朝から仕事をサクサクこなし、ランチが終わった後で「さあ、もうひと頑張りするか」という矢先に起こる「午後の睡魔」。
これを避けようと、筆者はランチをよく抜いていました。
ですが、最近の医学研究によると、ランチを食べたこととその後の眠気は因果関係がないそう。
つまり、よく言われるように「胃腸の活動が優先され、脳に十分な血液が行き渡らない」というのは、根拠がない俗説なのです。
午後の睡魔はランチのせいではなかった
ではなぜ、午後の早い時間帯に、多くの人が眠気に襲われるのか?
これは体内時計による自然な働きです。人間という生き物は、この時間帯に眠くなるよう、体内時計のスイッチが入るわけです。
上記を考慮すると、午後の睡魔の「最強の対策」は、潔く昼寝してしまうこと。
30分以内の昼寝であれば健康上のメリットが大きく、認知症や糖尿病の予防にもなるという研究結果があるほどです。
とはいえ、ほとんどのビジネスパーソンにとって、30分の昼寝はなかなか難しいでしょう。
そこで今回は、午後の睡魔を(カフェインの力を借りずに)撃退する方法をいくつか紹介します。
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1. 炭水化物の摂り過ぎや満腹の状態を避ける
ランチと午後の睡魔は関係ないと話しましたが、実はランチと「倦怠感」は、大いに関係があります。
ここで言う倦怠感とは、眠気はないけれどもソファに横になってしまいたい気持ちのこと。これは、炭水化物をたくさん食べたことによる血糖値の急上昇で起こる現象です。
よって、この倦怠感の予防策の1つは、ラーメンライスといった炭水化物山盛りのランチメニューを避けること。
加えて、満腹になるまで食べず、水はしっかり摂ることです。食べる分量は、午後3時頃に何かを食べたくなるくらいにとどめます。そして午後3時台に、少量の軽食・飲み物を取ります。
こうするだけで、倦怠感はかなり予防できるでしょう。
2. 日頃の睡眠時間の不足を疑う
午後の睡魔は、単なる体内時計の働きというよりも普段の寝不足が関わっている可能性もあります。
現代人の多くは日常的に睡眠時間が足りず、特に日本人は世界で最も睡眠時間が短いという統計データもあるくらいです。
「自分は睡眠時間が短い」という自覚があれば、この際、睡眠の質が高まるとされることを徹底的にやってみると良いでしょう。
よく知られているものに、寝る前にスマホのブルーライトを浴びないというのがありますね。
最近の研究では、ブルーライトそのものよりも、むしろメール・SNSのやりとりを夜遅くまで行なうことで感情が乱され、脳が不必要に活性化することのほうが悪影響が大きいそう。
そういった意味では、寝る前はスマホ、パソコン、テレビをオフにするというのは正解と言えるでしょう。
3. 覚醒作用のあるアロマを活用する
眠気対策として、机上の常備品としてすすめたいのが、エッセンシャルオイルです。
エッセンシャルオイルは、鎮静・リラックス作用があるものについては研究が進んでいますが、その逆の覚醒作用があるものの解明はこれからという印象。
数少ない研究から、ペパーミント、ジャスミン、ローズマリー、ヒノキ、スイートオレンジといったアロマが覚醒作用をもたらすようです。
特にミント系や柑橘類系は、覚醒効果の高さで知られます。
筆者が愛用するのは、Amazonで販売されている「NAGOMI AROMA エッセンシャルオイル お試しセット」。各5ml容量のミニボトルに入った6種類のエッセンシャルオイルです。
何種類かありますが、真正ラベンダー、ペパーミント、ティートゥリー、ユーカリ・グロブルス、グレープフルーツ・ピンク、オレンジ・スイートのアソートを使用。真正ラベンダー以外は、どれも覚醒効果があります。

使い方は至極シンプル。デスクワーク中に睡魔が襲ってきた時、どれか好きなものを1つ選んで蓋を開け、しばらく匂いを嗅ぐだけ。
内容量は5mlしかなくても、この使い方をしている限りかなり長持ちします。
4. 体を動かす(ウォーキングだけでも効果あり)
午後の睡魔の対処法の最後は、「体を動かす」。
運動することの効用は改めてここで述べるほどでもありませんが、あえておすすめしたいのは、ランチは近場で外食するという方法です。
これだと、オフィス(在宅勤務なら自宅)に帰ってくるまでに強制的に歩くことになります。
好みの飲食店が近場にないなら、スーパーで夕食の食材を買う、書店や公園に行くなど、何かしら歩行を伴う用事を行ないましょう。
江戸時代に書かれた健康法の大ロングセラー『養生訓』にも、「食後には、必ず数百歩、歩行すべし」とありますが、真理だと思います。
雨天の場合は、室内で立った状態でする軽めの柔軟体操でもOK。筆者は、筋膜トレーニングをしばしばしています。食後なので、くれぐれも過度な運動はしないように。