画期的なタイム・マネジメントの書としてイギリスでベストセラーになった『Do It Tomorrow』が、『マニャーナの法則』として日本で刊行されたのは2007年のこと。その時点で大きな反響を呼んだ同書を増補・改訂したのが、きょうご紹介する『明日できる仕事は今日やるな マニャーナの法則 [完全版]』(マーク・フォースター 著、青木高夫 訳、ディスカヴァー携書)です。

訳者によれば、原著者のタイム・マネジメントに関する考えを加筆し、“マーク・フォースター式仕事術”の全容が理解できる「マニャーナの法則 完全版」という形に仕立ててあるのだとか。

この本には「マニャーナの法則」「ダッシュ法」「ファースト・タスク」を始めとする取り組んだその日からとてつもない効果を実感できるテクニックがいくつも出てきます。

それにも増して興味を惹くのが「“忙しいだけの仕事”を捨てて、チャレンジングな“本当の仕事”に集中せよ」という仕事の本質に触れた部分です。著者が言う“本当の仕事”こそがあなた自身とあなたのビジネスを成長に導くものであるからです。(「訳者まえがき」より)

ところで、「マニャーナの法則」とはどのようなものなのでしょうか?

「マニャーナ(mañana)」とはスペイン語で「明日」という意味、「明日やる」を基本にすることで、仕事を完全に終わらせる画期的な方法です。(153ページより)

そんな「マニャーナの法則」の概要をつかむべく、2-09「究極の仕事術『マニャーナの法則』を確認してみることにしましょう。

「マニャーナの法則」とは?

上でも触れたように、「マニャーナの法則」の根底にあるのは、「明日まで待てないほど、緊急な仕事はない」という考え方。

それはポジティブな意味で、「1日に発生する仕事を集めて、必ず次の日にやる」といいかえることができるそうです。つまり、常に仕事に1日分の「バッファー・ゾーン(緩衝地帯)」を設ける考え方だということ。それは、次の3ステップにあてはめることができるのだといいます。

ステップ1 今日、新たに発生した仕事を集めておく

ステップ2 仕事を類別する

ステップ3 類別した方針に従って、翌日まとめて処理する

(154ページより)

このような手順に従って、メールや電話のメッセージ、書類を翌日、集中して処理するという考え方。同時に、すぐに処理できない手間のかかるタスクは細分化して管理するのだそうです。具体的な方法を確認してみましょう。(154ページより)

メールの処理

メールに手を焼いている人は多いはずなのに、大半の方は場当たり的な処理をしているのではないでしょうか? そこで、「マニャーナの法則」の出番。その考え方に従えば、メールは着信日の翌日にまとめて処理することになるというのです。狙いは、一定量の仕事をまとめて処理して効率を上げること。

著者によれば、メールの持つ2つのメリットとは、

・着信場所が1ヶ所に限られる

・整理がしやすい

(156ページより)

1日分のメールを集めるのは簡単。昨日のメールだけを別のフォルダに入れればよいだけなので、そのフォルダがそのまま“処理するべきメールのリスト”になるわけです。しかも処理できたものから消去すれば、進捗状況は一目瞭然。

集中して処理すれば、残りのメールが減っていくのがわかるので、モチベーションも高まるはず。その結果、さらに処理時間は短くなる可能性があるのです。(155ページより)

電話のメッセージの処理

メールと同様に、電話も翌日に処理するべきだと著者。

電話で連絡をもらったから、必ず緊急ということではないはずです。すべての電話に反射的に反応せず、内容次第で「今日中に」か「明日やる」かを判断しましょう。基本は「明日やる」です。先にそれだけを伝えておけば、相手も心配することはないはずです。(156〜157ページより)

とはいえもちろん、メッセージの内容を書きとめておくことは大切。(156ページより)

書類の処理

書類に関しては、処理方法と、ファイリングの仕方という2つの問題があるそう。

まず書類は、メールとは違って整理をしにくいのが難点。いろいろな場所から出てくるものであるだけに、オフィスがあっという間に書類だらけになってしまうのです。そこで書類整理の第一歩として覚えておきたいのが、新規の書類を置く場所を1ヶ所に絞ること。

まずは、そのためのトレイAを用意してください。トレイAは、あくまで「新規の書類入れ」。ここに入れていいのは「翌日の処理待ちの書類」だけです。他の書類を入れてはいけません。

トレイAに入れた書類は、当日1日は積み上がるままに任せておきます。対応は翌日が基本です。メールと同じく1日分を集めて、次の日にまとめて処理するのです。

会議から書類を持ち帰ったら、ブリーフ・ケースに入った書類をトレイAに入れましょう。メモも、他の部署から来た書類も、ファイルのプリントも、請求書も、ファックスも、全部トレイAに直行です。つまり、その日に出た書類はすべてトレイAに入れるだけです。

1日分の書類は、その日の終わり(または翌朝)に、トレイAから別のトレイBに移します。こうすることで、トレイBは翌日1日の仕事のクローズ・リストになります。

今日、新たに届いた書類は、トレイAに入れるだけですから、トレイBのクローズ・リストの処理中に、新しい仕事に振り回されることはありません。(158ページより)

メールや留守番電話と同様に、「今日中に処理が必要な書類がないか」のチェックだけは忘れるべからず。「明日やる」を原則にして、すばやくチェックすることが大切なのです。(157ページより)

これまで多くの仕事術やタイム・マネジメントの本を読んできたものの、結局はなにも得るものがなかったという方もいらっしゃるかもしれません。しかし本書を参考にすれば、今度こそ、仕事に追われる日々に永遠の別れを告げることができるだろうと著者は記しています。

“なかなかうまくいかない日常”をなんとかしたいと考えているなら、手にとってみてはいかがでしょうか?

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Source: ディスカヴァー・トゥエンティワン