期日まで余裕があったはずなのに、いつもタイムリミットギリギリまで時間がかかってしまう……そんなことはありませんか?

時間は追われるものではなく、追いかけるもの。必要以上の時間をかけることなく、仕事をサクサク進めるためにはどうすればいいのでしょうか。

筆者自身も「いつも〆切に追われる」ライターだったわけですが、その状態を脱することができたライフハックをを3つご紹介します。

【パーキンソンの法則】時間に余裕があると、仕事量が拡大してしまう

もし、あなたが上司から突然、「30分後に会議をするから資料を用意しておいてくれ」と指示されたとします。

時間はたった30分しかありません。「会議の目的は?」「自分に求められていることは?」「最も重要なことは?」……など、焦る気持ちを抱えながらも高い集中力を発揮して、会議の準備をできる限り整えることでしょう。

しかし、会議が1週間後であればどうでしょうか。その間のスケジュールが特に過密でない場合は、1週間後に資料を完成させるべく、必要のないことまで調べたり準備したりしてしまいがちではないでしょうか。

実はこの現象、「パーキンソンの法則」に当てはまります。

パーキンソンの法則とは「仕事量は、与えられた時間をすべて満たすまで拡大する」という、イギリスの歴史・政治学者、Cyril Northcote Parkinson氏が提唱する法則です。

これは仕事外の余暇にも当てはまります。たとえば「今夜、友人のためのサプライズパーティーを開催しよう」と決まったとします。数時間後の開催なので、みんなで手分けをしながら、近くの洋菓子店でケーキを買ってきたり、軽食をデリバリーで注文したりするでしょう。

しかし、開催日が2週間後であればどうでしょうか。よりよい会場を探したり、プレゼントを準備したり、思い出のビデオを制作したりなど、2週間という期日を満たすまで準備が拡大してしまうのです。

筆者はライターをしていますが、速報性を求められる記事の場合は、読者に今伝えるべきことを素早く見い出しながら一気に書き切ることができます。しかし、納期に余裕がある場合は早く仕上げるのではなく、締め切り日いっぱいまでを使って熟考しがちなのです。

じっくりと取り組むのは決して悪いことではないのですが、時間がたっぷりあれば、それに合わせて仕事を膨らませてしまうということです。この法則を意識しておくと、「時間に余裕がある = 早めに終わる(時間が余る)」ではないことがよく理解できると思います。

期限ギリギリまで仕事が終わらない理由 | ライフハッカー[日本版]

期限ギリギリまで仕事が終わらない理由 | ライフハッカー[日本版]

【ポモドーロ・テクニック】短時間でこなす目標を定めて、それに集中する

時間いっぱいまで膨らませないようにする方法の一つとして、「時間を区切る」ことがあります。

ライフハッカー読者の皆さんは既にご活用の方も多いと思いますが、ここではポモドーロテクニックを活用します。

ポモドーロテクニックとは、イタリアのコンサルタント・起業家のFrancesco Cirillo氏が開発した時間管理術。「先延ばしを減らし、生産性を改善し、時短化する」ことを目的としたテクニックで、まさにパーキンソンの法則を防ぐための手段と言えるでしょう。

主なルールは以下のとおりです。

■ルール(主要箇所のみ)

・ポモドーロは「25分プラス休憩5分」からなる

・4回のポモドーロごとに15〜30分間の休憩を取る

・ポモドーロは分割できない。“半ポモドーロ” や “4分の1ポモドーロ” などはない

・タイマーが鳴るまでポモドーロは続く

※フランチェスコ・シリロ・著『どんな仕事も「25分+5分」で結果が出る ポモドーロ・テクニック入門』より引用

ポモドーロテクニックでは、事前に「今日やること」を定め、それを25分単位で集中的に取り組んでいきます。中断は禁止。また、25分おきに5分間の休憩を必ず挟みます。

集中しているとそのまま作業を続けたくなりますが、リフレッシュ時間を入れることで次の25分も高い集中力が得られるのです。

この「集中力の高い30分」を繰り返すことで、一日を通しての生産性を高めることができるようになります。

たとえば、ライターである私の仕事で例えると、本記事は1つの見出しを1ポモドーロ(25分プラス休憩5分)と設定し、4ポモドーロで書き終えるよう目標を立てて執筆に挑みました。

こうすることで、「締め切りは1週間後だから……」というぼんやりとした意識より、圧倒的に前倒しで業務遂行することができたと実感しています。

ポモドーロ・テクニックの基本的な考え方と活用法:書評 | ライフハッカー[日本版]

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【タスク管理】モニターに付箋を貼ってリマインダーに

長期間に渡る、大きなプロジェクトに関してはどうでしょう。前倒しでは終えられないような膨大な仕事量が求められている場合です。

大きなプロジェクトに関しては、連日の業務はなくとも、いつも意識しておく必要があります。「あぁ、あの件ね。どうなっていたんだっけ……」とならないよう、常に頭の片隅に置き、いざとなればすぐ臨戦体制になれることが望ましいでしょう。

スマートフォンのTo Do管理アプリに入れ、連日通知してもらうという方法もありますが、もっと効果的な手法があります。

ここでは、米Lifehackerでテック関連の記事を担当している編集者、David Murphy氏の付箋術がおすすめです。

やり方は簡単。大きめの黄色の付箋紙にプロジェクトを書き込み、それを自分が使っているパソコンのモニターに貼る。たったこれだけ。

David Murphy氏は、「スマホの通知より、作業中に目の前でこちらを凝視しているようで無視しづらく感じる」と話します。これで、常にそのプロジェクトを頭の片隅に置いておくことができるのです。

タスク管理にスマホは使わない。米Lifehackerのテック担当編集者、デビッド・マーフィーさんの仕事術 | ライフハッカー[日本版]

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期日まで時間いっぱい使ってしまうことなく、仕事を前倒して進められるようになった

以上、今回は「期日にギリギリになってしまう習慣を克服するライフハック」についてお伝えしました。

筆者はカレンダーアプリに予定を書き込み、To Doはプロジェクトごとにまとめてリスト化しています。これにより、締め切りや予定を守ることができています。

ただ、記事冒頭に書いたように、期日までのんびり構えてしまったり、不要なことまで仕事を拡大させてしまったりすることがよくありました。今回ご紹介したノウハウを取り入れることで、「サクサクと仕事がこなせるようになった」のです。

ぜひ、皆さんのお仕事にも取り入れてみてください。