快適な労働環境に欠かせないのが「良い上司」。
自分の得意分野と苦手分野を理解したうえで適切にサポートしてくれて、何かあったら矢面に立って守ってくれる。
普段はバリバリ働くけれど、時には人間らしい一面も…そんな上司って理想じゃないですか?
そんな人のもとで働きたいし、自分が人の上に立つ時にはそんな風になりたいと考える人は多いでしょう。でも具体的にどうすれば…?
そこで、今回は映画に登場する「良い上司」を紹介します。おしゃれでオープンな環境でバリバリ働く若手ベンチャー社長から、類まれなるカリスマ性で部下を引っ張るリーダーまでピックアップしてみました。
目次
- 器が広く、新しい価値観にオープンな上司
- メンバーを理解し、チームビルディングに長けた上司
- どっしりと構えた、頼もしい上司
- プロジェクトリーダーの仕事とは
- 圧倒的なリーダーシップでチームを率いる上司
- 創造性に富み、必要なものを見極められる上司
- 部下の能力や結果を正当に評価できる上司
1. 器が広く、新しい価値観にオープンな上司
『マイ・インターン』:ジュールズ
シニア・インターンのベン(ロバート・デ・ニーロ演)を受け入れた、若手ベンチャー企業の社長・ジュールズ(アン・ハサウェイ演)。
彼女は高齢者に苦手意識を持ちつつも、聞く耳を持っているために、ベンの人柄の良さと実力を認めて頼りにします。
若い成功者は昔のやり方を否定することもありますが、ジュールズは新しい価値観や技術を大切にしながらもオープンな姿勢を持つ上司です。
会社とプライベートをより良くするために大切なことは何かを第一に考え、プライドや固定概念にとらわれず、他者を受け入れることが重要だと感じているのでしょう。
2. メンバーを理解し、チームビルディングに長けた上司
『チャーリーズ・エンジェル』:チャーリー
チャーリー探偵事務所の運営者であるチャーリー(ジョン・フォーサイス演)。
3人の探偵とマネージャーを雇う一方、コミュニケーションは音声のみ。姿さえ見せない徹底したテレワークを貫きます。
部下と直接コミュニケーションをとらずとも信頼関係を築けている秘訣は、完璧なチームづくりと徹底したサポートにあるのではないでしょうか。
メンバーの得意分野を把握し、3人が揃った時にどんな動きをするかを想定して採用。
また、現場に赴くのではなく一歩引いているからこそ、俯瞰した状況把握を徹底し、トラブルが発生したらすぐに対応。さらにメンバーが快適に働けるようにサポート。
姿は見せずとも、チームの一員として仕事をしてくれている安心感があります。
3. どっしりと構えた、頼もしい上司
『シン・ゴジラ』:里見祐介
内閣総理大臣の事故死を受けて、内閣総理大臣臨時代理に就任した里見祐介(平泉成演)は、「腹の中が読めない人」と呼ばれるほど飄々としています。
物静かで、時に判断力がないように見えますが、それはどっしりと構えて忍耐強いとも受け取れるでしょう。
未曾有の事態に、人々を引っ張るリーダーシップは発揮しないものの、それは日頃から自分の能力と得意な部分をわかっているから。自分のキャパシティを超える行動は取らないのです。
よく、昇進やプロジェクトを任された瞬間に改革したり、今までと違うフローやパイプラインをつくりたがったりする人もいますが、里見祐介にはそんなことはまったくありません。
一方で、住民に避難命令を下さざるを得ない事態には、市民に生活を捨てさせる難しさを理解しているため、多少作戦に時間がかかったとしても苛立ちを見せません。
トップにはヒーロー像を求めがちですが、こんな上司のもとで働きたいと思う人も多いのでは?
