デザイナーやフォトグラファー、動画編集を行なうプロフェッショナルなクリエイターが使う、ハイスペックモニター。

「色が正確で、高解像度かつ高価」。そう聞くと、一般的なビジネスパーソンには縁がないと思ってしまいがちです。

しかし、このようなハイスペックモニターは、クリエイター以外の人々にとってもメリットが多数あるんです。では、一体どんなメリットがあるのでしょうか?

今回は、色の精度や解像度に強みを持つBenQのデザイナーモニター「PD2705Uを例に、写真家・映像作家の吉田祥平さんに、クリエイター向けハイスペックモニターを使うメリットについて教えてもらいました。

「クリエイターの目」に近い、信頼に足る色彩表現

デザイナーモニターと銘打たれたPD2705U。その最大の特徴は、「正確な色」です。

デザイナーやクリエイターにとって、モニターに表示される色が正確であることは何よりも重要。PD2705UはsRGBとRec.709の色空間を99%カバーしており、静止画・動画の両方で正確な色再現性を実現しています。

この色域のカバー率が広いことには、どのようなメリットがあるのでしょうか?

「写真の場合、暗い部分から明るい部分へ徐々に変わっていくグラデーションが鮮明に表現されるようになります。

色域が狭いモニターでは、グラデーションが不自然になってしまい、きれいに表現されません。

PD2705Uは色域のカバー率が高く、そうした繊細な表現が自然で、安心して編集などの作業が行なえます」(吉田さん、以下同)

また、PD2705Uは製造時に工場で1台ずつ個別にキャリブレーションが行なわれています

キャリブレーションとは、モニターの色精度を調整する機能。通常、高価な専用機器を使って自身で行なう必要がありますが、それをメーカー側が行なってくれているというのです。

「モニターは、使用していくうちに経年劣化で色彩が変わってしまうもの。そのため、定期的なキャリブレーションが必要です。

ただし、自分が見ているモニターの色が正しいのかどうかは、自分では判断できません

PD2705Uの場合は、メーカーが出荷時にキャリブレーションした状態で届けてくれるので、“信頼に足るモニター”だと言えます。

動画や写真の世界観を左右する色味を調整する際も、正確な色だという信頼感から、ストレスなく作業を進められるでしょう」

そもそも、モニター個別の色のばらつきという問題も存在します。それも、PD2705Uなら悩む必要がなくなるため、購入したらそのまますぐ使えるのも大きなメリットだと吉田さんは語ります。

また、PD2705UにはMacBook ProやMacBook Airと同じ色表現を再現するモード「M-Book」があります。

これを有効にすると、MacBookを接続した時に、内蔵ディスプレイとほぼ同じ色で表示することが可能。これはクリエイターだけではなく、一般ユーザーにとっても恩恵は大きいとのこと。

「MacBookユーザーは、その画面の色味が自分の中の基準になっていることが多いです。

PD2705Uは、より大きな画面でMacBookの色味をそのまま体感できる印象。実際にMacBookの色を忠実に再現してくれていると思います。

カフェではMacBook、家ではPD2705Uと使い分けても、色味が一貫しているので気を遣う必要がなく、違和感も感じないでしょう」

PD2705Uが、一般ユーザーにとってもメリットが大きいと吉田さんが感じる点がもう1つ。

それは、HDR 10に対応していること。より広いコントラストを表現できるため、細部まで忠実に再現できるのです。

「従来のSDRに比べて、HDR 10はより階調表現が自然です。つまり、クリエイターが意図してつくった映像表現を、そのまま再現できるということ。

よりクリエイターの目に近い状態で、写真や動画を楽しめるのは、大きなメリットだと思います」

ディテールを映す「高解像度」。作業効率にも直結

PD2705Uの画面サイズは27インチ、解像度は4K UHD(3840×2160)です。

最近は4K解像度を持つモニターも増えてきていますが、クリエイターにとって高解像度のメリットはどんなところにあるのでしょうか?

