1分見るだけで 頭が劇的によくなる 瞬読式ノート術』(山中恵美子 著、SBクリエイティブ)の著者は、株式会社瞬読という、ちょっと変わった名前の会社の代表。

2003年にそろばん塾を、09年に学習塾SSゼミナールを開校し、学習効果を上げる方法の一環として「速読」を取り入れたのだとか。つまりそれが、本書のタイトルにもなっている「瞬読」へと発展していったわけです。

「瞬読」は本を速いスピードで読む「速読」の一種ですが、それまでに紹介されたさまざまな速読の方法とは全く異なった性質を持っています。

通常の速読では文字を速く読み取るためのトレーニングをしますが、私の提唱する「瞬読」では文字ではなく「書かれている内容をイメージして読み取る」というものです。(「はじめに」より)

慣れないうちはうまくいかないかもしれませんが、「イメージして読み取る」つもりで、一定のスピードでページをめくっているうちに、誰でもできるようになっていくそう。しかも、内容の99%がしっかりと頭に残るのだといいます。

そこで本書では、瞬読した本をアウトプットする方法のひとつとして「瞬読式ノート術」を公開しているわけです。

瞬読式ノート術において重要なポイントは、「自分はどの情報を取捨選択するか」という情報処理能力。さらには「これを表現するとしたら、どんなイメージになるだろう?」と考える習慣をつけることによって、イマジネーションが豊かになるというのです。

そして、イメージ力を鍛えることでとくに顕著な変化として現れてくるのが「右脳の活性化」。イメージ力がキモとなっている瞬読式ノート術は、右脳の発達を促すのに格好の素材だということです。序章「ノートが変われば人生が変わる!」のなかから要点を抜き出してみたいと思います。

「いいノート=きれいなノート」は大きな誤解

ノートをつくることに関しては、「ノートはこうあるべき」といった思い込みを持っている人が多いと著者は指摘しています。その“あるべきイメージ”とは、「きれいなノート」「必要なことをできるだけ克明に書いたノート」など。

ところが、「そのノートは役立っていますか?」と尋ねると、「役に立っているとは思えません」というような答えが返ってくるというのです。

なぜならばそのノートは「こうしなさい」と言われて作ったノートだからです。自分自身の言葉、自分自身がその事柄について抱いたイメージや理解した内容は盛り込まれていません。

つまりそのノートは、自分のノートではなく、「自分以外の誰かの求めに応じて作ったノート」になってしまっているのです。(32ページより)

しかし本来、ノートの書き方には正解も不正解もないはず。正解・不正解はノートの書き方によって決まるのではなく、その人にとって学びが定着し、あとあとまで役に立つかどうかで決まるものだから。

したがって、どれだけ汚かったとしても、他人にとってはどれほどわかりにくかったとしても、自分自身の学びに役立ち、知識を積み上げることに役立つのであれば、そのノートは「正解」だということ。逆にどれだけきれいに書かれてあっても、学びが定着せず役に立たないのであれば「不正解」だということです。

「解釈」「取り込み方」を記憶にとどめるために記すのがノートです。

だから当然、ノートの書き方も人それぞれ異なるはずなのです。

仮に同じ授業、同じセミナーを受け、同じ時間でノートを書いたとしても、その人のそれまでのバックグラウンドによって、書かれた内容は異なったものになるでしょう。(34ページより)

まずは、このことを理解しておく必要がありそうです。(30ページより)

左脳と右脳は働きが異なる

著者は、「こうあらねばならない」という先入観で書かれたノートを「左脳ノート」と呼んでいるのだそうです。

人間の脳は真ん中から右と左の2つに分かれており、右側を右脳、左側を左脳といいます。右脳と左脳の間は脳梁と呼ばれる神経でつながっています。(中略)

脳の働きは複雑で、未だ解明されていない部分がたくさんありますが、言語をつかさどる言語中枢の部位が右利きの人の場合左脳に多く見られるように、左脳と右脳では果たしている役割が異なることがわかっています。(35ページより)

たとえば言語中枢のある左脳はおもに論理的思考をつかさどります。言語や計算などロジカルな思考が求められる場合は、左脳で処理されるわけです。

一方、おもに人間の感情をつかさどり、想像力やイメージを担うのが右脳。外部からの刺激を受け止め、さまざまな感情をつくり出す役割を果たしているのです。(35ページより)

「瞬読」のコンセプトは、「文字をイメージ化して右脳で“見る”」こと

「瞬読式ノート」は、私が考案した「瞬読」と同じコンセプトでできています。

瞬読はその名のとおり「瞬時に読む」ことを意味しており、その点では従来の速読と似ていますが、明確に異なる点があります。

従来の速読は眼球を動かすスピードを上げて速く読むという特徴を持っていますが、瞬読では眼球を素早く動かす必要はありません。

眼球の速い動きではなく、右脳を活用して読むのが特徴です。(56〜57ページより)

眼球の動きは、どれだけ速くしようとしても一定速度以上にはなりません。しかし右脳の潜在的能力は果てしなく大きいもの。つまり瞬読は、そんな右脳のポテンシャルを活かしたメソッドであるということのようです。(56ページより)

瞬読式ノートを書くためにイメージ化を意識するようになると、それまで気づかなかった能力が開花していくのだそうです。本書に沿ってメソッドを吸収していけば、眠っていた能力をフルに活かせるようになるかもしれません。

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Source: SBクリエイティブ