ヘッドフォンで音楽を聴くとき、推奨の大きさってどのくらいでしょうか? そもそも、音量が大きすぎると何がいけないの?
ハーバードメディカルスクールによると、耳には数千の細胞があり、その中でも小さな髪の毛状の細胞が耳から脳に音を伝えています。
大きすぎる音はそれらの細胞を恒久的に破壊し、音の伝達に影響を及ぼします。つまり、大音量で音楽を聴きすぎると、聴覚に異常をきたす可能性があるのです。
大きすぎる音ってどれくらい?
イエール大学のチャートを使って、デシベルについて説明しましょう。風のない静かな自然の空間では、20デシベル前後の音が鳴っています。
その他、たとえば家庭用冷蔵庫は約55デシベル、電話のダイヤルトーンは約80デシベル、電動芝刈り機は約107デシベルです。
この値は当然、音源からの距離によっても変わります。そのため、耳のすぐ近く(あるいは耳の中)にあるイヤフォンやヘッドフォンは、音への曝露が強烈になるのです。
世界保健機構(WHO)のガイダンスによると、1週間のうちに80デシベルの音を40時間までが、「安全」な傾聴の許容時間です。音量が80デシベルを超えると、その分許容時間は短くなります。
なお、多くの個人用オーディオ機器の音量は、75から136デシベルの範囲で出力可能になっているそうです。
今の音量が大きすぎるかどうかを判断するには?
多くの場合、スマートフォンが音楽のうるささを教えてくれます。たとえば、iPhoneのヘルスケアアプリを開くと、デシベル関連のデータがたくさん保存されています。
著者の場合、今週は100デシベルの音楽に43分さらされていたようです。1分平均は71から102デシベルの間。長期的に考えると、私の聴覚にとって、これは決していい状態ではありません。
自分の音量が大きすぎるかどうかを知りたいが、デシベルの数字はうっとうしいという人には、Headphonestyのクイックリストが便利です。下記にいくつか抜粋します。
- 2、3日ヘッドフォンを使わずにいたあと、耳栓をして静かな場所に行きましょう。耳栓をしたまま聴覚に集中すると、小さな耳鳴りが聞こえるはず。それがベースラインとなります。翌日ヘッドフォンを使い、夜に同じテストを行います。前日より耳鳴りが大きくなっていたら、ヘッドフォンの音量が大きすぎることを意味します。
- 腕を前に伸ばして、音楽をかけたヘッドフォンを持ちます。その距離で音楽が聞こえたら、音量が大きすぎです。
- オーディオデバイスの音量を、最大の60%程度に設定してみましょう。ボリュームを上げ続けてしまうなら、大音量に慣れてしまっていることを意味します。
キーン、クリック音、ブーンなどの耳鳴り、騒々しい場所で聞き取りにくい、音がくぐもって聞こえる、ついボリュームを上げることが増えたなど、何らかの症状がある人は、難聴の兆候かもしれません。
聴覚学者に診てもらうと同時に、音量を低く抑えるように努めましょう。
Source: Headphonesty, WHO, Yale University, Harvard Health Publishing