いま私たちは、激変する現代社会に個人レベルで適応していく必要性に迫られています。そんななかでの最大の関心は、「どうすれば稼ぎ続けることができるか」であるはず。

でも、具体的にどうすればいいのでしょうか?

神速で稼ぐ独学術』(山田竜也 著、技術評論社)の著者によれば、その答えは「独学力」にあるのだそうです。とはいえ、ただ勉強しただけで必ずしも稼げるようになるわけではないはずです。

好き嫌いや、向き不向きで勉強するだけではうまくいきません。時代の流れに沿って、自分の立ち位置を見ながら、仕事につながる知識やスキルの習得、場合によっては自分自身の考え方そのものをアップデートしていくための独学をおこなう必要があります。(「はじめに どうすれば稼ぎ続けることができるか」より)

そして多くのビジネスパーソンが時間に追われている以上、常に短期間で知識を「稼げる」活用まで持っていかなければなりません。また時代がデジタルツールを活用した学びへと移行するなか、各ツールの特性を理解する必要もあるでしょう。

そこで本書では、そういった要点を意識しつつ、学習をアウトプットまで持っていくことを目的としているのです。

著者は、複数の収入源を持つ「ポートフォリオワーカー」として安定した収入を維持できているという人物。しかもメインの仕事であるウェブマーケティングの知識や技術は、すべて独学で身につけたのだとか。つまり、そうやって積み上げてきた実績が、本書の主張の裏づけとなっているわけです。

きょうは第7章「仕事から学び、お金にする〜どのように機会を作るか」内の「仕事から学ぶ」に焦点を当ててみたいと思います。独学には「自分でプライベートの時間をつくって行う」といった印象がありますが、既存の仕事や社外での副業、NPO活動などの時間のなかでも、学習機会はつくれるというのです。

仕事のなかのコミュニケーションで学べるものを吸収する

現代の仕事におけるコミュニケーションの形態は多種多様。

とくにリモートワークの普及に伴い、電話やメールのみならず、Slack、Chatworkなどのチャットツール、Zoom、Teams、WebEx、Google Meetなどのオンラインミーティングツールも浸透しています。それらの使い方を確認すると、コミュニケーションスキルの参考になる点が多いのだそうです。

「リアルの会議では存在感のあった人が、オンラインミーティングになると存在感が薄くなっているのはなぜなのか」

「逆にオンラインミーティングになった途端に存在感が上がっている人は、ミーティングでどのような準備をして、どのような発言をしているのか」

「チャットツールでやりとりをしていて感じのいい人のメッセージには、どのような特徴があるのか。逆にチャットで感じの悪い人はどのような投稿をしているのか」

「チャットツールは仕事が中断されがちだが、即返事をしないで自分のペースで仕事を進めながらも悪い印象になっていない人はどのようなやりとりをしているのか」(301ページより)

かつて「コミュニケーション能力の高い人」とは、対面か電話でのやりとりが上手な程度だったはず。しかし現代ではさまざまなツールを駆使してコミュニケーションがなされており、それぞれのツールでノウハウが異なります。

したがって、それらの多彩なツールで、印象がよく円滑なやりとりができる人、あるいは自分の業務効果を低下させずにそれらを使いこなしている人は、まだ限られているのが現状です。

そこで著者は、仕事のなかで「この人はオンラインミーティングでのコミュニケーションスキルが高いな」「チャットツールでのスキルが高いな」などと感じたら、“なにをしているのか”を分析して真似し、学習の機会に変えてしまおうと提案しているのです。

たとえばチャットツールのSlackの場合、顔文字などの感情表現を多用している人は、フレンドリーで印象がよくなったり話しかけやすくなったりするといったように、さまざまな傾向と法則があることに気がつくはずです。(302ページより)

とくに現代において、コミュニケーションスキルはとても重要。企業で働いていても、独立しても、それは収入に連動しやすいスキルのひとつだといえます。

そういう意味で、こうしたことを学習の機会にすることは無駄にならず、それどころか大きな意味を持つわけです。(300ページより)

挑戦したことのないレベル、分野の仕事に挑戦する

知識の習得は、座学よりも、プロジェクトのなかで身をもって学ぶほうが圧倒的に身につくもの。そこで可能であれば、いま携わっている仕事のなかで、すでに安定して回せるようになっている仕事だけでなく、「挑戦したことのないレベルのもの」「挑戦したことのない分野」に取り組んでみるべきだといいます。

もちろん、自分で割り出した独学のテーマと実際の仕事が結びつけば理想的ではあるでしょう。しかし会社に勤めている場合はそうした自由がなく、なんでも自由に仕事を選べるわけではないものです。

そこで大切なのは、できる限り挑戦的な内容の仕事に取り組むこと。そして、普段から新しい取り組みに関心を持ち続けること。

・新しい取り組みには、反対意見ではなく前向きな意見を多く言うようにする

・自分の取り組みたいことを普段から言うようにする

(303ページより)

こういったことをひとつひとつ心がけることで、さまざまな学習機会が回ってくるということです。

なお組織のなかで自分が学びたいテーマと関連する職務にまったく巡り会えない場合でも、副業をしたり、NPO活動に携わったりすれば、学習の機会を得られるように働くことはできるようです。

独立して働いているのであれば、副業どころか自分の事業として、そうした仕事に関わることが可能。そのため、さらに効率的に学習に活かせるわけです。しかも、すぐに学習を収益に繋げることも不可能ではないでしょう。

こうして考えていけば、学習のチャンスは日常の仕事のさまざまな場面に隠れているということがわかるのではないでしょうか?(302ページより)

いま健康であったとしても、自分や家族がいつどのような状態になってしまうかは予測できません。そこで大切なのは、少しでも多くの選択肢を持ち、状況に対して柔軟に対応できる能力を備えておくこと。だからこそ独学力が武器になるのだという著者の考え方には、意識してみるだけの価値があると感じます。

>>Kindle unlimited、30日無料で読み放題トライアル中!

>> 「Voicy」チャンネルでは音声で「毎日書評」を配信中【フォロー大歓迎】

Source: 技術評論社