精神年齢が低いと思うことはありませんか?
自分が大人になりきれていないときは、次のことに目を向けてみましょう。
大人の定義は年齢で変化する
昔から、大人になった証とされる人生の節目があります。
親元を離れたときなどもそうでしょう。ほかにも、大学を卒業したとき、結婚したとき、子どもをもったとき、家を買ったときなど。
しかし、不安定な経済とコロナ禍によって、状況は一変。
コロナ禍のピーク時のアメリカでは、18~29歳の若者の52%が親元で暮らし、世界恐慌の末期である1940年に打ち立てられた記録を更新しました。
こうした「大人の基準点」をクリアすることは、かつてほど簡単ではありません。
研究者たちも、こうした規範の変化に注目してきました。
心理学者のJeffrey Jensen Arnett博士は、2000年に発表した論文のなかで、18~29歳の時期は、成人というよりは「成人としてかたちづくられつつある時期(emerging adulthood)」とみなすべきだと提言しています。
心理学者でセラピストのバーバラ・グリーンバーグ博士は、「人生における立ち位置は流動的なもの」と述べています。
それは絶えず変化しています。(中略)30年あまり人々を診てきた経験から言えるのは、人生に必ず起きることがひとつあるとすれば、それは変化だということです。
自分なりの大人像を定義して、評価する手順
その年齢でいることに、正しい方法も間違った方法もありません。
「大人像」を自分なりに考え、今の自分に目を向けてください。その方法をいくつかご紹介します。
- 今の年齢までに達成していると思っていたこと、あるいは、今の年齢なら達成している「べき」だと思うことをリストにします。
- それとは別に、自分が実際に達成していることもリストにします。たとえば、家は持っていなくても、自分でずっと家賃を払い続けてきたのなら、それも立派な成果です。
- 5年後、10年後に達成していたいことをリストにします。すでに達成したことと同じぐらい重要なのは、今の自分が、将来の目標に向かって進んでいるかどうかです。
このリストづくりが効果を発揮するのは、仕事の成績が思わしくなくて悩んでいる、プライベートが充実していないような気がするといった、自信を失っているときや、無力感に襲われたときです。
転職する、積極的に出会いを求める、不動産を買う、学生に戻る。
何でもかまわないので、これまでの成果や、これからの目標を、いつも念頭に置くように努めましょう。
自分の人生の舵取りをすることこそ、あなたにできる「大人の行動」です。
ただし、追いかける目標は、自分が本当に望んでいることでなければダメです。皆がそうするからというだけの理由でプレッシャーに屈するのは、大人とは言えません。
外からのプレッシャーに負けない
ここまでご紹介した手順を思い出して、リストにまとめた自分自身の成果と目標に、意識をフォーカスしましょう。
「自分自身を受け入れて、もっと自分を思いやってあげましょう」と、グリーンバーグ博士は言っています。
ものごとは、自然とそうなるようにできています。
批判に身構える必要などないのです。人生はサプライズに満ちていて、いろいろことが常に変化しているのですから。
Source: Dr Barbara, ARNETT, Pew Research