Watch OS 9で新たに導入された「低電力モード」。
バッテリー持ちが36時間に伸びるというこの新機能は、どこまで使えるのでしょうか?
Apple Watch Series8で検証してみました。
Watch OS 9は深部体温測定などの機能が追加
9月に発売されたApple Watch Series 8。前モデルのSeries 7との比較では外見には大きな変化はないものの、皮膚温センサーが新たに搭載され、自動車事故時の衝突検知機能が追加されるなどの変化がありました。
筆者はSeries 5からの3年ぶりの買い換えだったため、画面サイズなどにも変化を感じられました。
一方で、この秋にリリースされたWatch OS 9には使い勝手が大きく向上する機能が多数登場。なかでも魅力的なのが、36時間使える「低電力モード」です。
どのくらい影響するのか確かめるべく、低電力モードで1日過ごしてみました。
「低電力モード」で1日過ごした結果

朝6時半の時点で、バッテリー残量が約70%からスタート。単純計算で残り12時間半くらいで電源が切れます。
そこで、この時点で低電力モードに切り替えておくことにします。

コントロールセンターでバッテリー残量のボタンをタップして、「低電力モード」をオンにすることで有効になります。

低電力モード使用中は、画面上部に黄色い丸のアイコンが表示されます。常時表示はオフになるもの、文字盤やアプリはいつも通り見ることができます。
6時間で10%減少

省電力モードにしてから6時間経過。残量は朝から10%減っただけの60%。まだまだ余裕です。
12時間経ってもまだまだ余裕あり

12時間経過。通常のモードならそろそろバッテリーが切れる頃ですが、残量はまだ40%以上あります。

そして17時間経過。まだ30%近く残っています。フル充電ではない状態でスタートして、深夜まで余裕で使える。これはかなり安心感が大きいですね。
バッテリーの減り方は使用するアプリによって変動はあると思いますが、外出先でApple Watchのバッテリーが切れそうになったときの、落ち着かない感じを回避できるのは本当にありがたいことです。
「低電力モード」でできること
これまでの「省電力モード」では、最低限の機能以外使えない状態になっていましたが、低電力モードの場合は多くの機能をいつも通り使うことができます。

位置情報が必要になる天気予報やマップアプリも問題なく表示。マップの現在地もしっかり表示されています。

バッテリーを節約したい状況で音楽を聴くことはないかもしれませんが、Apple Musicなどでの音楽再生も可能です。

さらに、ウォレットに登録した交通系ICやクレジットカードでのキャッシュレス決済もいつも通り行なえます。
普段よく使う機能はほぼそのまま利用できるという印象。これならストレスなくバッテリーを節約できます。
低電力モード中は使えない機能も
ただし、低電力モード中は、心拍のバックグラウンド測定が行われないため、睡眠記録や、不規則な心拍や高心拍数などがあったときのアラートは使えません。
Watch OS 9では、睡眠段階を記録できる機能が新たに登場しましたが、このせっかくの新機能も、低電力モードにしてしまうと使えないことになります。
長時間充電できない状況が続くけれど、睡眠の記録は取りたいという場合は、日中は省電力モードにしておき、寝るときになったら通常のモードに戻して使うといった切り替えをするのが賢明かもしれません。
ちなみに、ワークアウトのために心拍を測定したいときは「ワークアウト」アプリから開始すれば、その間は心拍が測定されます。
また、「心拍数」アプリを起動している間も、心拍を測定できるので、「低電力中は一切心拍測定ができない」というわけではありません。
そのほかに細かいところでは、iPhoneの写真をApple Watchの「写真」アプリに同期する機能も、低電力モード中は停止されるようです。
残り10%からどのくらい持つ?
ここまでの検証は、バッテリー残量に十分な余裕がある段階から低電力モードを使いましたが、残りわずかになってから切り替えるケースも多いかもしれません。

バッテリーが残り10%になると、低電力モードへの切り替えを提案する画面が表示されます。この時点でからどのくらい持つのかも試してみました。
3時間20分ほど過ぎた時点で、残り4%。「3時間くらいで切れるかな?」と思っていたので、予想より粘っているという印象です。
5時間半が過ぎたところで残り1%に。出先で残り10%になってしまった場合も、これだけ持てば、帰宅するか充電できる場所を確保するかできそうです。
Apple Watchは、バッテリー持ちがあまり長くないことが最大のネック。それをフォローしてくれる省電力モードは、ユーザー待望の機能ともいえるのではないでしょうか。Apple Watchの便利さは維持したままなので、バッテリーがピンチのとき以外も積極的に使っていきたいと感じました。