「知能指数(intelligence quotient:IQ)」という言葉は、聞いたことがありますよね。

頭の良さを計るものさしとしては、あまり当てにならないことを知っている人もいるかもしれません。

では、「好感指数(likability quotient:LQ)」は知っていますか?

適切な手順を踏んでこの指数を上げれば、あなたも人からもっと好かれるようになるかもしれませんよ。

「好感指数:LQ」とは何か?

心の知能指数(EQ)の専門家であるHendrie Weisinger博士は2015年、LQに関する文章を「Psychology Today」で掲載し、人から好感をもたれることは「人生のすべての領域における成功の強力な予測因子」だと解説しました。

簡単に言うと、あなたが人からどれだけ好かれているかが、友情や恋愛、仕事、家族関係の成功に直接影響を及ぼしうるということ。

ここで言う「指数」とは、あなたの好感度に対する評価です。

「人があなたをどのように扱っているか」「あなたとどのように接しているか」という点から、おおよその評価を下すことができます。

Weisinger博士は、パーティーに招待されることや昇進することを、その人の好感度とそれに関係する成功のインディケーターに用いています。

でもここでは、あなたとまわりの人がどんな関わり方をしているかを考えてみましょう。

兄弟は定期的に電話をかけてきて、近況を教えてくれますか? 友だちはあなたを信頼して秘密を打ち明けたり、大事なイベントに招待したりしてくれますか? 有意義で深い恋愛をしていますか?

もしそうなら、好感指数は高いと自信を持っていいでしょう。

LQを高める「魅力の法則」

Weisinger博士の記事によると、LQを高めたいなら、「ユーモアのセンス」と「人の話を聞くスキル」を磨くといいそうです。この2つは、確かにとても効果的です。

ただ、それ以外にも、試せることはいくつかあります。

元FBI行動アナリストのJack Schafter博士は、2022年6月半ばにWeisinger博士のヒントをさらに発展させる内容の文章をPsychology Todayに掲載

Weisinger博士はそのなかで、次のような「魅力の法則」に注目してみることをすすめています。

類似性の法則

ものの考え方や興味の対象が似ている人同士は、結びつく傾向があります。

人から好かれたければ、自分はどのグループにアピールしたいのか、そのグループの人たちの関心事は自分のものと同じかどうかを考えてみてください。

あなたと共通点がある人たちからのほうが好かれやすいでしょう。

誤帰属の法則

Schafter博士によれば、人は楽しんでいる時、その楽しい気分を、その時近くにいる人に関連づける傾向(=誤帰属)があるそうです。

ジムにいる時であれ、オフィスのハッピーアワーであれ、楽しんでいる人たち、エンドルフィンを分泌させている人たちに囲まれていると、その楽しいひと時と結びつけられることで、あなたの好感指数はきっと上昇するはずです。

好奇心の法則

ほかの人の好奇心をかきたてるような振る舞いをすると、あなたと交流して自分の好奇心を満たしたいと思ってもらえる確率が大幅に上昇します。

このようにSchafter氏は述べています。

珍しがられるような、自分だけの経験を語ってみましょう。現在とはまるで違う環境で育ったとか、大学で風変わりな研究していたといったユニークな話題で、彼らの好奇心を刺激しましょう。

自己開示の法則

人と接する時には、見せかけではない、ありのままの自分をさらけ出しましょう。これが、人との強い絆の形成に役立ちます。

人は、相手が誠実なら、自分も心を開いてその相手と仲良くなりたいと自然に思うからです。

あなたが心を開けば、相手もきっとそうしてくれるはず。そうすれば、本物の絆が生まれるでしょう。

ユーモアの法則

これについては言うまでもないでしょう。

面白い人はみんなから好かれます。怖がらないで、自分のまぬけな一面をどんどん披露しましょう。

品薄感の法則

誘いを受けても、すぐにほいほい乗るのはやめましょう。

これは「好奇心の法則」にも関係してくることですが、人と接する時には、「もっと会いたい」「もっと話をしたい」と相手が思うような印象を残すのが得策です。

それが、その人があなたを求める動機になります。誘ってほしそうな顔をするのはやめて、自分が引く手数多であることをアピールしましょう。

オープンな人であること。面白い人であること。自分を偽ったり、物欲しそうにしたりしないこと。

LQを高めたければ、これらの基本を心がけましょう。人気者になる覚悟をしておいてくださいね。

Source: Psychology Today(1, 2)