社内SEやSlerを経て、2018年にLINE Fukuokaに入社した塩川恭浩さん

IT推進室室長として、業務改善ならびに、チームのマネジメントに注力しています。LINE Fukuokaの社内改善組織におけるやりがいや魅力について聞きました。

ジレンマを解消できる環境と、評価制度に惹かれ転職

──これまでのキャリアと入社のきっかけを教えてください。

大阪の大学を卒業後、独立系SIerでシステムエンジニアとしてキャリアをスタートさせました。設計・開発・管理を経験したのち、食品物流系企業に転職。

そこでは社内SEとして在庫管理や会社の基幹システムを手がけていました。東京本社へ転勤になり、計9年程度勤めたのち、地元福岡へUターン転職しました。

福岡では、飲料系メーカーで社内システム全般の統括を3年半経験した後、2018年にLINE Fukuokaに入社しました。

最初は業務改善チームのメンバーとして入社し、約半年後に同チームのマネージャーに就任しましたが、社内改善に特化したIT推進室の立ち上げに伴い、室長を務めることになりました。

転職先としてLINE Fukuokaを選んだ理由は、2点あります。

領域を問わず提案し社内SEとして最善を尽くすことができる

1点目は、社内SEとして働いていたときに感じていたジレンマを解消できる環境があると感じたからです。

社内SEとして働いていると、予算がネックになって最適な提案ができないケースや、すでに要件が固定していてあらかじめ決められた仕事に合わせざるを得ないケースが多く、自分が最善だと思う提案はできませんでした。

選考を通じて、LINE Fukuokaであればそんなもどかしい気持ちを解消できるのではないかと感じました。

実際働いてみても、裁量を持ってコンサルタントの領域にも関わることができるので、やるべきだと思ったことを素直に提案できます

この点は、LINE Fukuokaで働くことの大きな魅力だと思います。

チーム内外からのフィードバックが「やりがい」につながる

2点目の理由は、社内の評価制度に惹かれたことです。LINE Fukuokaでは、Co-work Review(360度評価)という評価制度があり、上司だけでなく、一緒に働くチーム内外のメンバーからもフィードバックをもらえる仕組みがあります。

一般的に社内SEというと、縁の下の力持ちであり、表舞台には出ることはあまりないため「あの人たちって何やっているの?」という疑問を抱かれがちです。

社内システムや機材にトラブルが起こるとお叱りを受けるのですが、何も起こらなくても感謝されることは少ない、いわば黒子のような存在です(当たりまえに使えることが前提)。

実際には、私たちの取り組みの恩恵を受けている人たちが必ずいるはずなので、フィードバックをもらえる環境があるというだけでも報われますし、メンバーのやりがいにもつながると感じています。

360度評価が導入されているLINE Fukuokaであれば、自分の成果を評価してもらえるのではないかと思い、入社を決意しました。入社後まずは環境の良さを実感しました。

オフィス環境はもちろんですが、会社全体に、「社内SEは絶対になくてはならない仕事だという共通認識があることに驚きました。経営陣も含め、社員から必要な存在として認められていることを日々実感しています。

ファシリティ改善からウェブ開発まで幅広く担う

──業務内容について教えてください。

2022年7月現在、IT推進室室長を務めています。 IT推進室はもともと、コーポレート部門の業務改善がメインの部署でしたが、直近では事業運営部門やグループ会社の社内開発支援等業務の幅が広がってきました。

IT推進室は、「働きやすさNo.1の企業を目指し、より良い環境を提供し続ける」というセンター(Enterprise ITセンター)ミッションを軸としており、「従業員が最大パフォーマンスを発揮できる環境を提供すること」というビジョンを意識しつつ、日々業務に向き合っています。

仕事の内容はメンバーによって異なります。私たちは課題の発掘から要件定義、開発、導入、その後の運用に至るまでワンストップで対応しており、上流工程がメインの担当者もいれば、開発担当、全体のPM等さまざまな役割を担うメンバーがいます。

