ウォーレン・バフェットは、自身のキャリアを含むキャリア形成において、メンターシップが果たす重要性を繰り返し述べています。
バフェットにとってコロンビア大学時代に、教師およびメンターとしてベンジャミン・グレアムから指導を受けられたことは幸運でした。グレアム著「証券分析」の序文でバフェットは、グレアムが「私の人生を変えた」と書いているほどです。
ほかにもバフェットは、「適材がいる周囲の環境によって成功が左右される」と常に教えてきました。このようにバフェットは言います。
共同経営者には、あなたより良い行動を取る者を選べば、あなたもその方向に進んでいく。
これは成功者のやり方を私たちの人生に取り入れるうえで、すばらしい教訓です。実行すれば、影響力と人脈が広がるでしょう。
有名なことわざに「あなたが、もっとも多くの時間を共にした5人の人間の平均が、あなたという人間である」というものがあります。
新たなことを学び、成長し、キャリアを前進させるためには、潜在的に助けてくれる人とつながらなくてはなりません。
バフェットの助言を職場に取り入れる
バフェットの助言は個人的な成長に役立ちますが、今回は組織レベルの成長に引き上げてお話ししましょう。
組織におけるメンターシップ
リーダーは現在実行中の戦略の一部として、メンターシップを取り入れることにより従業員を成長させるべきです。
メンターシップを職場に取り入れると、皆がスキルを伸ばし、社会的なつながりを広げて新たな扉を開き、広がった人脈から認知度を高めるチャンスを手に入れることができます。
ただし、メンターシップは毎月定例のランチや、形式的な契約ではありません。
あなたにインスピレーションを与え、あなたに投資し、一緒に仕事をしてくれるような人が近くにいること、それがメンターシップです。
ここが難しいところ。
メンターシップの実情
フェニックス大学が、全米の5000人の従業員と500人の雇用者に対して調査を行ったキャリア楽観主義指数によると、雇用者側の91%は「従業員には職業人生を支援してくれる人がいる」と思っていますが、実際のところ従業員側は63%しか同意していません。
フェニックス大学学長のジョン・ウッズはこのように述べています。
雇用者は職場で公式・非公式のメンターシップの機会を提供することでこのギャップを埋めることができます。
支援システムを構築し、メンターシップを奨励し、仲間同士の支援を可能にすることが重要でしょう。それによりつながりを育むからです。
従業員が互いや組織とつながっていると感じるとき、学んだり成長しているときには、それが帰属感をつくり出し、従業員の仕事に対する情熱や定着をもたらします。
事務所への出勤再開に向けて移行中であれば、メンターシッププログラムの実施は、従業員に事務所へ出勤するよう働きかけるとともに、若手社員がキャリアを通してつながりを構築するようにするうえで非常に重要です。
有能なリーダーのメンターシップ
最後に、グレートリセットのさなかに社員が辞めないようにするため、これを覚えておいてください。
有能なリーダーは単に「管理する」のではなく、一対一の会話を指導およびコーチングの継続的機会として活用しています。
このようなリーダーは強力な問いかけをして学習を加速させるとともに、従業員に新しい役割を担わせることで成長させることに時間をかけます。
これこそが、成長して強みを構築し続けるために、最近の優秀な従業員が望んでいることです。
Source: Amazon, University of Phoenix
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