今年6月、NTTは「リモートワークを基本とする新たな働き方の導入」を発表しました。働き方の概念をひっくり返すような驚きの内容です。

・勤務場所は「社員の自宅」とする(会社の通勤圏に住む必要はなく、全国どこでも居住可)

・リモートワークと出社のハイブリッドワークを前提(出社時は交通費支給。飛行機での出社も可能で、交通費に制限なし)

・社員本人の希望や業務内容に応じ、個人単位での適用や適用除外も可能

今回NTTが発表したリモートワークの制度は、2022年7月1日から開始しており、この制度により単身赴任も転勤もなくしました。

イーロン・マスクは通勤義務化を通告

一方、アメリカではどうでしょうか? 従業員は働きやすいと考える一方、経営者はオフィスに戻ってほしいと考えているようです。

2020年夏、人事コンサルティング会社のMercerが調査した約800社の雇用主のうち94%が、「従業員がリモートワークをはじめてから生産性はそれ以前と変わらないか向上した」と報告しています。

さらに最近の調査では、リモートのやり方や手順に慣れたことで、自宅での従業員の生産性はさらに高くなったことが示唆されています。

しかし、今年になって、イーロン・マスクは、「オフィスでフルタイムで働くことを拒む社員を解雇する」と通達しています。

イーロン・マスクが「リモートワークしたいなら会社辞めろ」と通達した理由 | ライフハッカー[日本版]

イーロン・マスクが「リモートワークしたいなら会社辞めろ」と通達した理由 | ライフハッカー[日本版]

人材紹介会社GoodHireが2022年4月に行った調査によると、上級管理職の80%が、オフィスに戻りたがらない社員には減給や解雇などの「厳しい措置」を考えていることが明らかになりました。

Wedge Online によると、Yahooの元CEOであるMarissa Mayer氏は以下のように発言しています。

リモートワークは日々のタスクを回すには生産性が高すぎるぐらいです。

しかし、企業にとって重要なのは5年先、10年先を見据えた新しい発想であり、これは雑談や非公式な議論から生まれるものであり、リモートではこうした一見無駄な要素は排除されてしまいます。

今春、AppleがCupertino本社に週3日以上出勤することを義務付ける計画を発表すると、従業員のグループがこの要求に抗議する公開書簡を発表しました。

その直後、同社の機械学習担当ディレクターだったIan Goodfellow氏が辞職し、「働き方の柔軟性を高めることこそ最高のポリシーだったのに」とチームに語ったと伝えられています。

同氏がGoogleに就職した後、Appleは対面式の戦略を撤回しました。

中間管理職の転職希望が増える理由

多くの企業経営者は従業員の職場復帰を希望し、従業員は働き方の柔軟性、仕事のやりがいを求めています。

経営者の戦略と従業員のニーズが乖離していく中、経営幹部と従業員の間に立つ中間管理職は複雑な勤務体系を監督しながら、従業員を管理していかなければなりません。

人事会社Humuの調査では、中間管理職は非管理職の2倍も転職を希望していることがわかっています。

SlackとFuture Forumで上級管理職を務めるBrian Elliott氏は、「現在のようなハイブリッド環境で働く中間管理職は、従業員のパフォーマンスを評価するための適切なトレーニングを受けていないことが多い」と指摘しています。

これまで中間管理職は「部下の作業時間」に基づいて評価するように教えられてきましたが、リモートワークのデジタルファーストの環境では、成果を評価の指標にすることが不可欠です。

アメリカでは、2019年の退職者が4200万人強だったのに対して2021年には4700万人以上が退職しました。この傾向は、景気が冷え込んでも続くと言う専門家もいます。

中間管理職には、従業員の離職を防ぎながら、新しい人材の採用と企業文化の形成という責務も課せられています。人の去就が激しい職場で、どうすれば企業文化を形成できるのでしょうか?

その方法については、後編をご覧ください。

アメリカ人上司から学ぶ、リモートワークでも部下と信頼関係を築く方法 | ライフハッカー・ジャパン

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Source: Mercer, NTT, Wedge, The Runaway