自宅の仕事環境に悩みを抱えるライフハッカー[日本版]編集部員・丸山と水野が、実践レクチャーで快適な作業空間の実現に向けて奮闘するミニ連載『ハイブリッドワーク快適片付け術』。
2人が助けを求めたのは、コクヨ社員であり、「オフィス×在宅」ワーク時代の「快適なおうちワークスペース作り」を得意とする整理整頓のプロ、樋口美由紀さん。
Vol. 2では、増え続けるモノと理想的な関係を築くための考え方を、整理収納アドバイザーを輩出する特定非営利活動法人・一般社団法人ハウスキーピング協会のメソッドを基に教えてもらいました。
モノと人との関係性を表す「4つの領域 」
すっきり整った家を保つ方法として、「1つ買ったら1つ捨てる」がコツだという話をよく聞きます。それぐらいのルールをつくっておかないと、家にモノが溢れてしまうのが現実。
一体どうしたら、自分にとって本当に必要なモノを見極め、モノと理想的な関係を築くことができるのでしょうか?
樋口さんによると、実は身の回りにあるモノは、4つの領域にわけることができるそう。

1. アクティブ領域
きちんと役割が決まって活用されているモノ。登場回数が多く、“モノと人の関係が最も活性化している”ゾーン。
例:毎日使うバッグ、お気に入りの服など。
2. スタンバイ領域
いつでもすぐ使えるよう待機しているモノ。毎日使うモノから、年に1回程度使うモノまで、すぐ使えるように置く場所が決まっている。
例:クリスマスツリー、来客用のスリッパなど。
3. プロパティ領域
ただ持っているだけのモノ。持っていることを忘れていることも多い。いざ使おうとする時、探さなければならない。
例:押し入れの奥にある箱の中身や、“いつか使うかもしれない”モノ、ベッドの上に山積みになった洋服など。
4. スクラップ領域
壊れているモノ(廃棄を待つのみ)。もう使えないけれど思い出があって捨てられないモノも含む。
例:欠けたお皿、破れた靴下、子どものおもちゃ・服など。
「このうち、アクティブ&スタンバイ領域に入っていれば『管理できているモノ』。プロパティ&スクラップ領域に入っていれば『管理できていないモノ』になります。
性格や暮らし方によってどの領域のウェイトが大きいかは分かれてきますが、『プロパティ領域が多い』というのが一般的な傾向。
まずは『アクティブ領域』『スタンバイ領域』の割合を高めることが、モノとの理想的な関係を築く第一歩です」(樋口さん)
モノが身の回りに増えてくると、4つの領域が全体的に増えるのではなく、「プロパティ領域」が増えてくるとのこと。
つまり、モノの量が多ければ多いほど、人が管理して活用することは難しくなっていくのです。
やってみよう:仕事関係のモノを「4つの領域」に振り分ける
「プロパティ領域を攻略できれば、片付け上手になれる」と樋口さん。
まずは仕事関係のグッズや書類を、4つの領域に振り分けてみましょう。
考え方のポイント
- アクティブ領域:自分がよく使っているもの。すぐに取り出せるもの
- スタンバイ領域:人に言われてすぐ出せるもの。使う時期を把握してしまってあるもの
- プロパティ領域:あまり使っていないもの。使う予定のないもの。どこにあるかわからないもの
- スクラップ領域:壊れているもの。だけどまだ持っているもの

上の図は、過去に樋口さんがレクチャーした生徒さんの振り分け例。できるだけ具体的に、オフィスや自宅で使っている現物を当てはめてみてください。
次回は、より具体的な片付けの流れ「片付け上手の5つの鉄則」をご紹介。必修したら片付け上手になるまであともう一歩です! 次回更新をお楽しみに。
▼Vol. 1はこちら
お話を伺った人:樋口美由紀

コクヨ株式会社 ワークスタイルコンサルタント/整理収納アドバイザー1級。
「オフィス×在宅」ワーク時代の「快適なおうちワークスペース作り」をテーマにワークショップを多数実施。コクヨのニューオフィス「THE CAMPUS」のカイゼンファシリテーターとしてオフィスのカイゼン活動にも携わっている。
取材協力: コクヨ / 監修: 特定非営利活動法人・一般社団法人ハウスキーピング協会理事長 澤一良先生