限りある時間をどう使うか。

時間管理能力というのは永遠の課題です。特に私のようにフリーランス&在宅勤務だと、家事と仕事がごちゃまぜになって毎日が忙しなく過ぎていきます。

毎日でなくてもいいから、数時間のまとまった自由時間があったら、あれもこれもできるのに…。

とは言え、睡眠時間は削りません(というより削れない、もう無理が利かないお年頃です)。

睡眠不足は健康に悪影響があると言われていますし、実際に短時間睡眠が数日続くと心身ともにつらくなります。

目次

1. 短時間睡眠の遺伝子があった!

2. ショートスリーパーは楽観的で外交的

3. 睡眠にもダイバーシティがある

4. 8時間睡眠の人ができること

1. 短時間睡眠の遺伝子があった!

でも、睡眠時間が短くても健康に悪影響がないなら、2〜3時間を捻出することができます。いわゆるショートスリーパーさんがうらやましいですね。とはいえ、短時間睡眠って健康によくないんでしょ?

ところが、短時間睡眠の遺伝子を持っている人たちがいるんだそうです! CNNの記事「Living with a short sleep gene: ‘It’s a gift’」という記事を見つけて飛びつきました。

ユタ州のブラッド・ジョンソンさん、64歳。子どものころから5時間ほどの睡眠時間で、何があってもそれ以上は眠れませんでした。両親と子ども8人の家族10人のうち、父親と子ども5人はショートスリーパーです。

さて、ブラッドさん兄弟姉妹が成人して、それぞれの家族を持ちました。

現在、ファミリーリユニオン(一族で集まる会)ではなんと200人ほどにもなるそうです。その2005年の親族会で、一家は睡眠時間の研究に参加しました。

研究者は、ユタ大学で睡眠を研究するChris Jones教授と、現在はカリフォルニア大学サンフランシスコ校に在籍するYing-Hui Fu教授。

教授らはそれまでにも、夜7時ぐらいに寝て午前2〜3時に起きてしまうという睡眠相前進症候群などの研究をしていましたが、複数の世代にわたり1家族を調査したのはジョーンズさん一家が最初のケースでした。

そして判明したのは、ショートスリーパーは短時間睡眠になる遺伝子を持っていたという事実。遺伝子を操作したマウス実験でも、睡眠時間が短くなっても健康に悪影響はなかったのだそうです。

2. ショートスリーパーは楽観的で外交的

うらやましいのは、睡眠時間だけではありません。

研究では、「ショートスリーパーらには共通する特徴がある」ことも判明しました。

Fu教授によると、ショートスリーパーの約9割は、意欲にあふれ、どんどん仕事をこなしていくタイプ。楽観的で外交的、しかも優れた記憶力を持っている人が多いそうです。

ブラッドさんは自分の睡眠が一般的なパターンに当てはまっていなかったために、睡眠障害があるのではと心配していたそうです。

しかし、遺伝子が理由だったと知って、ショートスリーパーであることは幸運だとCNNの記事で語っています。

3. 睡眠にもダイバーシティがある

ジョンソンさん一家の話に、以前ニューヨークタイムズ紙で「クロノタイプ」「クロノダイバーシティ」についての記事を読んだことを思い出しました。

睡眠の朝型や夜型というのは、その人の個性、つまり多様性の一部だという考え方です。

Nikkei Styleの三島和夫医師の記事によると、日本の調査(※)では、超夜型は約8パーセント、夜型は約23パーセント、中間型が41パーセント、朝型は22パーセント、超朝型は約6パーセントになっています。同医師も、睡眠やクロノタイプも個性だと述べています。

遺伝子も関与しているなら、いろいろな睡眠パターンがあって当然だと思うし、一概にそれらの良し悪しを述べたり、怠惰や勤勉と関連づけたりすることはできないという気がしました。

睡眠パターンが個性ならば、それを無理に変えるのではなく、目覚めている時間の使い方を見直すほうがメリットがありそうです。

※朝型夜型チェックリストによるクロノタイプの分布(国立精神・神経医療研究センターで実施した1170名での調査結果/2015年)より

4. 8時間睡眠の人ができること

では、7〜8時間睡眠が必要な私たちには何ができるでしょうか。

1. 睡眠時間はきちんと確保

とにかく、健康のためには自分にベストな睡眠時間を確保することが重要です。

カリフォルニア大学バークレー校で睡眠を研究しているマシュー・ウォーカー氏は、「健康には睡眠が最重要」と言い、また予防接種の効果や免疫面の健康も睡眠時間に影響を受けると述べています。

前述の三島医師も、無理して睡眠パターンを変えることには注意を促しています。睡眠時間を削ることができないならば、目覚めている時間の使い方を見直しましょう。

2. 時間の無駄遣いをチェック

まず、時間の無駄遣いに目を向けてみましょう。

『時間を無駄にしがちな人』が無意識に行なっているNG習慣5つ」の記事では、「デスクが散らかっている」「隙間時間にSNSをする」「予定を立てない」「NOと言えない」「先延ばしにする」がNG習慣として挙げられています。

心当たりがある行動はありませんか。

3. 時間の無駄遣いを減らす方法

そして、無駄遣いを減らす4つの方法については、こちらの記事が参考になります。

「趣味も休憩もすべてスケジュールに入れる」「金銭的な価値に置き換えてみる」「注意散漫を減らす方法を取り入れる」「その行動や思考が役立っているか自問する」です。

遺伝的にショートスリーパーで健康に悪影響がないというのはうらやましい気がしますが、7〜8時間睡眠が私の睡眠個性です。

中間型の私は、その睡眠時間を確保しつつ、起きている時間の有効活用にフォーカスしていきたいと思います。

──2021年9月9日の記事を編集のうえ、再掲しています。

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執筆:ぬえよしこ

Source: CNN, Nikkei Style, 厚生労働省