敏腕クリエイターやビジネスパーソンに仕事術を学ぶ「HOW I WORK」シリーズ。

今回お話を伺ったのは、評価額4兆円を突破したオーストラリアのスタートアップCanvaで、日本のカントリーマネージャーをしている植山周志(うえやましゅうじ)さんです。

植山周志さんの仕事歴

BMX(自転車競技)で45回国内外の大会で優勝。2015年から2019年までは Dropbox Japan にてオンラインでのビジネスのグロースを担当。2019年からデザインツールを提供する Canvaで仕事を始めると同時に、日本からシドニーに移住。

-個人では、2020年からUdemyでオンライン講座を公開。マーケティング分野で人気講師として取り上げられる。2015年から『数字思考力×EXCELでマーケティングの成果を上げる本 シゴトのかけ算』『「あるある」で学ぶ忙しい人のためのExcel仕事術』を出版。いずれもAmazonのExcel、マーケティングのカテゴリーでベストセラーになる。ありえないおじさんを目指している。

前編では、DropboxからCanvaへ転職した経緯と、50歳になっても挑戦を続けるコツを伺いました。後編では、世界で戦う植山さんの具体的な仕事術や自己管理術について伺っていきます。

人生に影響を与えたシリコンバレーの重役の言葉とは? 「体力、知力、精神力、人間力」が突き抜けた「ありえないおじさん」になるために、日々取り組んでいることとは?

アウトプットを最大化するために、心身を万全の状態に整える

Image: 植山周志

――1日の仕事の流れを教えてください。

7時に起床します。以前はもっと早起きして瞑想をしていましたが、睡眠障害になったことをきっかけに早起きをやめました。朝食は、上2人の娘と僕が食べる卵料理を作ります。

7時半〜8時半は、ストレッチと逆立ち。ありえないおじさんになることを目指している(詳細は後述)ので、180度開脚、逆立ちなどやり続けています

9時から18時ごろまでは仕事。天気がいい日は、庭で仕事したり、春、夏の暑いときはプールに飛び込んで身体を冷やしたりしながら仕事しています。オフィスに出社するのは、四半期に数回ほどです。

仕事が終わったら、三女と遊んだり、おんぶして寝かせたりすることが多いです。家族とご飯を食べてお風呂に入って、21時ごろには次女を寝かしつけて、自分もそのまま寝ます。

――家族との時間を大切にしている印象です。

僕の中の優先順位は、家族が一番。

その後、自分、価値のあることをアウトプットする(仕事)、自分の知性を磨くの順番です。だから、料理、家事も楽しんでいます。家庭が平和だと仕事にも集中できますよ。以前、人生で何が大切かを考えて、自分の人生にとっての優先順位を決めました。いろんなことを決めるときの判断軸になるので、人生の優先順位を決めることはおすすめです。

――仕事のパフォーマンスや集中力を上げるために心がけていることや大切にしているポイントは?

健全な肉体に健全な精神が宿るというように、身体のコンディションを整えることは重要だと考えています。体調面は、OURARINGでトラッキング。1年半前に睡眠障害に陥ったのと、今も睡眠の質がよくないので、睡眠に十二分に時間を取っています。

朝食後は、ストレッチと逆立ちを1時間。ジムには通っていませんが、ボルダリングが好きなのでクライミングジムに週2回通っています。

食事は野菜中心で、肉少なめです。ビールが好きなのですが、月〜木は休肝日にしました。お酒を飲むとその日の睡眠時の脈拍が上がるので、翌日の体調に悪影響がでるんですよ。OURARINGが毎朝教えてくれるんです。だから、休肝日の大事さを実感しています。

体脂肪率も7%台で逆立ちとボルダリングができるのに十分な筋力と柔軟性もあり、50歳のおじさんにしてはとても健康だと思います。

打ち合わせを効率化する30分ルール

――ToDoやスケジュール管理などタイムマネジメント術を教えてください

スケジュール管理は、Googleカレンダーに集約しています。チームメンバー、Canva社員は僕のGoogleカレンダーが見れる状態で、予定を入れることができます。

タスク管理は、To Do Listをフランクリンプランナーの手帳に。前日に翌日のタスクを書き出して、優先順位をつけています。

また、打ち合わせは、基本的に30分で設定しています。これは、前職のDropboxの時代からで、1時間で設定していたときと比べると1日でできる仕事量が増えたと実感しています。

あとミーティングに臨む前に、できる限り前準備を行うこと。日本、韓国チームのWeeklyミーティングの前には、話すことは共有のドキュメントに書いてある状態です。日本チームの場合、以下の3つのことを書いています。

  • This week tasks(今週のタスク)
  • Blockers / help needed(困っていること、手助けが必要なこと)
  • Anything you want to share:accomplishment, something you are happy about , etc(その他シェアしたいこと:達成したこと、いいニュースなど)

ミーティングがはじまって「さあ、何話そうか」ということはしたくありません。

また、定例のミーティングで議題がない場合はミーティング開催前に削除することもできます。時間が一番大事なリソースなので、メンバーの時間を無駄にしないように気をつけています。

集中と選択で最高のアウトプットを実現する

――BMXで何度も優勝をして、今はキャリアでも我が道を進んでいる植山さんですが、結果を出すために、一番意識してきたことは?

