テイラー・スウィフトは、数々の賞を手にしてきました。
グラミー賞を12回、プライムタイム・エミー賞を1回、そして聞いたこともないような賞も数百回受賞しています。
そして最近、ニューヨーク大学が彼女に名誉博士号を授与したのです。卒業式で、スウィフトは卒業生たちに20分間のスピーチを行い、その中で自ら「ライフハック」と呼ぶものについて語りました。
テイラー・スウィフトのスピーチ
『ビルボード』誌がスピーチ全文の書き起こしを公開しましたが、間違いなく読む価値があるものです。その一部を紹介します。
「私のキャリアが間違いを犯さなければ、アメリカの子どもたちはみんな完璧な天使に育つ」というメッセージを吹き込まれながら私は大人になりました。
しかし、もし失敗したら、地球全体が地軸から外れて、すべて私の責任となり、私は永遠にポップスター刑務所に入ることになるのです。
この中心にあるのは、「間違いは失敗と同じこと」であり究極的には「間違いは、幸せな、実りのある人生を送ることができるチャンスを失うことだ」ということです。
彼女はスピーチの中で、誰もがあきらめたくなるような、ありとあらゆる状況について語りました。失望、孤独、そして間違いを犯すことの代償について話したのです。
本当に正直になれば、共感できますよね。つまり、確かに「ティーンエイジャーのカントリーミュージック・スターであること」については、ほとんどの人にとってまったく共感できないことがたくさんあります。
しかし、誰しも、ばかなことをします。へまもするし、物も壊します。人を傷つけ、誤った決断をし、危険を冒し、時には失敗もします。あるいは、一見そう思えます。
スウィフトが言いたいのは、「間違いは失敗と同じではない」ということです。もし同じだとすれば、それは自分がそうさせているからにほかなりません。
これに反して、間違いを通じて成功の仕方を学ぶ、ということがよくあります。そうして自分の能力の限界を知り、それを押し広げる方法を見出すのです。
人生をよくするものは、選択するということ
重要なのは(これこそが大切なのですが)、「スウィフトが選択をした」ということです。間違いから人生で最良のものへと繋がる道を歩むことは、選択なのです。
これこそ、必要としている人がいる言葉なのかもしれません。重要なのは完璧であることではなく、自分にとっての次の一歩なのです。もし間違った一歩を進んだら、その足を上げて別の一歩を踏み出します。そしてさらに一歩を。
やがて、自分の道が見えます。やがて、自分の考えが現実のものになります。最終的には正しい一歩が見つかり、うまくいくのです。
ただし、間違いに飲み込まれてしまわなければの話です。
そうなると、自信を失って自分の足をどこに置けばいいのかわからなくなり、一歩も踏み出さなくなってしまいます。そうではなく、間違いから学ぶのです。
あるいは、自分より先に間違いを経験したことがあり、助けてくれる人を見つけるのです。スウィフトはこう言っています。
あらゆる選択が次の選択に繋がり、それがまた次の選択へと繋がっていきますが、どの道を進めばいいのか、わからないこともありますよね。人生には、自分のために立ち上がる必要がある時があります。
引き下がって謝るのが正しい時。闘うのが正しい時、逃げ出すのが正しい時。全力でしがみつくべき時や、潔く手放すべき時。時には、進歩や改革の名の下に古い考え方を捨てることが正しい時もあります。
先人たちの知恵に耳を傾けることが正しい時もあります。こうした重要な瞬間に、何が正しい選択なのか、どうやったらわかるのでしょうか?それは、わからないのです。
それでいいのです。おそらく、何度かは間違えるものです。そして、それが人生で最良の部分になってくれるかもしれないのです。
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