戦争は、まさに地獄です。そして私たちは今、ウクライナからのニュース映像で、そのことを目に見える形で毎日思い知らされています。さらに、アメリカや世界中でも、ショッキングな事件が起きています。

最新ニュースをチェックするだけでなく、ちょっとリラックスしたくてSNSをスクロールするだけでも、さまざまな画像や映像を目にすることでしょう。

こうした画像や映像の中には、心をかき乱すものもあるはずです

ところが、ショッキングな画像を見た人は、さらにそうしたものを探し続けるパターンに陥る可能性があるそうです

これは、ミシガン州にあるウェイン州立大学の精神医学准教授で、トラウマ(心的外傷)を体験した人たちに関する研究を行なっているArash Javanbakht氏が指摘していることです。

こうした人は、つらい画像から目をそむけてしまうと、状況に対して鈍感になったり、情報が得られなくなったりするかもしれないという恐れを抱いています。

けれども、「もう情報をシャットアウトするしかない」というところまで追い詰められることなく、心をかき乱す画像と向き合っていく方法はある、とJavanbakht准教授は教えてくれました。以下ではそのポイントをご紹介しましょう

目次

1. 一度見れば十分である

2. ニュースをチェックしない時間を設ける

3.子どもには心理的サポートをする

4. 助けを求めることを考える

1. 一度見れば十分である

何かショッキングなものを見たとしても、何度も見返す必要はありません。ほかのアングルから取られた画像や映像を探したり、何が起きたのか、さらなる情報を求めて検索したりしなくても良いのです。

「画像を見た人が苦しい思いをしても、実際に被害に遭った人の苦しみが減るわけではありません」とJavanbakht准教授は、「The Conversation」に寄せた記事に書いています。

それよりも、この問題について自分が本当に求める、あるいは必要としているのはどれほどの情報なのかを良く考え、その基準に達したら、それ以上の情報を集めるのはやめておきましょう

同様に、自分が目にした画像や動画について誰かに話す時も、残虐行為の詳細な描写を相手は聞きたがっていないかもしれない、という点に十分に配慮してください。自分が見た動画のリンクをシェアするなど、もってのほかです。

2. ニュースをチェックしない時間を設ける

ニュース報道やSNSのフィードをチェックするたびに、ショッキングな話題を目にするようであれば、一定のスケジュールを決め、それに従って、チェックする回数を限るという方法も考えてみてください。

最後にニュース記事を読んでから6時間が経ったとしても、それで情報に疎くなることはありません。

どれほどの急展開を見せている事件であっても、次の日の朝にもう一度チェックすれば、その間に起きたことすべてを把握できるはずです

また、ポジティブな要素を探し、目に入った良いニュースを喜ぶことは、まったく問題がありません。むしろ、心の健康のためには良いことでしょう。

ネット上で拡散しているミームを笑ったり、嬉しいことを友達と祝ったりしても、そのことに罪悪感を抱かないでください。そうしたことも、ネガティブな物事と同じように、大事な人生の一部分なのですから。

3. 子どもには心理的サポートをする

子どもがいる人の場合は、親であるみなさんが目にしているのと同じ映像を、子どもたちもある程度見ている可能性が高いでしょう

その場合、子どもたちがそれについて話をしたがるかもしれません。親の側から声をかけ、子どもが受け入られるレベルで会話をするようにしましょう

世の中で今起きている出来事について、子どもに話すためのハウツーについては、米Lifehackerのこちらの記事にまとめられています。

同時に、子どもたちが安心感を得られるかどうかは、周囲の大人の言動にかかっていることを忘れないでください。

たとえネガティブな感情であっても、親が感情を吐き出すこと自体はかまいませんが、実際に思っている以上にきつい表現になっていないか、気をつけてください

4. 助けを求めることを考える

ほかの人々が苦しんでいるのを知って、悲しみや怒り、不安を覚えるのは普通のことですし、これは人間らしい感情です。

たとえ被害に遭った人たちが知り合いでなくても、あなた自身のそうした感情は現実に存在しますし、意味があるものです。

こうした時は、ストレス解消になることを試してみましょう。エクササイズでも、日記をつける習慣でも、何でもかまいません。

さらに、あまりに多くのストレスを抱えて心が悲鳴をあげているなら、セラピストを頼ることも検討してみてください

──2022年5月18日の記事を再編集のうえ、再掲しています。

訳: 長谷睦(ガリレオ)/Source: Wayne State University, The Conversation