日本国内でテープのりが流通しだしたのが、90年代末のこと。文房具の中ではかなりの新参者と言えます。
もちろん新しいだけに進化する勢いも強く、初期の頃によく言われていた「粘着力が弱い」や「テープが絡まりやすい」といった難点は、現在ほぼ解消されたとみて良いでしょう。
厚みのある封筒もしっかり封かんできる粘着力で、使い終わりまで基本ノートラブル。少なくとも大手メーカーの製品であれば、どれでもさほど不満は感じられないはず。
じゃあ選ぶ際にどこをチェックすればいいか? というと、個人的には「キャップの性能」だと思います。
スパッと開いて邪魔にならない新キャップが便利です
ヘッドから露出した粘着テープを保護する必要上、テープのりにキャップは必須です。
その点、ヘッドを包んで密閉するフルカバータイプのキャップは優秀ですが、しかしキャップ自体のサイズが大きくなってしまうため、貼り作業をする際には邪魔になることも。
つまり求められるのは、フルカバーだけど邪魔にならないキャップということになります。
コクヨの「ドットライナーフリック」は、まさにそのキャップ部分に工夫を凝らした、ドットライナーシリーズの最新版です。

最大のポイントであるフリックキャップは、スマホのフリック入力よろしく、親指で弾くように開閉できる特殊なもの。この軽快な開閉動作がまずクセになるほど気持ちいいんです。

まずキャップの基部に親指の腹を当て、前に押し出してから、軽く横方向(左右どちらでもOK)にずらします。それによって内蔵バネの力が働き、勢いよくスパッとキャップがボディ横に倒れ込む、という仕組み。
従来のテープのりは、キャップがボディの上もしくは下側にスライドして開くものがほとんど。ですが、これは作業時にヘッドまわりが見えづらかったり、紙にキャップが当たってうまく貼れなかったり、というトラブルにもつながっていました。

対してこの新しいフリックキャップは、使う人から見てボディ側面の裏側に回り込むため、ヘッドを隠すこともなく、紙に当たることもありません。
機能としてはささやかなものですが、実際にヘビーにテープのりを使用しているユーザーにとっては、イライラする機会をグッと減らしてくれる優秀なキャップだと思います。
もちろん高密閉のフルカバーキャップなので、携帯時に粘着剤が汚れるなどのトラブルもまず発生しないでしょう。

つめ替えロングテープでも粘着力は充分
「ドットライナーフリック」のもうひとつの特徴が、つめ替えタイプでは業界最小クラスのコンパクトさ。
実際に使い切りタイプと比較しても、全長は長いものの、厚みや幅はほぼ同じ。ペンケースに収納するにも邪魔になりにくいサイズ感だと思います。


さらにこのコンパクトさにもかかわらず、つめ替え可能なテープは12mとたっぷり。近しいサイズの製品でテープ長8~11mというのが一般的なので、かなりのロングテープということになります。
このロングテープ化は、粘着剤とフィルムテープを従来より薄くすることで達成しています。

ただ、粘着剤は厚みを減らすことで、肝心の粘着力が弱くなってしまうという点もあります。
そこで、ドット状に点在する粘着剤の密度を高め、さらに粘着剤の強さ自体も見直すことで、薄くても強力なテープのりを実現したのだそう。
実際にこれまでのドットライナーシリーズと比較してみても、粘着が弱くなったという感じはまったくありません。いつも通り、封かんや紙工作に使って不満のないレベルをキープしています。

正直なところ、つめ替えなのにコンパクト&ロングテープのコスパの良さ、というだけでも、購入する価値は充分でしょう。
それに加えて使いやすくて開閉動作が気持ちいいフリックキャップが付くわけで、これは間違いなくお得!
いまテープのりを選ぶのであれば、まず一番にオススメできる新製品だと思います。
Source: コクヨ, Amazon.co.jp