午前10時に上司から「午前11時にプレゼンして」と言われたり、プレゼン当日の朝までプレゼンのことをうっかり忘れていたりしたら?
そんな時のために1時間ですばらしいプレゼンを準備する方法をご紹介します。
1時間でスライドショーを作成する時の時間配分
具体的なことは後述しますが、とりあえず、スライドショーの作成に1時間程度しか時間が取れない場合は、次のように時間を配分しましょう。
- 10分:共有すべきキーポイントとメッセージを特定する
- 10分:既成の画像(クリップアート)、グラフ、写真、その他の要素を調達する
- 35分:シンプルなプレゼンテーションを作成する
- 5分:作成したプレゼンテーションをダウンロードし、発表用にセットアップする
内容は基本的なこととすでに知っていることだけにする
迅速にスライドショーをつくる方法をGoogleで検索すると、すばらしいスライドショーのつくり方を提供すると標榜する多くのウェブサイトが山ほど出てきます。
しかし、そうしたプレゼンテーションビルダーをこれまでまったく使用したことがない場合は、飛びつくのはやめましょう。
新しいソフトウェアを使いこなすには時間がかかりますし、そのソフトウェアを使って作成したスライドショーを再生する方法も習得する必要があります。
ネットでプレゼンテーションジェネレーターをランダムに選択すると、その使用方法を探すために持ち時間の大半を費やすことになり、スライドショー作成の進捗が大幅に遅れてしまう危険性があります。
さらに、オンラインデザイナーを使ってスライドショーを完成させても、ダウンロードするにはお金がかかったりトライアルに申し込む必要があることがあります。
そのトライアルも、うっかり申し込むとそのソフトウェアが不要になったあとも毎月使用料が銀行口座から引き落とされる可能性があります。
ですから、Microsoft PowerPointやGoogle Slidesなど、すでに知っているソフトやすぐ使えるソフトを使用しましょう。
既成のデザインテンプレートを使用する
主要なプレゼンテーション作成ソフトには、デザインテンプレートがあらかじめインストールされているので、それを活用しましょう。
たとえば、Googleスライドでは、「表示」タブの下に「テーマビルダー」があり、そこで数十種類のテーマが表示され、そのどれもが個々のスライドに独自のレイアウトを備えています。
各スライドには独自のテンプレートがありますが、同じテーマを持つほかのスライドの色やフォントのテーマと調和しています。
ですから急いで作成しても、まとまりのある、考え抜かれたプレゼンテーションに仕上がります。
数秒でアクセスでき、空白の真っ白なスライドや突飛なWordArtを使ったスライドを使用するよりはるかにプロフェッショナルなプレゼンにすることができます。
スライドに書き込む文言はできるだけ少なく
口頭でプレゼンする時の文言を全部スライドに表示する必要はありません。むしろ、スライドに表示する文言は、少ないほど良いと言えます。インパクトがあり、口頭で伝えたいことが聴衆の記憶に残るように文言を選ぶことが肝心です。
スライドショーの作成をはじめる前に、メモ、調査、統計、その他のプレゼンで扱う予定のものにすべて目を通し、聴衆に見て欲しい重要な結果やポイントをそこから抽出しましょう。そして、それを軸にしてスライドを作成します。
四半期の売上高に注目したいなら、「第三四半期の売上」というタイトルのスライドを作成し、売上を示す箇条書きを1、2個入れます。グラフがある場合はそれを入れますが、ない場合はわざわざ作成する必要はありません。
スライドに余分な情報を加えず、プレゼン中に口頭で説明しましょう。次のスライドは、第三四半期の売上の前年比、あるいは年初からの売上の前年比にしてもいいでしょう。繰り返しますが、スライドはあくまでもシンプルにしておきましょう。
そのためには、フォント選びがとても重要になります。デジタル資産管理会社のPickitによると以下のことに気をつけたらいいようです。
プレゼンテーションで使用するフォントは2種類以内にし、流れに沿ってうまく使い分けることです。互いに殺し合ったり邪魔をしたりしないようにすべきです。
既成のテンプレートを使っていれば、フォント選びの作業は自分でしなくて済みます。見出しは30ポイント以上、本文は24ポイントから28ポイントにして、本文の文言はあまり多くならないようにしてください。
テキストより画像やグラフを使用して視覚に訴える
1枚のスライドに入れるのは、メッセージ、ポイント、アイデアのどれかを1つだけにしておきましょう。
たとえば、歴史的な概要と将来の予測を同じスライドに詰め込んではいけません。
スライドの枚数が増えてもそれらをプレゼンするのにたいして時間はかかりませんが、内容がバラバラで分かりにくいスライドを提示すると、ストレスを感じて急いでいることが聴衆にバレてしまいます。
また、Pickitは、一度に使用する箇条書きは3~5個まで、1枚のスライドに使用する要素は5個までにすることを推奨しています。アップロードやドラッグ&ドロップ、アレンジに時間を割けないので、できればもっと少なくすることをおすすめします。
Pickitは、これに関連してすばらしいヒントを提示しています。それは、「画像を大きくして、テキストの量を減らす」ことです。画像や手持ちのグラフが、箇条書きの文章と同じように何かを説明できるなら、常に画像を使うようにしましょう。
Pickitではさらに次のように言われています。
人間の脳は、テキストよりも画像を最大6万倍も速く処理できることがわかっており、大きな画像を使うことで、集中力を削がれずに、伝えたいことを素早く伝えることができます。
さらに、スライドを作成する側の作業もそのほうが早く終わります(PCMagは、無料のストックアートを遠慮なく使って時短することもすすめていますが、質の高い写真の探すのに慣れていて、自分のプレゼンテーションがどこかで公開される場合は、その写真の出典の示し方に精通している場合にのみにしましょう)。