変換精度の高さに定評のある日本語入力システム「ATOK」。
昔からの愛用者も多いのではないでしょうか?
スマホ向けには、昨年までは買い切りアプリ「ATOK for iOS」「ATOK for Android」が提供されていましたが、2021年10月に販売を終了。
現在は、PC版と共通の定額プラン「ATOK Passport」に加入しないとスマホでATOKを使うことができません。
しかも、Android版は月額300円の「ベーシック」でも利用できるのに対して、iOS版は上位プランの「プレミアム」(月額600円)向けにしかアプリが提供されていません。
iPhoneユーザーにとっては、「スマホでATOKを使う」ハードルが高くなっています。

それでもiPhoneでATOKを使うメリットは果たしてあるのでしょうか? 実際に「プレミアム」プランに加入してチェックしてみました。
上位プランにするとアプリ利用が可能に
「ATOK Passport」への加入やプランの切り替えは、「Just my shop」から行います。元々「ベーシック」プランに加入していたので、プラン変更の手続きをしました。

続いて、iPhoneに「ATOK」アプリをダウンロードして、ATOK Passportのアカウントでログインします。

この時点ではまだキーボードが有効になっていないので、iPhoneの「設定」→「キーボード」→「新しいキーボードを追加」から「ATOK PRO」を選んで追加した後、「フルアクセスを許可」をオンにします。

その後、ATOKアプリに戻って、変換履歴などを他の端末と同期する「ATOK Sync」の設定を行えば完了。左下にATOKアイコンのキーが表示されたキーボードが利用できるようになります。

濁音や小文字の入力がスムーズになる
ATOKのキーボードは、独自の「フラワータッチ」とよばれる入力方式を利用できることが大きな特徴です。文字キーをタップすると、名前どおり花びらのように周囲6方向に項目が現れます。

フラワータッチの強みは、濁点や半濁点のつく文字、小文字の入力をスムーズに行えること。通常のフリック入力の場合、「ぷ」を入力するには、「は」キーを上にスワイプした後に左下のキーを2回タップする必要があります。
フラワータッチの場合、「は」のキーから指を離すことなく、最初に2回下方向にスワイプした後に、上にスワイプすれば入力できます。

同様に、「が」「ば」などの濁音は下に1回スワイプ、小文字の「っ」「ゃ」なども下方向のスワイプで簡単に入力が可能です。
単語登録をPCとiPhoneで同期できる
さらに、ATOK Syncを有効にしておけば、PCで登録した単語がiPhoneにも同期されます。これは日頃からATOKをヘビーに使っているユーザーには嬉しい機能。
筆者は、入力の簡略化とミス防止のために、アルファベット表記の固有名詞などを単語登録することが多いのですが、iPhoneからの入力時もいつもと同じ感覚でスムーズに変換できるのはかなり快適です。

片手モードの細かいカスタマイズも可能
キーボードの表示方法なども細かく設定できます。
たとえば、片手入力時にキーボードを左右どちらかに寄せて表示する「幅寄せ」利用時の、キーボードのサイズや表示位置も調整も可能。自分の手に合わせた最適な位置で使えます。

また、キーボードの色も選択が可能。iPhone本体のライトモード・ダークモードに合わせて切り替える「自動」のほか、ゴールドやブルー、ピンクなどの色を使うこともできます。
iPhoneの文字入力を「PC並み」にしたいならおすすめ
上位プランに加入してまでiPhoneにATOKを入れるべきかどうかは、スマホからの文字入力の快適さをどのくらいPCに近づけたいかによって変わりそうです。
「本格的に文章を入力するときはPCを使うから、iPhoneでは大きな問題なく入力できればOK」というのであれば、標準のキーボードや無料のGboardでも事足りるはずです。
一方で、移動中の隙間時間に書類作成をすることが多いなど、iPhoneでもできるだけ快適かつ効率的に文字を入力したいという人なら、あえてコストをかけて利用するのもアリではないでしょうか。
とくに、日頃からATOKで単語登録を多用している人なら、ATOK Syncでデータを同期できるメリットは大きいと感じました。
Source: ATOK