コンピューターの大事なアクセサリーであるマウス。でも、マウスに配慮せず、手首や腕が痛くなっている人も大勢います。
忙しい1日の終わりに手が痛むようなら、マウスの使い方を見直すべきかもしれません。
マウスをもっと快適に使える方法を探っていきましょう。
1. マウスのサイズを考慮する
オンラインで購入する時に、画像からマウスのサイズが自分の手に合っているかを判断するのは容易ではありません。届いたマウスが大きすぎたり小さすぎたりする可能性があります。
今使っているマウスで手が痛くなっているなら、大きめか小さめか、違うサイズのマウスにアップグレードしてみてください。値段が張ったとしても、手の痛みが軽減されるなら価値はあります。
2. マウスの持ち方を変えてみる

手のサイズに合ったマウスが選べたら、次はそれをきちんと持つ番です。
まず、マウスを動かす時に手首がデスクに触れないようにします。
手首がデスクに当たるなら、マウスのボタンをクリックする時に指を上方へ曲げなければならず、指に余計な負担がかかります。
また、マウスを握る力にも注意しましょう。特に、夢中でゲームをしている時など、無意識のうちにマウスを強く握っているかもしれません。それに気づいたら、マウスを軽く持つようにしましょう。
3. マウスのDPIレベルを調節する

高精度のマウスの中には、切り替えできる「1インチ(2.5cm)あたりのドット数」(DPI)設定が付いているものがあります。
DPIを調整してカーソルを移動させる時にマウスをそれほど動かさなくてもすむように、マウスを微調整することが可能です。
DPIは、1インチの動きに対する画面上のカーソルの移動距離をマウスに指示します。DPI数は、1インチの手の動きに対してカーソルが移動するピクセル数を意味します。
たとえば、マウスの設定が800DPIの場合、カーソルを画面上で800ピクセル移動させるにはマウスを1インチ動かさなければならないということです。
1600DPIなら、カーソルは画面上で1600ピクセル、つまり800DPIの2倍の距離を移動します。
マウスに切り替え可能なDPIがあるかどうか確認しましょう。あるとすれば、マウスのソフトウェアか、マウス本体にDPIオプションボタンがついているはずです。
DPIが高くなるほど、カーソルの感度も高くなります。
カーソルを移動するのにマウスをあちこちに動かしてるような状況なら、DPIの数値を増やすか、切り替え可能なDPIオプションを利用します。
そうすれば、手の動きが小さくても画面上で大きな操作ができるようになります。
4. スクロールの速度を変えてみる
オンラインで長い記事を読むたびに指の骨まで痛くなるようなら、スクロールホイールの感度を調整してみることもできます。
感度を上げると、指の動きだけでも長い距離をスクロールすることが可能になります。
詳細が知りたい人は、Windows 10でスクロールの速度を変える方法をご覧ください。
5. リストレストをやめてみる
リストレストを使わないことが痛みを軽減するなんて、と疑問を感じる人もいるかもしれませんが、これは科学的に証明されています。カナダ労働安全衛生センターによれば次のとおり。
手首をリストレストまたはデスクの端に長時間傾けていると、手首の下側に大きな圧力がかかる可能性があることが知られています。
この圧力により、手根管症候群(CTS)が発症する可能性があります。その一方で、リストレストが首と肩の緊張を和らげることを示す証拠もあります。
ということで、リストレストを使っているのに手根管症候群の症状があるようなら、リストレストは使わないほうがいいでしょう。デスクから手を離してマウスを使います。
6. マウスを置く位置を考える
マウスを無理なく正しく使うということでは、マウスを置く位置も重要です。
グランドバレー州立大学によれば、次のとおり。
マウスを置いている表面に手首や前腕を置かないように。
腕と肩全体を使って、より大きくて強い筋肉でマウスを動かすようにします。
同大学は、コンピューターを使用する時には上腕体の位置は体の脇にして、腕の角度は90度にすることをすすめています。
マウスの置き場所が変えられないなら、デスクを変えたり椅子の高さを変えたりなど、他の部分をカスタマイズします。
また、何かを夢中でやっている時の自分の姿勢もチェックしましょう。姿勢を良くするためのアプリを利用するのも、座り方を改善するために役立ちます。
7. マウスを冷たい手で使わない
手の筋肉のけいれんを防ぐために、手が温かい時にマウスを使うほうがいいでしょう。手が冷えた状態だと、筋肉が固まって、痛みが増す傾向があります。
一番簡単な解決策は、暖房の効いた部屋などの暖かい環境でマウスを使うことです。屋外やカフェで仕事をしていると風が吹き込んだりして、それが難しいこともあります。
そんな時には、手袋を着用して熱を逃がさないようにします。ハンドウォーマー付きUSBマウスパッドを使ってもいいですね。
快適なマウスが重要な理由
手を快適に保つことは、単なるぜいたくではないのです。コンピューター周辺機器を長期間使用すると、反復運動過多損傷(RSI)が生じる可能性があります。
RSIは、筋肉と腱が緊張を引き起こすまでタスクが繰り返された時に起こります。RSIを防ぐには、タスクの負担を軽減することと、頻繁に休憩を取ることの2つの方法があります。
マウスにこだわりを
マウスを快適に使うことは、気持ちの面だけではなく、手首の健康に不可欠です。これで、手の健康を保ちつつマウスを使う方法がおわかりいただけたと思います。
今使っているマウスがイマイチなら、交換する潮時かもしれません。
でも、Amazonでトップに表示されるものをあわてて買うのではなく、人間工学に基づいたマウスなどいろいろな可能性を検討してじっくり選んでください。
――2020年11月18日の記事を再編集のうえ、再掲しています。
訳: ぬえよしこ
Original Article: How to Configure Your Mouse For Comfort by MakeUseOf