4. 「リーダーの本質」を魅せてくれる上司
『スポットライト 世紀のスクープ』:ロビー
少数先鋭の取材チームのリーダーとして、プロジェクトの動きを俯瞰して把握するロビー(マイケル・キートン演)。
彼は自らもチームの一員として調査や取材を行ないますが、あくまで自分が出ていかなければならない時に限ります。
チームにタスクを振り分け、進捗とスケジュールを管理し、必要に応じて上の人間や取材対象者と話す。編集長に報告すべきこと、報告しないで頃合いを待ったほうが良いことを的確に判断し、最も危険な取材の1つを成功に導きます。
感情のコントロールにも見習うべきところがあります。
追っている事件の悲惨さにより、我を忘れて取り乱したチームの一員が感情を爆発させた時のこと。
ロビーは表情も変えずに静かに言葉に耳を傾け、彼の荒ぶる感情が正義感からくるものだと理解を示しました。また、言葉を遮ることもなく言い終わるまで待っていました。
リーダーとして、チーム1人ひとりの力量と、事件に対する感情移入の度合いを見極め、記事を担当させる人を選ぶ…。
「リーダーとしての仕事はなんだろう?」と思ったら真っ先に観てほしい作品です。
5. 圧倒的なリーダーシップでチームを率いる上司
『300 〈スリーハンドレッド〉』:レオニダス
100万人のペルシア軍に対して、たった300人で迎え撃ったスパルタ軍。
300人の親衛隊を率いたのは、圧倒的なカリスマ性とリーダーシップを持ったレオニダス(ジェラルド・バトラー演)です。
恨みを買い、裏切りにも遭うものの、命を投げ打ってでもついてきた男たちが300人もいた事実は覆りません。
彼が人々から慕われていたのは、自分が先頭に立って行動している点と、説得力のあるスピーチ。人は、自分のために体を張ってくれる上司やリーダーの背中を見ると、ついていこうと思うものです。
ただ彼の失敗は、自分の命はもとより親衛隊の命も捨てさせてしまったこと。
まあ、当時のスパルタ軍の考えでは戦わずしてペルシア軍の支配下になるよりも、戦って散ったほうが正義だったのですが…。
その点で言うと『トップガン マーヴェリック』でマーヴェリック(トム・クルーズ演)が打ち出した「チームが全員生きて帰れる唯一の危険極まりない難易度の高い作戦」のほうが良いのかもしれません。
6. 創造性に富み、必要なものを見極められる上司
『ビッグ』:マクミラン社長
おもちゃ会社で新商品開発に頭を悩ませるマクラミラン社長(ロバート・ロッジア演)は、平社員(体は大人だけど中身は13歳の男の子、トム・ハンクス演)の豊かなアイデアに惹かれ、ともに新商品の開発をはじめます。
職歴が長くないからダメ! 地位が高くないからダメ! と切り捨てることもできるのに、耳を傾けることができたのは、自分たちのおもちゃづくりに何が欠けているのかを分析できていたからでしょう。
7. 部下の能力や結果を正当に評価できる上司
『エリン・ブロコビッチ』:弁護士エドワード
エドワード(アルバート・フィニー演)は、社会的な信用が低く、言葉遣いも悪いエリン(ジュリア・ロバーツ演)を不本意ながらも雇用しました。
しかし、エリンは持ち前の正義感の強さと記憶力の良さ、リサーチ力の高さで環境汚染の裁判を勝訴に導き、エドワードの弁護士事務所にも多大なる利益をもたらしました。
エリンとエドワードはさまざまな雇用契約と条件を交わしていましたが、エドワードはその条件では貢献度に見合っていないと大幅な見直しをします。
「やりがい搾取」もできたのに、能力と貢献度を正当に評価してボーナスを出すことで、エリンのやる気とより強い忠誠心を勝ち取ったのです。
会社が人材流出に悩む時に、「やりがい」「アットホーム」「楽しい」「心地良い環境」といった言葉を並べて「なぜ人が辞めてしまうのか」と疑問に思いがちですが、雇われる側からすると、残りたくなる大きな理由は「給与」でしょう。
本作には、エリンが給与と待遇を交渉するシーンもあります。給与など条件交渉は多くの人が苦手とするため、参考までに観てみると役に立つ面があるかもしれません。
個人的なベスト上司は…
いろんなタイプの上司がいますが、筆者が憧れているのは『スポットライト 世紀のスクープ』のロビー。
自分のタスクバランスの管理と、徹底した進捗把握と状況判断は芸術の域。管理職の理想が詰まっています。
まあ、筆者はフリーランス。単独で仕事をしているので、目指したところで実行する機会はあまりなさそうですが…。
でも、感情のコントロールなどは、友人間や家族内でも使えそうなテクニックなので参考にしていきたいです。
ちなみにほとんどの作品はAmazon Prime VideoやNetflixで配信されていますよ。ぜひチェックしてみてくださいね。