自宅の仕事環境に悩みを抱えるライフハッカー[日本版]編集部員・丸山と水野が、実践レクチャーで快適な作業空間の実現に向けて奮闘するミニ連載『ハイブリッドワーク快適片付け術』。

2人が助けを求めたのは、コクヨ社員であり、「オフィス×在宅」ワーク時代の「快適なおうちワークスペース作り」を得意とする整理整頓のプロ、樋口美由紀さん

最終回Vol. 6では、Vol. 4Vol. 5で片付けを実践した丸山・水野の片付けプロジェクトのダイジェストと気持ちの変化を総括します。

そして、樋口さんからの今回のチャレンジへの講評はいかに? キレイをキープし運用するためのアドバイスも必見です。

▼編集部員が抱えていた課題は?

整理整頓のプロに聞く「ハイブリッドワーク快適片付け術」~編集部のモヤモヤ編|Vol. 1 | ライフハッカー[日本版]

整理整頓のプロに聞く「ハイブリッドワーク快適片付け術」~編集部のモヤモヤ編|Vol. 1 | ライフハッカー[日本版]

編集部の住まいの乱れ…「片付けの極意」を武器に臨んだ結果!

樋口さんの『ハイブリッドワーク快適片付け術』レクチャー(前編後編)を受け、リビングを侵食していた仕事関係の備品を整理整頓し、快適なスペースづくりに奮闘した丸山と水野。

それぞれ下記のポイントを重点的に作業しましたが、樋口さんからの評価はどのようなものだったのでしょうか?

▼「片付けのプロ」のレクチャーを受ける

持ち物が増え続けていく…片付け前に考えるべきモノの「4つの領域」とは?|Vol. 2 | ライフハッカー[日本版]

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片付け上手の「5つの鉄則」~守るだけで圧倒的変化を起こす!|Vol. 3 | ライフハッカー[日本版]

片付け上手の「5つの鉄則」~守るだけで圧倒的変化を起こす!|Vol. 3 | ライフハッカー[日本版]

家族との運用に悩んでいた丸山の場合

  • 8割収納」のコンセプトでリビングの本棚を整理。よく読む「アクティブ領域」の本以外は「NEOS」シリーズの収納ボックスにまとめてクローゼットに移動した。不要な本は「チャリボン」サービスで寄付。
  • たまりがちな書類を整理するために、週に1回、土曜日の午前中に中身を確認するタイミングをつくることを“家族の新片付けルール”にした。
  • PC収納&ケーブル類のごちゃつきを改善。PCはレックの「吊戸棚用バスケット」を使い、ケーブルをつけたまましまえるようにするなど、動作・動線を考慮することでハイブリッドワークの快適度がアップした。

樋口さんのコメント

わが家サイズのモノの適正量や動線を考え、それに合わせた整理・運用に変えたことで快適な暮らしになりましたね。

週1チェックの家族ルールもgood! 今後家族の成長や生活の変化に合わせてルールの見直しもお忘れなく!

▼丸山の片付けを見る

溢れる本棚と書類、散乱するケーブル…家族で運用できる「片付けのプロ」直伝の極意|Vol. 4 | ライフハッカー[日本版]

溢れる本棚と書類、散乱するケーブル…家族で運用できる「片付けのプロ」直伝の極意|Vol. 4 | ライフハッカー[日本版]

要・不要が見極められなかった水野の場合

  • 持っているだけの「プロパティ領域」のモノを増やさないための「自分ルール」を構築。「人間には“スペースがあると埋めたくなる”心理がある」という樋口さんのアドバイスを参考に、収納ボックスは必要最小限に。小さな収納スペースも「定位置管理」を実践することで、「自分ルール」で気持ち良く運用できるようになった。
  • ごちゃつくケーブル類にはマスキングテープでラベリング(マスキングテープカッター「カルカット」を使ったことで見た目もきれいに)。視覚的に何のケーブルか一目でわかるようになり、仕事時のストレスが減った。

樋口さんのコメント

それぞれの場所に置いてよいものを厳選したことで、目をつぶっても取り出せるようになりましたね。

ごちゃつくコードもラベリングで一目瞭然に! 文字が薄れたり新しいコードを追加したときも忘れず書き足しましょう!

