たとえあなたが、いつも善意に溢れた人であったとしても、人生のある時点で誰かの気分をひどく害してしまうことはあります。
どんなに教養があり、意識が高く、優しい人でも、それは人間として避けられないことであり、誰にでも起こることです。
自分に悪気があったのか、さらには、相手が気を悪くしても当然だと思っていたかは関係なく、重要なのはそのあと。
ここでは、誰かの気分を害してしまったあとにやってはいけないこと、そしてやるべきことをお話しします。
1. 謝罪を先延ばしする
まず知っておくべきことは、謝らなければならないということです。
先延ばしにするなど、もってのほか。たとえきまりが悪くても、その状況を長引かせてはいけません。
「相手の反応は大げさすぎる」とか、「これは気分を悪くするようなことではない」などとほのめかすのも良くありません。
迅速で直接的な謝罪が大切ですが、その伝え方も考えましょう。
ニューヨークの広告会社AMWPRの社長を務めるAngela Gorman氏は、このように述べています。
どのような謝罪であっても、誰かの気分を害した人は、「相手の気持ちを理解できること」「自分の言葉が相手を不快にさせたと今は認識していること」「目の前の問題を理解していること」を効果的に示す必要があります。
簡単に言うと、まずその過ちを認めることです。
過ちを認めるために、それに直接言及するべきだと彼女は言います。
そのためにはちゃんと責任を負い、言葉を濁さないことです。
彼女いわく「間違いがありました」というよりも、「私が間違っていました」と言うほうが、自分のミスであることが伝わり、より効果的とのこと。
Gorman氏は、危機管理の「3R」をあげています。
それはつまり、反省する(Regret)、対応する(React)、安心させる(Reassure)という三つのRです。
自分がしたことへの反省の意を表し、それについて話し合い、二度とそれをしないと相手に安心してもらいましょう。そして、その安心のために必要な改善をちゃんと実行しなければなりません。それについて、詳しくは後述します。
2. 言い訳する
過ちを認める上で重要なことは、自分の行動に言い訳をしないことです。
文化的・社会的な盲点があったことを説明したり、なぜ自分が良い精神状態でなかったかを説明するなど、自分の行動を説明するのは構いませんが、自分のしたことを簡単に片付けたり、非難をかわそうとしたりしてはいけません。
Gorman氏はこう言います。
「それは本意ではありませんでした」とか「あの時は大変なストレスを抱えていました」など、言い訳をするような発言は避けてください。
「私の発言に弁解の余地はありませんし、あなたが傷ついていることをとても申し訳なく思います」と言うのが良いでしょう。
3. 今後について話し合わない
誰かの気分を害してしまった状況について、Gorman氏はこのようにアドバイスしています。
自分の行動に失望していること、受けたダメージを修復するためにあらゆる手段を講じることを認め、関係を修復する最善の方法について直接やり取りする手段を用意しましょう。
セレブリティ・パブリシストのAnna Rothschild氏もそれに同意し、「同じ大きな過ちをまた繰り返さないようにするために、何を変えるつもりか説明すること」が重要だと強調しています。
どうすれば相手は気が済むのか、今後どうすればもっと敬意を払えるのかを、直接聞いてみましょう。
さらに、同じ過ちを繰り返さないよう、その問題に関する本を読み込んだり、自分の発言にもっと気をつけたりするなど、必要な変化を起こすことも約束するべきです。
気分を害してしまった相手との関係を強化し、維持するためには、ここで約束したことを実行しなければなりません。
どのような変化が必要かを考えるには、そもそもなぜそのようなことになったのか、なぜ相手が怒っているのかを理解することが必要です。
臨床ディレクターでMy LA Therapyの創立者でもあるBrooke Sprowl氏は、誰かを怒らせてしまったクライアントに対しては、次のように助言すると述べています。
一般的には、まずは相手が傷ついたことに対して共感と理解を示し、そして心から謝りましょう。
相手がなぜ傷ついたのか理解できない場合は、誠実に質問し、関心や、知りたいという気持ちを示すことも有効です。
相手を責めたり、「大げさすぎる」などとほのめかしてはなりません。そうではなく、なぜそのような反応をしているのか、真摯に尋ねてみるのが大事です。
誤解や無知から生じたことかもしれませんが、何が起こったのか、どうすれば二度と起こらないようにできるのかを理解しない限り、本当の解決はありません。
Source: AMWPR,A. Rothschild & Co,My LA Therapy