「最近はカメラ全般の解像度が上がっていて、正直なところPCモニターではすべてのピクセルを表示することができません。

なので、モニターの解像度が上がれば上がるほど、写真の本当の姿を見ることができます。

PD2705Uのように4K UHDの高解像度であれば、その写真を撮った時=対象物を目にした時のイメージがそのまま投影されることになります」

また、作業上においても高解像度は有利な面があると言います。

「動画編集ソフトを使う場合は、特に大きなモニターが必要なんです。

理由は、ソフト内に表示されるメニューが多く、プレビュー画面がどうしても小さくなってしまうから。

でも、PD2705Uの27インチという大画面と4K UHDという高解像度であれば、必要なメニューを表示させつつ、必要なプレビューの大きさを確保できます

31.5インチのPD3205Uもあるようですが、僕は27インチが丁度いいサイズだと感じました」

もちろん、高解像度という点はビジネスユースでもメリットはたくさんあります。

そのうちの1つが、1画面内に多くのウィンドウを表示できる点。複数のアプリを同時に起動して作業をしたり、表示量の多い表計算ソフトなどを一覧したりする時などは、高解像度モニターの威力が発揮されます。

もちろん、高解像度なので文字の視認性も高くなるため、作業効率のアップ眼の疲れの軽減などにも一役買ってくれるはずです。

あらゆる人に使いやすさをもたらす「PD2705U」の多彩な機能

PD2705Uには、「正確な色」「高解像度」のほかにも特徴があります。吉田さんが実際に使ってみて便利だと感じた機能は何でしょうか?

PD2705Uにはいくつかの特殊モードが用意されていますが、そのなかでも『暗室モード』がおもしろいですね」

「暗室モード」は、画像の明るさとコントラストが自動で調整され、輝度が低い環境でもディティールが鮮明に表示される、フィルムを現像する暗室をイメージしたモードです。

「『暗室モード』にすると、写真の暗い部分をしっかりと見ることができるようになります。

特に最終的な写真の処理をする時は、輝度を下げて暗い部分もしっかり見えるようにすることがあります。その環境をワンタッチで構築できると、作業がスムーズです」

また、先述したモード「M-Book」も大変気に入った様子。

「本当にMacBookの色に近いんですよね。

僕は普段M1 MacBook Airを使っていますが、ほぼ同じ色で表示してくれるのは安心感があります

いつもの色と違うと、迷いが生じて作業がしにくい。MacBookとセットで買ってもいいほどだと思いました」

1つの画面内で2つのモードを同時に表示できる「デュアルビュー」で「暗室モード」を適用。右が「暗室モード」、左が「M-Book」。
1つの画面内で2つのモードを同時に表示できる「デュアルビュー」で「暗室モード」を適用。右が「暗室モード」、左が「M-Book」。

やはり、自分が普段使っているスクリーンと同じ色で表示されるのは、安心感につながるそう。環境が変わっても同じ色味で作業ができることは、ビジネスユーザーにとっても作業効率の安定化に大きく寄与します。

さらに、実際に使ってみて驚いたと話すのが「輝度ムラ補正」機能。これは、工場の製造段階でモニターの表示エリアを数百の区域に分け、色と明るさの両方を細部まで微調整することで、画面全体を均一な表示にするもの。

実際に輝度ムラ補正をONにすると、その差は歴然です。

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輝度ムラ補正OFF。中央は明るく、四隅にかけて暗くなっている。
輝度ムラ補正OFF。中央は明るく、四隅にかけて暗くなっている。
輝度ムラ補正ON。画面の明るさが均一に表示されていることがわかる。
輝度ムラ補正ON。画面の明るさが均一に表示されていることがわかる。
輝度ムラ補正OFF。中央は明るく、四隅にかけて暗くなっている。
輝度ムラ補正OFF。中央は明るく、四隅にかけて暗くなっている。
輝度ムラ補正ON。画面の明るさが均一に表示されていることがわかる。
輝度ムラ補正ON。画面の明るさが均一に表示されていることがわかる。