▼水野の片付けを見る

片付けを「日々の運用」に。 部屋も気持ちもスッキリする自分ルールの作り方|Vol. 5 | ライフハッカー[日本版]

片付けを「日々の運用」に。 部屋も気持ちもスッキリする自分ルールの作り方|Vol. 5 | ライフハッカー[日本版]

なぜ片付けられないのか? モヤモヤの原因が判明した実践後

今回、ワークスペースの片付けを実践したことで、さまざまな気づきがあったという丸山と水野。

丸山は、樋口さんのレクチャーを受けてから、「なぜここに置いてあるの?」「なぜこんなにたくさんあるの?」と、「WHY(疑問)」を持ちながら俯瞰して部屋を見渡せるようになったと話します。

「毎日忙しい中で仕事と生活がボーダレスに続いているのだから、ごっちゃになるのは仕方がない。家族もいて1人ではないから、完璧にはならない——。片付けについては、そう諦めていた部分もありました。

ただ今回、毎日うまく片付けられなくて、出しっぱなしになっていたPCやケーブル類が楽に収納&取り出しできるようになったことで、在宅ワークをしていたリビングの快適さが格段に上がったんです。

『私が家を片付けなくちゃ』と思うと独り善がりになりがちですが、『家族がやらないのは、単純にやりにくいからできないのかもしれない』という目線を忘れないようにしなくては…と。

ワークスペースとしても、生活の中心としても家の環境を整えていかねばと、改めてリモートワークにもわくわくしています」(丸山)

一方の水野は、レクチャーから実践編までを通して、自分は“スペースがあればその分そこにしまい込みたくなる”傾向があるとわかったと振り返ります。

「収納ボックスや収納スペースを限定的にすることで、いかに“ここにはこれだけしか入らない”状態をつくり出すかが鍵。私にとっては、片付けの前に『しまうモノ自体を最小限にする』努力や工夫が必要だったみたいです。

また、片付けを通じて、樋口さんが話す「モノのアクティブさ」も意識できるようになってきました。

アクティブなモノは潔く「ここ!」と取り出しやすい位置にしまったり置いたりできるように。

「なぜここにしまってしまうのだろう?」とモヤモヤしていたモノも、「取り出しやすいから=アクティブなモノだから」と納得もできるように。

そのうえで、エリアやゾーンにわけてモノの住所を決め、自分がストレスを感じない整理・収納方法を見出す必要があると感じました」(水野)

見えてきた、片付けを「運用」につなげるコツ

一連の作業を通して、自分と家族の“片付けルール”ができてきたと話す2人。

ルールが確立されてくると、多少見た目が雑多でも「自分にとって使いやすい状態になっている」と胸を張ることができ、その自信が片付けへのモチベーションをさらに高めてくれます

逆に、整っているように見えても、使い勝手が悪くストレスに感じるなら、そこは伸び代満載の改善ポイント。

そんな風に、無理なく一歩ずつ、その時々でやりやすい方法を考えて運用する習慣をつくることが、「片付け→毎日の運用」へとつなげるコツなのかもしれません。

最後に、2人の課題から片付け、振り返りを受けて、樋口さんはどのように感じたのでしょうか?

ここまでの2人のチャレンジを見守ってくれた樋口さんから講評をもらいました。

樋口さんから2人へ、激励とアドバイス

整理整頓お疲れ様でした! 美しく使いやすい空間に変身しましたね。

片付けは多くの人にとって悩みのタネ。「いつの間にか散らかる→イラッとする→手当たり次第片付ける」となりがちですが、モノが増えてしまう仕組みや、片付け方の鉄則などを意識することで、快適な空間を維持しやすくなります。今後もお部屋作りを楽しんでくださいね。

どれだけキレイな空間を完成させても、日々モノは動くし、状況も変わります。重要なのは片付いた状態をどうやって維持、つまり「運用」していくか。

仕事と生活の境界がますます融合していく今、オンオフともに快適な空間を保つために、無理なく続けられるルールやアイテムも見直しを行なっていきたいですね。

お話を伺った人:樋口美由紀

お話を伺った人:樋口美由紀

コクヨ株式会社 ワークスタイルコンサルタント/整理収納アドバイザー1級。

「オフィス×在宅」ワーク時代の「快適なおうちワークスペース作り」をテーマにワークショップを多数実施。コクヨのニューオフィス「THE CAMPUS」のカイゼンファシリテーターとしてオフィスのカイゼン活動にも携わっている。

>>これまでの『ハイブリッドワーク快適片付け術』を読む

取材協力: コクヨ / Source: Amazon.co.jp(1, 2, 3), チャリボン, レック