筋トレには、「ダブルスプリット」というメソッドがあります。
これは、筋トレを1日に2回実施するというもの。通常であれば、筋トレを短時間のインターバルで行うことは推奨されていません。なぜなら、これだと筋力・筋量を増大させるよりもむしろ、筋肉を分解し、疲労が蓄積していくリスクが大きくなるからです。
また、1日1回の筋トレであっても、同じ部位を連日鍛えるのではなく、「今日は下半身を鍛えたら、明日は上半身を鍛える」というふうに、特定の部位に過負荷がかからないようにします。
あるいは、筋トレを行った翌日は完全休養をすることもあります。運動生理学が進歩した現代では、筋トレに根性論というのは科学的ではないのです。
本来は追い込む筋力トレーニング法のひとつ
では、なぜダブルスプリットという鍛錬法があるのでしょうか?
多くの場合これは、筋トレの上級者、つまりアスリートやボディビルダーが、試合やコンテストの直前数カ月に実施するものです。
理由は、一時期的なものであれば、筋肉を追い込んで、筋肥大が期待できるからです。言えかえれば、プロのアスリートといえども、年中ダブルスプリットを行っているわけではありません。
また、1回につき特定の部位だけを鍛え、短時間で済ますのが普通。そして、朝に1回目の筋トレを行ったら、次は夕方というふうに、少なくとも半日は間隔を空けます。
1回でこなせない筋トレ量を、2回に分けるという発想
では、アスリートでもボディビルダーでもない筆者が、なぜダブルスプリットを行うか?
答えは簡単、1回目の筋トレでバテ気味になって、予定していたメニューがこなせないことが、よくあるからです。
筆者の日常は、かなりの部分がデスクワークに当てられ、運動愛好家というには程遠いライフスタイルです。
これでは体がなまってしまうか、生活習慣病にかかるか、加齢に負けてしまうか…いずれかの運命が待っています。そのため、ダンベルやマシンを使わない自重筋トレをメインに、週に何回か鍛えています。時間帯はおおむね午前中です。
言ってみれば「ゆる筋トレ」ですね。それでも、10以上のメニューをそれぞれ3セットずつこなしていきます。
今の運動理論では「オールアウト」、つまり「筋肉を極限まで使用して、全ての力を出し切る」ことが理想とされています。
なので、各メニューでオールアウトを目標にしているのですが、これがなかなか難しい。大体、折り返し地点が来たあたりで、へばってしまい、先を続けようという気力が萎えてしまいます。
そこで考えたのが「ゆるダブルスプリット」です。要するに、1回目に「これ以上はちょっと無理かな」と、気力・モチベーションが下がったら、そこでやめてしまい、夕方に続きを再開するというものです。
この場合、2回目の鍛錬では、ウェイトもレップ数(1セットあたりの動作回数)も、減らします。
かなり、ゆるゆるな鍛え方ですが、筋力の無意味な消耗を避けられるし、「今日は途中までしかメニューをこなせなかった」という不完全燃焼感を防ぐことができます。
このやり方を、もう長く続けていますが、効果もそこそこあり、デメリットもありません。
ヘビーデスクワーカーですが、幸いにも腰痛といった職業病とは無縁で、割と元気に仕事を続けられています。
ほかにも、いくつか健康法をしていますが、そのなかでも「ゆるダブルスプリット」の効果は大きいと考えています。デスクワーカーや忙しい人に、おすすめしたい筋トレ法です。