誰にでも「合わない人」はいます。プライベートならほどほどに付き合えばいいですが、「困った人、しかも職場で」となると話は別。

毎日顔をあわせなければいけませんし、困った人の仕事のツケがチーム全体に及んでしまうことだって考えられます。

困った人の身勝手な行動に巻き込まれないためのヒントをご紹介しましょう。

一見すると普通の人。グレーの「困った人」が急増中

今回参考にしたのは、攻撃的・メンタル弱すぎ・手柄の横取り・やる気なし・自己中心的な 職場の困った人対応マニュアル(WAVE出版)。著者の援川 聡(えんかわ・さとる)さんは元警察官。大手スーパーに転職し、数多くのクレーマー対応に従事してきたそうです。

そのなかで援川さんが感じたのは「時代によってクレーマーのタイプは変化する」ということ。最近は、ギリギリ取り締まることのできない詐欺まがいの行為に走ったりする「グレーのクレーマー」が増えているとか。

この傾向は職場でも同様で、グレーの困った人が急増中。しかも、一緒に働いて初めて「こんなに困った人だったとは!」と気づくような、ごく普通の人が多いのだそうです。

困った人には5つのタイプがある(+混合タイプも)

援川さんは、「グレーな困った人」によくあるタイプを以下のように分類しています。この5つ以外に、混合タイプもあるというからやっかいです

1 グレーな攻撃型
2 油断できない被害者型
3 自己顕示欲の強い策略型
4 伝わらない無気力型
5 悪気のない押しつけ型


こうした社内のグレーな困った人は、会社全体の仕事のモチベーションを下げ、会社にいづらい、あるいは会社に行きたくないムードを助長します。グレーであるがゆえに、わかりやすいハラスメントよりもたちが悪いのです。

(『攻撃的・メンタル弱すぎ・手柄の横取り・やる気なし・自己中心的な 職場の困った人対応マニュアル』20ページ)

グレーの困った人に共通する特徴は、ターゲットを選んでいること。そして、やり返すとこちらが悪者にされてしまうこと。

「この人、きっとグレーだな」という直感を大切にし、持ち前の協調性は封印しましょう。そうしてできる限りで距離を置くことが「困った人対応」の大きなポイント。

そしてもう1つ、大切にしたいのが「初動」。困った人に遭遇した場合、「とりあえずやり過ごして様子を見ようか」となりがちですが、これはNG。我慢を積み重ねずにすぐに対応することが肝心だそうです。

困った人に巻き込まれない、すぐに役立つ対応術

それではいよいよ、援川さんがすすめる5つのタイプ別の対応マニュアルから、すぐに試せるものをご紹介します。

1. グレーな攻撃型

「グレーな攻撃型」の特徴:ちょっとしたことで怒りやすく、舌打ちやため息が多い。小さなミスをぐちぐちと叱り続ける。「なんで」と相手を追い詰める。とにかく言い方がキツイ。

このタイプには「心のシャッターを下ろす」ことが一番。

理不尽な叱責であなたをやり込めようとしてきたら、相手を「壊れたスピーカーと思って」と援川さん。「小さなミスを許せないなんて、心が狭いな」「損をする生き方だな」と、相手を上から目線で見ることも、気持ちを落ち着かせるのに役立つ視点です。

また、「でも」「だって」といった「ダ行」の返答は、相手の怒りの炎に油を注ぐようなもの。そこで、「だって」は「承知しました」に、「でも」は「すみません」に、「ですから」は「失礼しました」ダ行をサ行に変換すれば簡単です(本意ではないですが!)。

ターゲットにされないために、「さすがですね」「知りませんでした」「すごいですね」「センスがいいですね」「そうなんですね」といったサ行の褒め言葉も知っておきましょう。

2. 油断できない被害者型

「油断できない被害者型」の特徴:注意されると泣いたり体調を崩したりする。「それってパワハラじゃないですか」とつっかかってくる。相手のいない場所で陰口を言う、SNSで不特定多数の人に愚痴る。

このタイプは、放っておくと自分が加害者にされかねません。まず行ないたいのがヒアリング。愚痴や陰口の原因は、言いたいことが言えない、もっと認めてほしいという気持ちの裏返しかもしれないからです。

「最近ミスが多いけど、何かあった? 心配しているよ」「SNSを見たよ。そこまで追い込まれていたんだね、気づけずにごめんね」と、仏の心で話しかけてみましょうか。

3. 自己顕示欲の強い策略型

「自己顕示欲の強い策略型」の特徴:自分に甘く、人に厳しい。仕事を振っておきながら、手柄は横取りする。他の人が評価されると機嫌が悪くなる。調子が良さそうな仕事には積極的に参加してくる。

このタイプが近くにいるならば、まずは自分で自分を認めましょう。なぜかというと、策略型の人と一緒に仕事をすると、自尊感情が削られるから

自分なりに「良い」と思うアイデアが出せた。他の人の仕事をフォローした。そんなことも紛れもない自分の力。書き出してみるのもいいかもしれません。

4. 伝わらない無気力型

「伝わらない無気力型」の特徴:時間や締切にルーズ。報告・連絡・相談の頻度が少なく、ミスの報告も遅い。返事はいいが、伝わっていない。面談をしても黙り込んでしまう。

つかみどころのないのがこのタイプ。無理に本音を聞き出そうとしたり注意をしたりすれば、自分が「困った人」扱いをされかねません。

対応のポイントは、見逃さないこと。そして、まずは「お願い」から入ること。

改善の兆しが見られたら、ほめることも大切なリアクション。一向に直る気配がなければ、口調を少し強くして「注意」します。このとき、何がどう会社の規約に反しているか、減給などのペナルティについても説明を。

5. 悪気のない押しつけ型

「悪気のない押しつけ型」の特徴:「忙しい」が口癖で、面倒で細かい仕事は人任せ。「なるはやで」と仕事のペースを押しつけてくる。土日や長期休暇前に仕事を頼んでくる。

自分も頑張っているんだから、周りのがんばるべきという考え方を押しつけるのがこのタイプ。しかし、できない人には頼ってきません。

そこで、まず取りたいのが「きちんと断る」という態度です。そうすれば相手はターゲットを変えるはず。断るのが気が引けるなら「3回目は断る」とタイミングを決めるのもいいそうです。

援川さんの解説に目を通していると、「自分はどのタイプなんだろう」とハッとします。困った人の対応を学びながらも、5つのタイプを反面教師にして、周りから困った人認定をされないように気をつけたいものです。

Source: WAVE出版