手が滑ってCapsLockを押してしまってイラっとしたこと、ありませんか? このキー、ほとんど使うことがないし、実際、なくしてしまおうという案も何度も出されています(グーグル社の新型Chromebookには既についていない)。
MacのCapsLock、役に立たないばかりでなく、全大文字で入力してしまって怒りっぽい人と誤解されたりするだけ煩わしい…と決めつける前に、便利な使い道をご紹介しましょう。
そもそもパソコンにCapsLockがあるのは何故?
CapsLockが実用的だった時代もあるのです。コンピュータが発明される前、タイプライターにはシフトキーを物理的に固定できるシフトロックキーがあり、大文字やキーの上段の特殊文字を打ち続けるのに便利だったのです。
キーを2つ同時に押すのがやりにくかった頃には便利だったのは確かですが、近代のパソコンのキーボードではあまり意味がないと言えましょう。
理由その1、近代のCapsLockは、大文字入力には使えても、キー上段の特殊文字には対応していません。
理由その2、タイプライターとは異なり、現代のキーボードを打つのには大して指の力が要りません。普通に指が使える人なら、シフトキーと大文字変換したい文字を難なく同時に押すことができます。また、(意図的に)全大文字で打つ機会もほとんどありません。
最近では、CapsLockは、便利というよりは、むしろ邪魔なだけのキーに成り下がっているのです。ただし、Macでなら簡単に便利な機能を持たせることもできます。
MacでCapsLockの動作を変える方法
まず、「システム環境設定」>「キーボード」を開き、「修飾キー」を選択します。
ここには、キーボードのうち、動作を変更することのできるキーがいくつか表示されていますが、なかでも一番注目すべきはCapsLockです。CapsLockのドロップダウンメニューをクリックすると、割り当て可能な以下の動作が表示されます:
- CapsLock
- Control
- Option
- Command
- Escape
- 地球儀キー
- アクションなし
選択肢のうち、Escapeを割り当てるのがベストだと私は思います。私がキーの割り当て機能を初めて知ったのも、購入したMacBook ProにEscapeがなかったからでした。使い道のなかったCapsLockをEscapeに転用することで、不便を1つ解消できました。
最近のMacBook(およびBluetooth Magic Keyboard)には物理的なEscapeキーがついていることがほとんどなので、追加でEscapeを割り当てる必要性はないでしょう。
その場合は、別の動作を割り当てる方法もありますが、Command、Optionキーはそれぞれ2つ、Controlは1つですがCapsLockと同じ側にすでにある状態ではそれすら余分なので、あまり意味がないかもしれません。
この場合、CapsLockのドロップダウンメニューから「アクションなし」を選択し、何もしないように設定するのがおすすめです。
こうしてCapsLockは、昔使われていたものの無用の長物となり、博物館にひっそり陳列されているようなアイテムになるのです。(これって、冒頭でお約束したようなお役立ち情報になっているでしょうか。誤って全大文字で打ってしまわないというのもメリットですよね。)
とは言え、最終的に決めるのはあなたです。この設定を使ってキーをさまざまな動作に割り当てることで、いろんなケースに対処することができます。
Escapeキーを5個設定したいというなら、それも結構。キーに書いてあるのとは異なる動作をそれぞれに割り当てたいなら、それもご自由に。
どんな動作を割り当てたとしても、そのつもりがなかったのに全大文字で書いてしまって「CapsLockになっていました。失礼。」と申し訳なさそうにあとから訂正を入れるよりはずっとましですから。