対応する業務は、IoTを活用したファシリティ(オフィス環境)改善、シンプルなエクセルのマクロ構築、RPAを使った単純作業の自動化、BIツールによるデータの集計・分析環境の提供、さらにはウェブアプリの開発等、幅広い領域にわたります。

課題解決の事例として、経理処理する際に発生していた申請のワークフローをツール作成によって自動化したことが挙げられます。

導入前と比較して月間で約30時間の時間短縮に成功し、LINE株式会社をはじめ、同様の処理を行なっていたグループ各社にも同ツールを適用し、月間でそれぞれ約15時間ずつの作業時間削減につながりました。

業務の対象が外部のユーザーではなく社員なので、システムの導入時には、直接フィードバックを受けることができるため直接感謝されることも多く、やりがいにつながっています。

社内ITの存在意義として掲げる6つのバリュー

──組織成長において重視していることは何ですか?

IT推進室では、ミッションやビジョンとは別に、次の6つのバリューを掲げています。

1つ目は、付加価値を提供すること。改善に関する要望をそのまま鵜呑みにしていては意味がありません。単なる御用聞きになるのではなく、自分たちが関わるからこその価値を提供することを常に意識しています。

2つ目は、目線を高く、視野を広くすること。要望が解決すればそれで終わりではなく、たとえばAの部署の課題が改善したなら、同様の業務に携わるBやCなどの部署にも同じことが適用できるのではないかと考えることを大切にしています。

3つ目は、使う側の視点、ユーザー目線を忘れないということ。ソリューションの押し売りでは、ユーザーを置いてきぼりにしてしまい、使えないツールとして廃れていってしまいます。

4つ目は、期待を持ってもらえるような提案をすること。明るい未来が待っているという希望が生まれなくてはいけないし、期待をしてもらうことが私たちのモチベーションおよび品質を向上することにつながると思っています。

5つ目は、スピード感を持ってサービスを提供すること。課題を持っているユーザーは少しでも早く現状を改善したいと感じているため、いち早く提供し、ブラッシュアップすることで本質解決につなげるようにしています。

6つ目は、謙虚な姿勢で業務にあたること。利益を生み出すプロフィットセンターのために存在していることを常に意識し、天狗にならないよう心掛けています。 この6つのバリューは、私が今までエンジニアや社内SEとしてさまざまな経験をしてきた中で培った心得のようなものです。社内業務の改善は、さまざまな部署の協力が必須です。

この6つのバリューをふまえて、現場の人が考えつかなかったことや、それまで手が出せずにいた規模の施策に取り組むことができるところに、私たちの存在価値があると思っています。

魅力を伝えるスキルが活かせる環境

──どんな人と一緒に働きたいですか?

LINE Fukuoka IT推進室には、多種多様なバックボーンを持つメンバーが働いています。「開発案件のプロジェクトをしっかりマネジメントしたい」という人もいれば、「事業会社で働きたい」と感じて入社した人もいます。

経歴もさまざまで、SIer出身者もいれば、インハウスの社内SEやヘルプデスクをしていた人、中には「ひとり情シス」だった人もいます。

社内IT推進室で活躍するために求められるのは「伝えたいことを適切な方法で伝える」力です。最低限の知識を備え、情報を精査し、相手に魅力の伝わるプレゼンテーションを行なうスキルとコミュニケーション能力も不可欠です。

現在は、プロジェクトを推進するチームとプロダクトを管理するチームがありますが、今後の展望としては、これに加えて現場に対するソリューション展開や方針への提案・助言する上流工程のコンサルティングチームを立ち上げたいと思っています。

役割は細分化していますが、入社後ずっと役割が固定されるわけではありません。IT推進室内にはさまざまなポジションがあるので、他部署へ異動や転職することなく、多様な業務を経験することが可能です。

そうやって自由にキャリアを築いていくことができる点も、私たちのチームの魅力だと思います。SIerや社内SEの中には、私自身が経験したのと同じようなもどかしさを感じている方も多いと思います。

そういった高い志を持っている方と一緒にチャレンジしていきたいです。

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