パンデミック後、仕事の世界は変わりました。良い方向に変化した点もある一方で、「大離職時代」を止めることはできませんでした。
2020年から2022年の間、記録的な数の働き手が仕事を辞め、別の雇用主の元で、あるいは独立して働きやすい環境を求めました。
ほかの人たちの動きに従って、現状よりも条件の良さそうな機会を探りたいと思うかもしれません。
でも、ここでは今の仕事に留まることでむしろ報われる可能性がある理由5つをご紹介します。
1. 昇進のチャンスが巡ってくるかも
今の仕事に留まることは、仕事の上で成長することができないということではありません。
今働いている会社で人が辞めれば、回ってくる可能性のある昇進のチャンスは増えます。
競争相手となる同僚が少なくなれば、別の組織でよりも遥かに早く今の組織で昇進を果たし、上級職に就くことができるかもしれません。リスクはゼロで、給与が上がるとともに大きな責任を担えることになるのです。
さらに、特に不安定な時期には、企業は新しい人材を探すよりも社内で登用する可能性が高いでしょう。
この混乱期に今のまま続けることで、頼もしく信用できる人物であることが雇用主にはっきりとわかり、現在の組織で昇進する可能性が以前より高くなるのです。
2. 新しいチームやプロジェクトに異動できるかも
仕事は辞めたくないもののキャリアアップを図りたい人は、この機会を使って新しいチームやプロジェクトに異動するのも良いでしょう。
デスクがいくつも空っぽになり、職場の再編成を余儀なくされるなか、部署異動を提案したり、別のチームやプロジェクトに異動を申し出たりする絶好のタイミングです。
自分が辞めずにいることを雇用主に感謝される可能性が高い今こそ、社内転職に最適な時期です。
つまり、部署異動や、今より上級のプロジェクトに参加することを承認してくれる可能性が高くなるということです。
自発性がむしろ評価され、昇給や待遇アップが得られることになる可能性すらあります。
3. 新しい責任を担うことができるかも
今の仕事に留まることは、必ずしもいつまでも同じ仕事から抜け出せなくなるということではありません。
チームの規模が小さくなっているなか、上司からほかのチームやプロジェクトの応援に参加するよう言われる可能性が高くなっており、昇進を望むのであれば、今より上級の仕事を引き受けるチャンスには飛びつくべきです。
そうすることで新たなスキルを身につけ、新しい同僚と働き、社内でも転職市場でも自分の価値を高める機会となるのです。
職場で今より大きな影響を与え、価値ある新しいスキルを身につけていれば、なくてはならない存在になれるため昇進しやすくなるとともに、現在の職にあっても昇給を求めやすくなります。
あるいは、将来転職活動をすることを決めた場合には履歴書を充実させることができます。
4. 苦手な同僚が転職した
多くの人が、自分の職場が「有害」だと感じる主な理由として、扱いにくい同僚を挙げています。そのため、オフィス仕事からの大量離職は、必ずしも悪いことではないのかもしれません。
扱いにくかったり、衝突を招いたりする同僚がどこかに行ってしまえば、仕事を何倍も楽しめるようになり、オフィスで今よりも良い時間を過ごせるようになるかもしれないのです。
衝突を招く同僚がいなくなれば、会議でも発言しやすくなり、意見を聞いてもらえるようになるかもしれません。また、付き合いの面でももっと進んで参加するようになるかもしれず、そうなれば残った同僚のことをもっと良く知ることができるでしょう。
健康的な職場で働いていると仕事から得られるものが増え、雇用主も働き手から得られるものが増えるのです。
5. 自分の意見が以前より重要視されるようになった
働くチームの規模が小さくなれば、当然1人の意見が持つ重みは増します。
意見を聞いてもらいやすくなるだけでなく、新しいアイデアや提案をしたかったりする場合、人数が少ないほうが承認される可能性がはるかに高くなります。
プロジェクトに関して意見を出したい、スタッフミーティングにもっと貢献したい、何年も前から話したいと思っていた提案をしたいなど、いずれの場合でも今がその絶好の機会です。
さらに、職場に生産的な変化を提案する際には、忠誠心を活用できます。上司に辞めると思われれば、引き留めようとアイデアに耳を傾けてもらえる可能性が高くなります。
ですから、「大離職時代」にじっとしていられない衝動に駆られ、「元同僚が手に入れたらしい一見すばらしい機会を自分は逃しているのだろうか?」と思っているのであれば、「隣の芝生は青い」とは限らないことを思い出しましょう。
確かに、選択の余地を残し、常に自分にとってベストなものが得られるよう懸命に努力することは大切です。
しかし、現在の雇用主にこれまで数年間大切にしてもらってきたのであればなおさら、リサーチもせず、利用できる選択肢をすべて評価することもせずに、事に乗り出さないようにしましょう。
Source: StandOut CV
Originally published by Fast Company [原文]
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