テレワークの普及とともに、一気に注目されるようになった「ワーケーション」。

「ワーク」と「バケーション」を組み合わせた造語で、リモートワークと休暇を両立するという、一挙両得的なコンセプトの働き方のことです。

ひょんなことから長期のワーケーションを決断

筆者は、「どっちつかずで煮え切らない働き方になるのでは?」とワーケーションの効用には懐疑的でした。

ですが、あることをきっかけに5カ月間におよぶワーケーションをすることになったのです。

「あること」というのは、住んでいた京都の借家を大家さんが売却してしまい、立ち退いたことでした。京都が好きなので、引き続き府内のどこかに引っ越すかと考えていた矢先、図書館でたまたま見た屋久島の写真集の森の風景にいたく惹かれました。

ちょうど風景写真の修行中だったことも手伝い、「屋久島の森の写真を撮り尽くすまで滞在しよう」と決心するまで、時間はかかりませんでした。

まさかのワーケーションの始まりです。

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ただし、ワーケーションに対する「仕事も余暇も中途半端になる」というネガティブなイメージはまだありました。そこで屋久島に旅立つ前に、ワーケーションの目標・目的を決め、厳守することを自分に言い聞かせました。

筆者が決めたワーケーションの目標・目的とは以下のようなものです。

  • 週5日はデスクワーク、週1日は雑用、週1日は森に行って気分転換&写真撮影という生活サイクルを守る
  • ヴィーガンの食生活を習慣化する
  • 筋トレなどの運動習慣を確立する
  • カフェで知人とダラダラと過ごす悪習慣を断ち切る
  • 毎晩コンビニに行って「自分へのご褒美」と称してお菓子を買う悪習慣を断ち切る

要するに、自分でよくないと自覚している悪習慣と縁を切り、続けたいと思っている(けれど挫折気味な)習慣を定着させることを主な目的と定めたのです。

環境による強制力で悪習慣を自然とやめられた

ここで、屋久島について説明しましょう。屋久島は、九州南端の沖合にある全周約100kmの丸みを帯びた島です。人口は1.3万人あまりで、海岸線沿いに集落が点在し、内陸は人の住まぬ山々があるばかり。全市町村の中で最も降雨量が多い地域でもあります。

筆者が滞在したのは、長期滞在型の宿泊施設。Wi-Fiとコワーキングスペースが完備されており、リモートワークにはうってつけでした。その代わり、施設から一番近いスーパーでも6km先だったりと、都会暮らしに慣れた者には何かと不便なところです。

島に来た初日は、「これは、すごいところに来てしまったぞ…」というのが正直な気持ちでした。

ですが、「悪習慣を絶ち良い習慣を定着させる」という意味においては、ここほどふさわしい場所はありませんでした。まず、お菓子を絶ち、ヴィーガンになるという習慣はあっという間に達成しました。

なにしろ周囲にはコンビニ1つなく、農園の直営野菜売り場が徒歩圏にあるだけ。たまに6km先のスーパーまで自転車に乗って行けば、お菓子や肉・魚が手に入り、最初のうちはそこで「ズル」をしたこともありましたが、やがてそれもなくなりました。

屋久島はカフェが多く、徒歩圏に3つもカフェがあったのですが、いずれもシーズン外で休業中。そもそも、話し相手もいないので、カフェで時間を空費しようがありません。

くわえて雨の日が非常に多く、そんな日は籠ってデスクワークをするほかありません。たまに晴れると、カメラを持って山中の森を目指します。とても自然に、仕事と気分転換のリズムが定着していきました。

最後まで残った課題が、筋トレなどの運動習慣の確立です。正直に白状すると、これは習慣化できませんでした…。

運動にはある種のテンションというか、気持ちの盛り上がりが必要ですが、雨続きではその気分になれないというのが理由です(言い訳ですね)。ただし、週1回のきつい登山が、運動不足を補ってくれました。

ワーケーションで何を達成したいのか、事前に決めることが大事

こうして5カ月が過ぎ、本州に戻りました。

この体験から、ワーケーションについていくつか気づきがありました。一番大きいのは「ワーケーションで何を達成したいのか」を事前に決めておくことの重要性です。

「プールサイドのカウチで、ノートPCを膝に乗せて仕事をしている」みたいなイメージ先行で行くと、得るものは少ないでしょう。単に日頃のストレス解消をしたいのなら、有給休暇を取ってリゾート地に行けばいいのです。

そうではなくて、せっかくワーケーションという括りでどこかへ行くなら、仕事や生活に関連した目標を持つべきです。それは、都市部に位置する自宅・オフィスにいては、難しいことにするべきでしょう。

そして、普段からやろうと思っていたけれどできていなかったことにフォーカスし、それらを見える化。ワーケーション先はその実現にふさわしい場所・気候を選ぶのです。そうすれば、そのワーケーションは、実りあるものになるに違いありません。

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