自宅の仕事環境に悩みを抱えるライフハッカー[日本版]編集部員・丸山と水野が、実践レクチャーで快適な作業空間の実現に向けて奮闘するミニ連載『ハイブリッドワーク快適片付け術』。

2人が助けを求めたのは、コクヨ社員であり、「オフィス×在宅」ワーク時代の「快適なおうちワークスペース作り」を得意とする整理整頓のプロ、樋口美由紀さん

Vol. 3ではいよいよ、実践的な片付けレクチャーがはじまります。「片付け上手の5つの鉄則」を身につけて、快適な仕事環境を実現していきましょう。

覚えておきたい「片付け上手の5つの鉄則」とは?

前回、片付け上手になるためのヒントとして、「モノと人の関係性を表す4つの領域」を解説してくれた樋口さん。

今回は、実際に片付けを進めるための行動指針として、「5つの鉄則」を伝授してくれました。

鉄則1. 適正量の決定~収納箇所に応じたモノの分量を考える

「家が散らかってきたな」と思った時、すぐに収納グッズを購入していませんか?

樋口さんによると、これはNG。収納スペースを増やすとモノはしまえるけれど、結果的には「プロパティ領域」のモノを増やすことになると話します。

「モノの分量は、今ある収納箇所を基準にして考えるべき。収納分量をスペースの8割程度に抑えることも重要です」(樋口さん、以下同)

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Before

写真提供:コクヨ
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After

写真提供:コクヨ
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Before

写真提供:コクヨ
写真提供:コクヨ

After

写真提供:コクヨ
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  • Before:クローゼットいっぱいに洋服がつまっていて、見た目も悪く出しづらい。
  • After:収納分量を全体の80%に抑えることで、見た目もすっきり、出しやすく。

上の写真は、過去に樋口さんがレクチャーした生徒さんのクローゼット。Afterの状態なら、しまいやすく出すのも簡単ですね。

鉄則2. 動作・動線に適った収納

「収納する時は動作・動線に適った場所にモノを置くと、使う際の工数が減って時短につながります」

Image: Shutterstock
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たとえばキッチンでは、コンロ下にはフライパンや調味料を、シンク下には水を入れて使う鍋を収納するなど、動作・動線を考えて収納を組み立てていきます。

この考え方を、仕事環境にも応用していきましょう。

鉄則3. 使用頻度別収納

情報提供: ハウスキーピング協会
情報提供: ハウスキーピング協会
Image: ライフハッカー[日本版]編集部 via Canva

使用頻度によって、縦のラインでモノの場所を決めていきましょう

立ったままで手が届く『ワークゾーン』は、使用頻度の高いモノをしまって『使う』ための場所。

その上下の『ストックゾーン』は、使用頻度の低いモノを『保存・保管』するための場所とします」

さらに、「ワークゾーン」は「アイエリア」「ハンドエリア」の2つに分けていきます。

「アイエリア」は仕事中にパッと取り出して使いたいものを、「ハンドエリア」は普段使いの道具で、毎日の仕事に欠かせないものを収納しましょう。

鉄則4. グルーピングの効果

「一見、部屋がきれいに片付いていても、仕事用のモノがあちこちにおいてあるとすぐに作業がはじめられません。

1回で目的の行動に取りかかれるよう、モノをグルーピング(同じ用途のものを組み分けする)して必要なアクションを減らしましょう

写真提供:コクヨ
写真提供:コクヨ
  • Before:テキスト、ノートPCなどが部屋のあちこちに置いてあり、見た目も悪く、勉強開始へのアクション数も多い。
  • After:勉強グッズをグルーピング収納し、クローゼットの空いた空間をボックスの定位置とした。

上の写真は、樋口さんの過去のレクチャー時のBefore&After例。

仕事や勉強に必要なモノをグルーピングして収納しておけば、開始前に必要なものをかき集めてバタバタすることもなく、終了後の片付けもあっという間。

こうして生まれた隙間時間を有効活用することもできるはず。

鉄則5. 定位置管理とラベリング

Image: Shutterstock
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モノの定位置を決め、ラベルシールなどで収納の中身を分かりやすく表示しておけば、必要なモノをすぐに見つけることができます。

これなら出し入れの際に迷わないだけでなく、いちいち家族に「あれはどこ?」と聞かれなくなりそうです。

「モノの住所を決めてラベリングすることで、誰もが管理しやすい収納になります。

ストックが少なくなってきた時に、お互いに注意し合えるのもメリットです」

コクヨの樋口さんが教える「ハイブリッドワーク快適片付け術」。

ここまで、モノを4つの領域に当てはめて分類し、「5つの鉄則」に従って収納していくという全体的な流れを伺ってきました。

次回からは、樋口さんのメソッドを実践し、片付けにチャレンジしたライフハッカー[日本版]編集部員・丸山、水野のその後を大公開!

2人の課題は解決した? 「その場しのぎ」の片付けになっていない? 2人の奮闘をぜひ見届けてください。

お話を伺った人:樋口美由紀

お話を伺った人:樋口美由紀

コクヨ株式会社 ワークスタイルコンサルタント/整理収納アドバイザー1級。

「オフィス×在宅」ワーク時代の「快適なおうちワークスペース作り」をテーマにワークショップを多数実施。コクヨのニューオフィス「THE CAMPUS」のカイゼンファシリテーターとしてオフィスのカイゼン活動にも携わっている。

整理整頓のプロに聞く「ハイブリッドワーク快適片付け術」~編集部のモヤモヤ編|Vol. 1 | ライフハッカー[日本版]

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持ち物が増え続けていく…片付け前に考えるべきモノの「4つの領域」とは?|Vol. 2 | ライフハッカー[日本版]

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取材協力: コクヨ / 監修: 特定非営利活動法人・一般社団法人ハウスキーピング協会理事長 澤一良先生