成果が一番大きいところにコミットするということです。この大切さに気がついたのは、ニキビケアのプロアクティブを販売する会社でグロースを行なっていたときのこと。

検索流入やアフィリエイト、デジタルでの販売促進でできることは、すべて試していました。LP(広告用の商品ページ)の制作チームとも連携をとって、すべてのチャンネルにフルコミットして、私もチームも常に疲弊状態。

しかしある日、気がついたんです。プロアクティブを購入したお客様は、流入経路によって、その後のリピート数が変わってくることに。データを分析していくと、一番評価が悪かったのが、アフィリエイトでした。そこで、最もインパクトを出せるチャンネルに人とお金を集中することにしたのです。

Image: 植山周志

資金も時間も有限です。結果を出すには、成果が一番大きいところにコミットすることと、やらないことを決めて実行することが一番大切だと気がつきました。

言い換えると大事なことにリソースを集中させ、さほど大事でないところにはリソースを割かないことで、効率よく成果を作れます。

プライベートでは「ありえないおじさん」を目指す

――「ありえないおじさんになりたい」と話を聞きました。ありえないおじさんとは?

年齢を重ねて、どんな中年、老人になりたいかと考えたら、僕は「体力、知力、精神力、人間力」が突き抜けた「ありえないおじさん」になりたいと考えはじめました。具体的には、180度開脚ができたり、片手逆立ちができたり。それでいて、経済力もしっかりとある。

その経過をブログにまとめています。180度開脚は練習していくうちに少しずつ進歩してきました。やり方は、フィットネスプログラムを購入して勉強しています。エキスパートから学ぶのが一番ですね!

コツコツとやり続ける必要があるものは習慣にしてしまうことがいいと思っています。習慣を築くために一番大事だと思うことは「なりたい姿を強く描くこと」です。

痩せたいと思ってジムに通っても、1カ月、2カ月で挫折することも多いはずです。

なぜならそれは「やらなきゃ」という動機だからです。自分はこうなりたい!こんなことができるようになりたい!という「やりたい!」と強く思う、自発的な欲求を見つける必要があります。

そして、それを短い言葉で言い表せるようにするのです。僕の場合は、それが「ありえないおじさん」でした。

世界の多くの人たちは、オンラインで学歴を更新し続ける

――仕事において役に立った情報源を教えてください。

書籍

岡本太郎の名著の『自分の中に毒を持て

Podcast

  • コテンラジオ:歴史を楽しく、深く学べます。歴史を勉強したいと思っていたが、何から手をつけたら分からなかった僕には最高!
  • Masters of scale:LinkedInのFounderのリードホフマンがホストを勤める。ビジネスマンにとって最高のPodcastです。
  • The Tim Ferriss show:作家で投資家のTim Ferrissが荒やる分野のトップパフォーマーたちを深くインタビューしていくPodcast

英語の情報源

より多くの日本人が英語がもっと得意になってほしいです。英語ができると、オンラインでハーバード、MITなどの授業が受けられるんです。

このようにして、学歴を更新している人たちが世界中にたくさんいます。僕もMITのデータサイエンスの授業を3講座ほど修了し、修了書をLinkedInのプロフィールに貼り付けています。

エリートの人たちだけがそうしているのかと思うかもしれませんが、たしかにLinkedInにオンラインで学んだ一流大学の学歴を掲載する人たちはエリートが多いです。

しかし世界の一流教育をオンラインで受講する人たちは、アフリカの豊かでない国に住む人たちにもたくさんいます。質の高い教育がどこからでも受けれるようになっているのです。

こんなことが世界で行なわれていて、日本人もどんどん乗ってほしい。グローバルの採用はLinkedInが多く使われているので、仕事にも生かせるようになります。

人生に影響を与えた、シリコンバレー重役の言葉

――これまでもらったアドバイスの中で、特に印象深いものは?

1つ目は、Canvaに転職して最初の上司が言っていた、「(人生は)仕事、お金、人間関係(家族、パートナー)の3本足で成り立っている。このどれか1つでもうまくいっていないと、全体的に崩れてしまう。この3つを意識して整えることが大事」ということ。

この3つの軸で自分自身もチームメンバーのことも見ることができます。チームメンバーたちのこの3つの軸がしっかりしていたら、メンバーたちの健康以外のコンディションはいいということです。

2つ目は、Dropboxでの最初の上司が言っていた「短期と中長期の2つの時間軸で考えることが大事なんだ」ということ。戦略を考えるときにも役立ってます。短期と中長期の2つの時間軸で考えてあげるということです。

最後は、シリコンバレーの重役が言っていた「ポジションが上がれば上がるほど優先順位を死守する」ということです。高いポジションの人の優先順位がフラフラしていたら、その人の部下たちは振り回されて大変なことになってしまいます。大事な仕事に集中しにくくなってしまいますよね。

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Source: LinkedIn, OURARING, Instagram, Harvard Business School, Masters Of Scale, Coten Radio