私たちは、幼いころから話すことを学びます。でも、残念ながら、コミュニケーション術をきちんと教えてもらうことはありません。
人生において、コミュニケーションほど重要で、一生使い続けるものはないのに。
そこで、社交の場での会話を改善したい人や、職場で広く自分のアイデアを伝えたい人のために、コミュ力向上術をお伝えします。
1. ボディランゲージに注意
口では「いつでも話し合おう」と言っておきながら、腕を組んでいたら相手はどう感じるでしょう。話を聞いていると言いながら、携帯やスマホをいじっていたらどうでしょう。
言葉や文字にならない態度が、自分が思うよりも多くを語っていることがよくあります。
会話中のアイコンタクトであれ、ビデオインタビュー中の姿勢であれ、発言するとき以外でもコミュニケーションが続いていることを忘れないでください。
身体を使ってコミュニケーションを改善する不思議な方法があります。
つま先に意識を集中させる、プレゼン前にパワーポーズで自信を高める、相手のボディランゲージを理解する術を身につけるなどの方法です。
2. つなぎ言葉を減らす
スピーチや日常会話において、「えーと」や「あのー」などの言葉は、あまり意味がありません。
説得力を高めるには、そのようなつなぎ言葉を排除して、自信を見せることが大切です。そのための方法として、「えーと」などの言葉を言うたびに記録しておくという方法はいかがでしょう。
話すときにはポケットから手を出す方法や、もっとシンプルに、話す前にリラックスしてひと呼吸置く方法もあります。
それによって生じる沈黙は、あなたが思うほど気まずいものではありませんよ。
3. 会話の練習をする

同僚やあまり知らない人とのコミュニケーションが苦手なら、家族や気心の知れた人を相手に練習してみては。
忌憚のないフィードバックをくれる人が理想的です。発言が少なすぎる、話の内容が個人的、相手を不快にしがちなど、率直な意見をもらいましょう。
4. 世間話用のネタを用意しておく
世間話が得意な人は多くありません。
あまり知らない人との気まずい沈黙は避けられないものですが、あらかじめ計画を練っておくことで、ある程度の対策は可能です。
FORDの法則 (Family:家族、Occupation:仕事、Recreation:娯楽、Dream:夢)を使えば、話題を見つけることができるでしょう。
情報の共有によってお互いの共通項が見つかれば、 退屈な世間話を楽しい会話に変えることだって可能です。
つまり、長い目で見れば、すべての世間話はあなたの幸せにつながる可能性を秘めているのです。
5. ストーリーを語る

ストーリーには力があります。
ストーリーは 脳を活性化させたり、プレゼンテーションを盛り上げたり、あなたの説得力を高めたり、就職面接の合格に一役買ってくれたりします。
Pixarのルールを参考に、素晴らしいストーリーテラーになるための秘訣を身につけてください。また、あなたの語り口に「けれども」を増やすというシンプルな方法もあります。
誰にでも、素晴らしいストーリーが1つはあるものです。
6. 相手に質問を投げかけ、復唱する
誰かの話を聞きながら眠りに落ちてしまったり、聞き間違いをしたことがあるでしょう。
そんな事態を避けるためにも、相手に質問をして、 相手の言葉の最後の何語かを復唱することで、相手の話に興味を持っていることを示すことができます。
また、会話中に油断をしない、誤解を生じやすいポイントを明確にできるなどの効果もあります(例:「つまり、これから土曜日のチケットを買いに行くんだね?」)。
このテクニックは、世間話で気まずい沈黙を埋めるのにも役立ちます。
天気のようなありふれた話題で会話を台無しにするよりも、 相手に質問を投げかけて (例:「夏休みの予定は?」「最近読んだ本は?」など)、答えに集中することを心がけましょう。
自分が興味を持たれることよりも、相手に興味を持つことが大切です。
7. 雑念を振り払う

誰かと話しているときや、一緒の時間を過ごしているはずのときにスマホをいじるのは、極めて失礼です。
雑念を完全に取り払うことやテクノロジーの完全撤廃はできなくても、手を止めて顔を上げるだけでも、双方のコミュニケーションがかなり円滑になるのではないでしょうか。
8. 相手に合わせてメッセージを変える
コミュニケーションが上手な人は、相手に合わせて話し方を変えています。
あなたもきっと、同僚や上司とのコミュニケーションでは、恋人や子ども、お年寄りとの話し方とは違うスタイルを取っているでしょう。
メッセージを伝えるときには、相手の気持ちを常に思いやるように心がけてください。
9. 手短に、でも具体的に
BRIEFという接頭語があります。
メールを簡潔にするためのコツとして「Background(背景)、Reason(理由)、Information(情報)、End(終了)、Follow-up(フォロー)」を略したものです。
この方法は、書き言葉だけでなく、会話にも使えますよ。
また、 コミュニケーションの7つのCも重要。
「Clear(明瞭に)、Concise(簡潔に)、Concrete(具体的に)、Correct(正確に)、Coherent(理路整然と)、Complete(締めくくりに注意)、Courteous(礼儀正しく)」の7つです。
10. 共感力を高める
コミュニケーションは双方向です。 逆の視点に立つ練習をすることで、誠意あるコミュニケーションをしたいときに生じる困難や心配を低減することができます。
(たとえば、恋人が「もう話し疲れた」と言うときの真意を知っておくなど。)
共感力を高めることで、自分のコミュニケーションの言葉にならない部分を理解できるようになります。
これにより、有効な手立てを打つことができるのです。
11. とにかくよく聞く
最後に、コミュニケーションにおいて何よりも大事なことは、 本当の意味で相手の話を聞くこと。
聞くこととはつまり、注意を払い、相手を中断することなく話させることです。
実はこれがけっこう大変なのですが、 「よい会話とは、聞くことと優雅につながった言葉の数々」 なのです。
お互いのコミュニケーションスタイルが合わなくても、 少なくとも同じ方向性を向くことはできるはず。
あとは、相手も同じように、あなたに注意深く耳を傾けてくれることを願いましょう。
――2019年9月4日の記事を再編集のうえ、再掲しています。
訳:堀込泰三
Source: Succeed Socially