「今まであまり意識したことはなかったのですが、実際に輝度ムラ補正を有効にすると、こんなにムラがあったのかと驚きました(笑)。

これからはこの機能なしではモニターが使えないかも」

操作面に関してもお気に入りの点がいくつか。

1つめが「ホットキーパック G2」。PD2705Uに付属する専用OSDコントローラーです。

「モニターってインターフェイスが使いにくいものが多いんですよね。

明るさやコントラストを変えたい時、モニター本体のボタン操作だけでは直感的に行なえないことが多くてイライラすることも。

このホットキーパック G2は、好きな機能を割り当ててワンタッチで変更できるので、直感的な操作ができて便利ですね」

たとえば、中央のダイヤルに輝度やコントラスト、音量などを割り当てれば、ダイレクトに数値変更が可能。

また、よく使う画面モードをショートカットボタンに割り当てれば、瞬時にモードを切り替えられます。

「BenQ以外に、専用コントローラーが付いてくるモニターはあまり見たことがありません。これだけでもPD2705Uを選ぶアドバンテージは大きいです」

さらにもう1つが、USB Type-C接続に対応している点。

PD2705Uは、PCとUSB Type-Cケーブル1本で接続・充電の両方が可能。そのため、デスク上に複数のケーブルを這わせる必要がなく、すっきりとした作業スペースの確保を実現できます。

「作業時はさまざまな周辺機器を接続するので、どうしても机の上はケーブルで散乱しがち。

PD2705UはUSB Type-Cケーブル1本でPCの接続から充電まで行なえるので、ケーブルの取り回しがシンプルになりますね」

PD2705Uには、複数のPCを接続する場合1台のキーボードとマウスを切り替えて使用できる「KVMスイッチ」機能も搭載。端子類も豊富でハブポートとしても機能する。
PD2705Uには、複数のPCを接続する場合1台のキーボードとマウスを切り替えて使用できる「KVMスイッチ」機能も搭載。端子類も豊富でハブポートとしても機能する。

ケーブル問題は、一般ユーザーにとっても頭の痛いところ。

しかしPD2705Uならばシンプルにケーブル1本での接続ができるため、ケーブル問題は解消できるでしょう。

画面を縦に回転させて使用することも可能。
画面を縦に回転させて使用することも可能。

そのほかにも、PD2705U90度回転するピボットにも対応。吉田さんは、特に最近のクリエイティブのトレンドも加味しながらこの利点について語ります。

今のSNSでは動画も写真も縦型が主流になりつつあります。

一方、通常の横幅が広い画面環境ではやはり表示が小さくなってしまうので、縦長のクリエイティブの編集は正直好きではありませんでした(笑)。

そうした中、画面一杯に縦表示しながら編集ができるのは、かなり作業効率が上がると感じます」

最後に、吉田さんは、一般のユーザーがPD2705Uのようなプロ向けモニターを使うメリットはどんなところにあると考えているのでしょう?

「色というのは個人の感覚に左右される部分が大きいと思います。言い換えれば、間違った色を正しいと信じ込んで見ている場合も多いということ。

たとえば、映画を見る時に間違った色=クリエイターが意図していない色で見ているとわかったら嫌じゃないですか?

でも、PD2705Uのように、誰もが手軽に正しい色味を手に入れられるのは、表現者にとってもそれを視聴する人たちにとってもメリットは大きいはず。

正しい色味=クリエイターが意図した色味で見ることは、その作品を理解する点でとても重要なことではないでしょうか」

「どれも一緒」ではない。モニターの価値観を変える一台

モニターの表現力は、アウトプットのクオリティに比例する。それはプロアマどちらの立場にとっても言えそうです。

クリエイティブな仕事に携わっている人はもちろん、それらを鑑賞する人、そしてより良い作業環境を求めている人、PCで作業するすべての人にとって、PD2705Uは導入する価値のあるモニターとなるはず。

「モニターなんてどれも一緒でしょ」と思っていた方は、今一度その重要性について考えてみましょう。

きっと、PD2705Uの持つ「正確な色」と「高解像度」、そしてあらゆるシーンで役立つ多彩な機能の真価がわかるはずです。

Source: BenQ(1, 2) / Photo: 吉田祥平